新たな夜明け
次で終わりになります。見てくれた方・・・ありがとうございます。
_____戦争は終わった。
それは思ったよりも早く終わった。
そして俺は目を覚ましたのはベットの上だった。
見たところここは教会だろう。
ゆっくりとベットから起き上がる。
「おはようございます。冒険者様」
教会のシスターが俺に声をかけた。
どうやら俺は1週間程、昏睡していたらしい。
「ああ。ありがとう」
コバヤシはシスターにお礼を言うと起き上がる。
顔合わせに行こうと思った時だった。
「ああー!起きてる!」
「まったく・・・心配させやがって」
ちょうどアリスとカインのほうから顔を見に来たようだった。
はっ・・・。と思わず二人の顔をみて笑ってしまう。
「終わったんだな・・・。正直、実感がないが」
「ああ。お前が寝てる間に色々あったよ」
カインが言うにはシャイターンが倒された後に前線にいた敵軍は、降伏するように戦場から次々離脱していったようだ。
今は落ち着いてきたので復興作業をしているらしい。
「スラ子とニイナ達、勇者パーティに顔見せに行くか・・・」
「分かった。アリスと俺たちは復興作業を手伝ってくるよ」
コバヤシは教会を後にした。
スラ子達に合流するために酒場に行くと、冒険者たちが俺を見る。
妙に視線が気になるというか・・・。
「よお!コバヤシ!死んだかと思ったぜ」
アレスは俺を見ると労うように肩をバンバン叩く。
「ああ。今回はさすがにやばかったな」
「ああー!コバヤシ!」
おっと。とアレスはそちらを見る。
そこにいたのはニイナ達、勇者パーティとスラ子だった。
「心配させて悪かったな・・・そういえば」
コバヤシは気になったことがあった。
____どうして生き残っているのだろうか。
「それはね。これ!」
これは・・・。見たことがあると思ったら昔世話になった宿屋の主人がくれた宝石だった。
「うん。それはね。なんとドラゴン種のアダマイト魔石だったんだよ」
ブローがそう言った。
「もう魔力は空っぽなんだけど、すごい価値だよ。買い取るって言ったけど断られちゃってね」
「これは宝物なんだ。コバヤシが生き残ったのもこのおかげだし」
「コバヤシ」
ニイナは俺にほかに用があるようだったが、上手く言えないようだ。
アンジェリカはため息をつくとフォローするように、
「勇者パーティとして一緒にこないか?」
そう言った。
「悪いが俺はやりたいことがある」
「そうか、残念だ」
「行くぞ、スラ子」
軽く会釈をすると俺たちは酒場を後にした。
「なんで勇者パーティといかなかったの?」
「あそこの宿屋に帰ろうと思ってね。依頼をこなしながらやりたいことを探すさ。お前はどうする?」
「コバヤシと一緒にいく!」
「わかった」
二人で帰りの道をゆっくりと歩いているとどこから来たのか、
「やあ。今回は大仕事だったね。帰りの道かい?」
マリーンが声をかけてきた。
「ああ。でもその前にとりあえず帰りたくてね・・・さすがに疲れた」
「丁度いいね。馬車は用意してあるよ」
「割り勘でいいか?」
マリーンは皮肉っぽく6:4でね。と笑う。
コバヤシはため息をつくと「ああ」と答えた。