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勇者は聖女の夢を見る  作者: 茲
1章 王宮スローライフ
1/16

0、とある勇者の物語

 あるところに、大変(たいへん)()れた(くに)がありました。そこは、王様(おうさま)非常(ひじょう)裕福(ゆうふく)()らしをして、国民(こくみん)非常(ひじょう)(くる)しい()らしをする(くに)でした。重税(じゅうぜい)(つね)()せられ、王様(おうさま)()()らなければ、すぐさま処刑(しょけい)。そんなとき、とあるニートの(ところ)手紙(てがみ)(とど)けられます。

「こちらは、(おう)からの手紙(てがみ)です」

 (かれ)は、なぜ自分(じぶん)(とど)けられたか()かりませんでした。

 手紙(てがみ)(ひら)くと、そこには魔王討伐(まおうとうばつ)命令(めいれい)が。どうやら、最近(さいきん)魔王(まおう)(あらわ)れたらしいのです。王様(おうさま)命令(めいれい)絶対(ぜったい)ですから、(かれ)大急(おおいそ)ぎで勇者(ゆうしゃ)として()

くことにしました。

 魔王(まおう)(おさ)める地域(ちいき)()いた勇者(ゆうしゃ)は、(かれ)(おも)っていたものとは(ちが)うそこにびっくりします。こぎれいとした町並(まちな)みに、(ゆた)かな(みどり)(まち)(ひと)魔王(まおう)についてたずねると、「とてもいい(ひと)だ」「しっかりしている」といい印象(いんしょう)(こえ)ばかり。いったいどういうことだろう?なにが()きているんだろう?(かれ)混乱(こんらん)してしまいます。しかし、王様(おうさま)()われたからには()くしかありません。

 勇者(ゆうしゃ)は、魔王城(まおうじょう)()きました。そこは、コウモリが()びかう不吉(ふきつ)場所(ばしょ)でした。ゆっくり(おく)へと(すす)んでいくと、やがて(おお)きないすに(すわ)った魔王(まおう)(あらわ)れます。魔王(まおう)()いました。

勇者(ゆうしゃ)よ、よく()け。(いま)王様(おうさま)は、ほんとうは魔王(まおう)だ」

「ええっ?!」

 勇者(ゆうしゃ)は、王様(おうさま)のことを(おも)いうかべました。あの王様(おうさま)なら、ありえます。そして、魔王(まおう)(つづ)けます。

(わたし)は、お(まえ)王様(おうさま)(たお)してほしい」

 勇者(ゆうしゃ)はそれを()き、(こた)えます。

「…()かりました。(ぼく)にできるのなら、やります」

「では、まずは(きたえ)えなければな」

 そこから、勇者(ゆうしゃ)特訓(とっくん)(はじ)まるのです。魔王(まおう)勇者(ゆうしゃ)に「なんでも()れる(けん)」を(さず)け、勇者(ゆうしゃ)(からだ)(きた)えていきます。勇者(ゆうしゃ)()るときも(けん)をそばにおき、魔王(まおう)のもとで三日間(みっかかん)ほど特訓(とっくん)をしました。

 十分(じゅうぶん)(ちから)をつけると、勇者(ゆうしゃ)王様(おうさま)のもとへ(かえ)っていき、王様(おうさま)(たお)しにいきます。

(なん)でも()れるのだったら、王様(おうさま)だって()れるはず!」

 (かれ)はそう()い、王様(おうさま)()()かいます。しかし、(かれ)(ぎゃく)王様(おうさま)()われるはめになってしまいました。

 そこで、勇者(ゆうしゃ)(もり)のなかに()()みます。王様(おうさま)(かれ)()ってきました。かなり(おこ)っているみたいです。ものすごい(いきお)いで(もり)(はい)っていきました。勇者(ゆうしゃ)はふと(おも)いつき、(はし)るのをやめました。そして、(うし)ろにあった(おお)きな()()(たお)しました!王様(おうさま)()()しつぶされてしまいます。

 こうして、勇者(ゆうしゃ)見事(みごと)魔王(まおう)(たお)したのでした。 おしまい


──絵本『ニナク国者物語』より

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