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勇者の気概

「うっ・・・!」

油断していた。

作戦通りにいけば、私たちが魔王を討ち取る予定だった。

「どうした?私を討ち取るのではなかったのか?」

うまくカリュバーンが機能しない・・・!ブロー曰く、特殊な結界に近いものが玉座に張り巡らされているらしい。

まさかこんな策があるとは想像もしていなかった。

「今頃コバヤシも・・・あの魔剣使いもゼパルに負けているだろう。ここまでだ・・・!」

カリュバーンによる回復は阻害され、聖剣の霊体に与えるダメージをブーストされる効果もかなり下がっている。

ニイナは元々剣術が上手いわけではない、聖剣頼りであることは自覚していた。

「私は勇者なんだ・・・!こんなところで負けるわけにはいけない・・・!」

玉座の間には待ち受けるようにデビルアーマーが配置されていた。魔王は玉座に座り、悠々とこちらを見ている。

「これは・・・まいったね。コバヤシ君がここまで来れるとしてそこまでの時間、僕たちが持つか・・・」

ブローは冷静に戦況を分析する。

正直、ここまでの道中が上手く行き過ぎた。

こういう時、僕は罠があることくらい普段は考えるのに、油断しすぎだ。

「この程度、いくらでも乗り越えてきたじゃないかブローらしくもない」

アンジェリカは鼓舞するように言った。

敵は待ってくれないし、戦うしかない・・・それもそうだ。







「やあああ!」

ニイナは渾身の力でデビルアーマーを倒していく、性能が下がっているとはいえ全力でやればダメージを与えられないわけではない。

それに、

「貫け・・・!アクア・ランス!」

「放て・・・!エネルギーボルト・・・!」

タンクが1人、キャスターが2人、勇者が1人。パーティのバランスは悪くなかった。

時間を稼ぐのは可能ではある。

いまは魔王を倒すのではなく、コバヤシを待ち、魔王にコバヤシをぶつけたほうが効率的だ。

聖剣は封印されているが魔剣はそうでない可能性が高い。

そもそもゼパルをコバヤシにぶつける理由はおそらく聖剣と違い封印できていないからだ。・・・と結論をブローはつけた。

そしてそれを皆に伝える。

「「了解!」」

皆がそれに答えるとコバヤシを待つことに賭けた。

「勇者の魂・・・我が野望のため、頂くぞ」






コバヤシは急いでいた。

ゼパルの言った事が正しければ、罠が初めからこの城に仕掛けてあったのは明白だ。

幸いなことに俺のほうにはゼパル以外に敵兵は配置されていなかった事だ。

勇者が負ければこの作戦は瓦解する・・・あの魔王はそう思っているはずだ。

ただ俺が間に合えば、なんとかなる。

しかし、

「そうはいかないか」

敵はいないと思った矢先。

「ここで魔剣使いを食い止めろ!」

ダークエルフ達が立ちふさがった。

人数は5人。

「間に合ってくれよ・・・!」

コバヤシは彼らに刃を向けた。




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