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玄関開けたら、異世界でした。  作者: 織原 深雪
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そうして、再び意識が覚醒したときには私は今度は先ほどのイケメンと、よく似た美人さんに覗き込まれていた。


「起きたわね。ごめんなさいね、この子が驚かせて」


美人さんがにこやかに言うけれど、その横では私を先ほど抱きしめたイケメンさんがなんだか納得いかない顔をしている。



「母さんは黙ってって。あぁ、寝てても起きてても可愛い、本当に可愛い」


イケメンさんは再び私に抱き着いてくるので、私はフリーズのように固まってしまう。



「ねぇ、彼女固まってるわよ?」



すっごく残念な物を見る目で美人さんはイケメンさんを見ている。

あれ、でも美人さんのことをイケメンさんは母さんって呼んでた?

美人さんとイケメンさんが親子? 親子なの?

見た目年齢差がほとんどないんですけれど?!


私は驚きのあまりに目の前の二人をまじまじと見つめてしまった。



「あぁ、やっと見てくれた。嬉しいなぁ。ホント可愛い、ずっと抱っこしていたい」


それは勘弁願いたい!!

私は顔に出ていたのだろう、美人なお母さんににこやかにイケメンさんがバッサリ切られた。


「あんた、彼女にやや引かれてるわよ。いきなりのスキンシップは、受け入れられないのではなくって?」



にこやかな美人さんに私は同意を示すように頷いた。

もう、ブンブンと首を縦に振る。


そんな私の様子にショックを受けているイケメンさんは、しょんぼりしている。


「あなた、この世界に落ちてきたのよ?覚えている?」


美人さんの声掛けに、私は自分の家の玄関から空に放り出されたことを思い出した。



「はい、覚えています。私は自分の家に帰宅した直後に、なぜか空を落ちていたんです」


私の返答に美人さんは頷き、そして教えてくれた。


「ここは魔法のある獣人たちが住まう国サールーン。ここは蛇族の領地よ」


蛇族?! サールーンなんて国は私の世界には無い、魔法もない。


ここは異世界ってやつなんだろうか?



「あなたは、この世界に落ちてきた落ち人よ。魔法も使えるし、この世界で生きて行けるようにはなっているはずよ。言葉も、分かるはずだし」


確かに、言葉は日本語で聞こえる。

でも、こんなに容姿の整った人は私の周りにはいなかった。

それに、銀髪に紫の目の美人さんなんて日本以外の他の国にもそうそう居ないはずだ。



「落ち人って、元の世界には帰れないんですか?」


私の問いかけに美人さんは頷き、そして言った。


「ここには魔法はあるけれど、落ちてきた人を返すすべはないの」



どうやら、異世界転移してもう帰れないらしい。


私は、どうしたらいいんだろう。

ここに来てきっとまだ数時間。

元の場所には帰れないことを知ると、私は途方に暮れるしかなかった。


だって、魔法もこの国も何もかも分からないからどうしたらいいのかも分からない。



何から手をつければいいのか、それすら判断材料もなく。



私は美人さんに質問した。









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