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玄関開けたら、異世界でした。  作者: 織原 深雪
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 土竜族の領地から戻って、一週間ほどの時間が過ぎました。

 その間は、ライナスさんのお家から少し出て蛇族の領地の都市も見て回りました。


 なんと、この崖の中に蛇族の都市が形成されているのです。

 見た目は崖なんだけど、その中の空間は立派な都市になっていて。

 昔見た、某ロボット猫の未来都市が崖の中に形成されていたのだ。


「蛇族の領地、すごくハイテク? 近未来感が強い……」



 初めて街に出た時の私の感想がこれだった。


 そして都市の先には、ちゃんと農地まであるのだ。

 この崖の中の空間、どれだけ広いのよ? 

 見た感じはちょっとしたお山にある崖だったのに。


 蛇族の空間構造が摩訶不思議だが、私には分からない何かなのだろうと、もうここまで来るとすごいという感覚だけで考えることは放棄気味だ。



 そんな一週間の中で蛇族の領地は、農地や畜産までしっかり見学させてもらった。

 蛇族は、この崖の中で生活がほぼ完結できる都市環境らしいが、好奇心も旺盛な種族で知識欲も高く他の領地に旅に出る者も多いのだとか。


 蛇族はこんなに住まいの環境を整えているけれど、結構アクティブな種族さんだったようだ。



 そうして過ごした一週間は、あっという間だった。

 私は、今日またライナスさんとお出かけ中。

 帰ってきたその日に、ライナスさんが知り合いの調香師さんのところに行って土竜族で買った瓶を預けて香水をお願いしてくれたのだ。


 出来上がるのが丁度今日だったので、お出かけとなった。


 そして私が現在来ている服は、蛇族の衣装だ。

 蛇族さんはスレンダーな妖艶美人や美丈夫さんが多い、そんな一族の好きな服は私の世界でのアオザイに似ていた。


 ぴっちりと体のラインに沿ったスリットの入った長いワンピースに裾の広い裙のセット。

 ズボンも履いているから、スリットが腰まで入っていても心配なく着られるし、動きやすくって私はすっかり気に入っている。



 この衣装も、ライナスさんがごっそり用意していて実はかなりの数がある。

 こんなに必要?と聞いたらライナスさんが良い笑顔で返したのは記憶に新しい。


「だって、生地を見ていたら奈々実に似合いそうなのが沢山あって、それなら全部作っちゃえって思ったんだよね。 奈々実は着てきたもの以外服は持ってないんだし、いいだろう?」


 このとりあえず、似合いそうなのは全部って発想になるのがすごいよね。

 ライナスさんは、お仕事もしているのだけれどいまいちどんなものか私には分かっていなかったが、調香師さんのところに受け取りに行って私はやっとお仕事が理解できたのだった。



「おや、ライナス様。頼まれたものは出来上がっていますよ」


 にこやかに出迎えてくれた調香師さんは、シェーランさんという女性でライナスさんとは幼馴染だという。

 美人さんだが、こちらまた妖艶系な旦那さんと一緒に素敵なご夫婦で営んでいる香水屋さんなのだ。



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