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いなり駅の日常  作者: さかもとなつき・七海アカリ・chica・綾瀬光志・村人B
1/1

いなり駅の日常①

ちなみにリアルでは


さかもとなつき→桃乃

七海アカリ→雪香

chica→彩香

綾瀬光志→颯太

村人B→慎也


でしたw

学生時代は楽しかったなぁ…w

☆プロローグ

いなり駅では、毎朝5人の少年少女が集まる。

とある女子校に通う桃乃(ももの)雪香(ゆきか)、とる共学学校に通う彩香(あやか)慎也(しんや)颯太(そうた)だ。

桃乃と颯太・彩香と慎也は交際中である。また、雪香と彩香は姉妹。

彩香・慎也・颯太が中3、桃乃と雪香が中1である。

なぜか桃乃と颯太はお互い敬語を使っている。



☆日常(登校)(桃乃視点)

いなり駅のホームに着くと、颯太くんが待っている。通常、颯太→桃乃→雪香&彩香→慎也の順番で着く。

「おはようございます」

文庫本を読んでいるところ申し訳ないが、一応朝の挨拶をした。

「おはようございます」

本にしおりを挟み、こちらに向き直ってくれる。

「今日も鞄重そうですね」

私のカバンを見て彼はボソッと呟く。

「持ってみます?」

「遠慮しときます」

無愛想に見える人もいるかもしれない。でも、私は彼のこういうところも割と好きだった。

「あ、おっはよー!!」

後ろから雪香がジャンピングハグしてきた。相当のダメージだ(毎朝)

彩香ちゃんも呆れながらついてくる。

「おはよう桃乃ちゃんと颯太」

「おはよう」

「おはよ」

私は基本颯太くんにしか敬語を使わない。理由は自分でもよく分かっていない。それは颯太くんも同じだ。

「もうすぐ慎也も来ると思うけど」

噂をすれば、慎也くんもきた。彼は自転車で駅まで来ているので、朝から運動していることになる。それでも汗臭くないのはある意味凄い。

「おはよぉー」

気だるい挨拶を聞いて、5人で円になるように向かい合った。

「もうすぐ冬休みだー」

両校春休みは明後日からだ。

「冬休み、どっか行く?」

どこか…

「せっかくだし遠出したい」

「泊りで行けるかな」

そういった打ち合わせは行われるが、たいていは実行されない。

「またLINEで話そう」

そして話されないのもいつものこと。

「僕京都行きたい」

颯太くんが珍しく意思表示をしてきた。本当に珍しい。

「その心は?」

慎也くんがキメ顔で尋ねる

「着物着て和菓子屋巡りしたいから」

いや可愛いすぎ。

「それは私も行きたい」

同意を述べると、雪香や彩香ちゃんも賛成の意を述べてくれた。もちろん慎也くんも。

「1月2日~3日なら空いてる」

「僕も」

「私も。雪香も空いてたよね」

「俺も空いてる」

珍しく、予定が実行されることになった。


電車が来て、いつもの場所に立った。

私と雪香と同じ学校の生徒がいた。うるさい。うちの学校の評価下がるじゃん。

そうぐちぐち思いながら私は4人に目を向ける

「今日の帰り、何分発で帰る?」

彩香ちゃんがスマホをいじりながら聞いた。

「私早いと思う」

雪香は軽音楽部に入っている。今日は活動日じゃない。

「私も早いかな」

彩香ちゃんは華道部。共学さんのことは私はよく知らない。

「僕は遅くなると思う」

颯太くんは理科部と演劇部。兼部しているから忙しい。

「俺はめちゃめちゃ遅いから先帰ってて。8時くらいかな」

慎也くんは陸上部で走高跳をしている。学校の代表メンバーにも入っているらしい。

「桃乃ちゃんは?」

「私も今日は部活あるので遅い。慎也くんほどじゃないけど」

ちなみに私は競技カルタ部に入っている。あの、ちは〇ふるのやつ。

「なら一緒ですね。ももちゃん」

私のことをももちゃんと呼ぶのは颯太くんしかいない。

「そうですね」

彼はちらりと微笑んでから文庫本に目を戻した。

「まったく、颯太って桃乃ちゃんには優しいよね」

雪香が苦笑しながら言った。

「当たり前」

彼は目を離さずに言った。クールだなぁ。思わず笑ってしまう。

目的の駅に着き、ホームで別れる。共学さんと女子校は駅を挟んで反対側にあるのだ。

「じゃ、私も友達と行くから」

雪香はこの駅から別の友達と行く。私もだ。

待ち時間10分はひとりの時間。



☆日常(下校)(颯太視点)

無事学校を終え、学校最寄り駅に着くと、いつもの2番ホームでももちゃんはいた。

「一緒に帰りませんか?」

「そのつもりで待っていたので帰りたいです」

電車がくるまで、二人で待っていた。

「春休み、楽しみですね」

彼女はスマホを見てからこちらにニコっと振り向いた。


▷颯太 は 可愛い のダメージを受けた


っていうテロップが出てもおかしくないだろう。

「そうですね」

平常心を保って返事をする。

「今、調べてたんです。私も和菓子大好きなので」

奇遇。僕もだ。

「颯太くんはあんこはつぶあん派ですか?こしあん派ですか?」

「僕はつぶあんの方が好きです」

「あら。対立しちゃいましたね」

笑いながら彼女は話す。本当に楽しみになってきた。

電車の中でもずっと京都の話をしていた。

「私、友達とお泊りって初めてなんです!」「僕もですよ」「奇遇ですね」「案外普通じゃないですか?」「分からないですけど…」「少なくとも僕は初めてです」

そんな何気なくて他愛ない会話が何より好きだった。そして彼女は表情豊かだ。


すぐにいなり駅に着いてしまった。ここの改札を抜ければもう別行動。僕は駅から自宅まではバスだが、ももちゃんには過保護のお父さんがお迎えに来るのだ。

「じゃあ、また明日ですね」

「はい。さようなら」

手を振ってからバス停の列に並ぶ。この瞬間は、ちょっと寂しい。明日会えるって分かってるのに。


LINEを見ると、早速京都旅行の計画が練られていた。

調べてみると、中学生だけで泊まれるところもあるらしいし、親の許可はみんなすんなり取れたらしい。ただ僕とももちゃんを除いて。

僕はまだ聞けてないからだけど、ももちゃんのところは相当厄介(失礼)だ。まぁ、それだけ娘を大切に思っているということなのだろう。


バスが来て、自宅に着いてからは自室のベッドに寝転がった。

LINEを見ると、ももちゃんから「なんとか許可とれました」というメッセージが入っていた。どうやって許可とったのは聞かない方がいいだろう。ちなみに僕は簡単に許可してもらえた。

ホテルの旅館はももちゃんがしておいてくれたみたいだし、見た感じ凄く高そうなところだったが、彼女のお父さんのツケでかなり安くなったようだ(荒手だと予想される)。

仰向けになって大の字になると、これから起こる面白そうなことにわくわくを膨らませている自分に気づいた。


☆成績表(雪香視点)

学期末に必ずついてくるもの。それは成績表だ。

桃乃と颯太は秀才英知、彩香も二人には届かないものの高成績をおさめている。私と慎也は平均くらいかそれより少しだけ上くらいだから、成績表を3人と比べられるのが苦痛で仕方ない。

「今日は成績表返ってきました!」

今日は両校終業式だったため、珍しく5人で帰れた。

「桃乃と颯太は分かってるから見せなくていいよ」

慎也が苦笑しながら言った。後から見せてもらったが、こいつらは5段階中全科目評価5だった。ふざけんなこの天才どもが。

「まぁ私体育は悪い意味でやばかったけどね」

桃乃は苦虫を嚙み潰したような顔で言った。確かに桃乃の体育はズタボロだ。

「可愛いから100点満点です」

颯太のお惚気発言は無視して、姉である彩香の成績表を見ると、自分より圧倒的に高得点で悔しかった。

「おねーさまにはまだまだ敵わないねぇ。雪香ちゃん」

挑発を無視し、今度は慎也のを見せてもらう。

「慎也の見たらちょっと安心する」

「馬鹿にしてるよね」

「私が一番下じゃなくてよかった」

「やっぱ馬鹿にしてるよね!?」

この会話に笑っていると、桃乃は少し残念そうな顔をした。

「どうしたの?」

「いや、この成績だったら来年さらに頑張らなきゃなーって思って」

は?

「学年一位のくせに?」

「偏差値60台あるじゃん」

桃乃の偏差値は半端じゃない。数学は80台(化物)で理科・国語・社会は70台(化物)。つまり、偏差値60台とは英語のこと。

「お父さんからの嫌味攻撃あるわ。絶対」

うちでこんな成績持っていったら涙流して喜ばれるわ。絶対。


桃乃と颯太は天才レベルだと思う。

当然それ相応の努力もしてるんだろうけど、理解力が半端じゃないのだ。

「ほんとお前らの脳みそ羨ましいわ」

桃乃と颯太の方を向いて言うと、彼らはうん?と首を傾げた。

「まぁ、雪香も頑張れ」

「うん」

今いくら悔しがっても仕方ない。次のことを考えなければ。


前向き思考こそ正義。



☆京都計画(?)(彩香視点)

休日。颯太宅で計画を立てている。もちろん京都旅行の、だ。

こういう計画を立てるのは割と好きだ。

「いなり駅には6時くらいに待ち合わせかな」

「はっや」

「2時間半以上はかかるからねぇ」

多分お寺とかは初もうで客でいっぱいになる。だから、混まなそうなところを炙り出す。

颯太のPCはとても使いやすかった。流石金持ちの息子だ。


結局計画を立てるのは30分ほどで終わったので、颯太の部屋にあった某乱闘ゲームをすることにした。桃乃ちゃんと颯太はとても弱い。こいつら勉強しかできないタイプの天才か。

慎也はびっくりするくらい強かった。俗にいう一人勝ち。

「マリ〇カートなら勝てる」

桃乃ちゃんはむきになったのか、マリ〇カートもした。本当にこっちでは強かった。この差ってなんなんだ。


桃乃ちゃんは気が付けば寝ていた。お昼寝…?

「こっちの学校はいつもこの時間はお昼寝なんだよね」

雪香が説明してくれる。お昼寝制度、いいな

「もう習慣化しちゃってるんだな」

慎也が彼女の寝顔を見ながら言った。

「ちょっと可愛い」

雪香が颯太の膝の上に頭を乗せてやり、颯太は真っ赤になりながらも嫌がりはしなかった。

つまり。颯太はこのゲーム上においてハンデを下されるということだ。

凡人はこうやって天才に抗ってきたのだ(汚い)。まぁ颯太はゲームが下手だからあまり意味はないが。


ひと段落ついたところで、颯太ママが持ってきてくれたジュースを飲みながら喋っていた。桃乃ちゃんはまだ寝ている。

「…可愛い」

「うわー冷徹不動の颯太クンがデレてる~」

慎也がからかうように言った。

「仲良しはいいことだよ」

彼にそう言うと、「まぁそうだけどさ」と言って引いた。

「桃乃と颯太は初々しいよね。少女漫画をそのまま持ってきた、みたいな」

「それ思った」

慎也がすかさず同意した。私も同意見だ。

颯太の方を見てみると、彼も寝てしまっていた。

「こいつら何歳だよ」

慎也はそう言いながらも颯太のベッドからブランケットを取って二人にかけてやった。

「可愛い恋人さんたちなこと」

微笑ましい限りだ。



☆でーと(慎也)

午前10時頃のいなり駅。いつもは7時頃に来るし、今は冬休み期間なのでまずいなり駅にすらこない。いつもよりちょっと気取った格好でカノジョを待つ。

「お待たせ。待った?」

「いや、俺も今来たとこ」

彩香も昨日よりおしゃれして来ていた。

「さぁ、行きますか」

今日は京都旅行の旅準備をするらしく、学校最寄り駅の駅ビルでショッピングだと言ってた。「颯太たち誘わないの?」と聞くと「二人できたかっただけ。文句ある?」と言われたのでツンデレは可愛いと思った。


100円ショップで旅行グッズを買ったり、着ていく服を選んだりしていた。どうやらご両親に沢山お金を渡されていたようだった。

「この服可愛くない?」

「似合ってる。こっちと合わせたらいいかも」

「確かに」

こんな会話が俺は大好きだった。

「慎也は服とかの話聞いても真面目に答えてくれるから買い物楽しいわ~」

「褒められてるよね?」

「褒めてる」

昼食を食べながらそんな会話をした。

彩香は、凄い。

どこがどうすごいの?って言われたら答えられないが、どこか聖母的な雰囲気を感じるのだ。優しいところとキツいところの境界線がくっきりとしているからだろうか。

「次は慎也の買い物だね」

「俺はいいよ」

「行く」

どうやら俺に選択肢はないらしい。


メンズ商品のところに行ったり、本屋さんで京都の旅行本を読んでみたりした。

一つの雑貨屋さんにはいってみた。

「これ、桃乃ちゃんと颯太によくない?」

彩香が手に取ったのは本のモチーフが付いているネックレスだった。

「いいと思うよ。絶対あいつら旅行でつけてくる」

「そうだよね!」

すぐさまペアのネックレスを雑貨屋さん内の小さなかごに入れて、店内を歩き始めた。

「これ雪香にどうかな?」

ステンドグラスのヘアゴムだった。彼女にはきっと似合う。

「似合うと思うよ」

「私も雪香とペアにしよーっと」

色違いのヘアゴムをかごに入れて、また店内を歩く。


レジでお会計を済ませた頃にはもう夕方になっていた。

いつもの電車に乗って、いつもの駅で降りて、いつものところで分かれる。

でも、今日はそれがちょっと惜しみ深かった。なぜか、「まだ一緒にいたい」と思えた。

叶うはずもないけれど。

制作裏話


さ「○○駅で出会ったよねー」

な「私がなつきのことナンパしたんよなw」

さ「まじでびっくりしたwあの時はw」

C「アカリが知らん女の子連れてきてほんまにビビった」

む「光志は一目惚れやったもんなw」

あ「うるさw」


今でも仲良くやってますw(by さかもとなつき)


この物語を読んでくれてありがとうございました。次話も読んでくれたら嬉しいです。また、感想も待ってます!(5人一同)

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