バララ焼き!
中々話が進まないよー!
彼女が葉を取りに行き、僕は料理を作り始める。
取ってきた細長いバララの実を剥き、木に刺して焼き。他には捕まえたナゴという虫を焦げないようにバララの皮に包んで焼く、お腹は膨れないけどサクサクして美味しいんだな〜これが。後は硬いリルの実を石で砕き、バララを葉の上でペースト上にする。その上にリルの実を撒き葉に包んで焼く。
調味料なんてものは無いから素材本来の味だ。
料理とは言ったが些か粗末なものになってしまった。これで大丈夫かな?人間だと足りないかな?幸いバララの実は沢山あるし大丈夫かな〜。
バララを焼きながら僕はは座り込み、助けた少女の子を思う。賊に捕まっていた少女、彼女の帰るべき場所は恐らく…もうない。
助けた僕が面倒を見るのが道理だろうか。
「ハーシェさーん!」
考えていたら本人の声が聞こえてきた。
顔を上げると赤髪の少女が立っていた。
「ミシャ、お帰り」
「これでいいんですか?」
彼女は抱え込んだ葉を見せ訪ねてきた。
「いいよ〜」
「じゃあ歯によそっていくから貸してね」
ミシャは頷き、葉を渡してくる。バララ料理とナゴ焼きを載せて彼女に渡す。
「召し上がれ!お代わり沢山あるからさ!」
「頂きます。」
ミシャは食前の祈りを済ませ、まずバララ焼に手をつけた。
「どう?」
「美味しい…」
と小さく微笑んで次の料理にも手をつけ一生懸命に食べ続けた。それ程空腹だったのだろう。空腹だから何でも美味しく感じられるんだろう。
「これなんて言う実なんですか!」
食べるの止めて彼女が口を開いた。
「バララの木の実だよ、ミシャは食べた事無いなかい?」
「バララ実?あんな苦い実が、こんな甘くなるなんて…」
「バララの実は焼くととても甘くなるのさ、エルフ族はよくこの実を焼いて食べるんだよ」
そうして食事を終えると彼女が質問をしてきた。
「ハーシェさんはこの森のエルフ何ですか?」
「僕はここから西に向かった地に住んでいたんだ。これでも180歳なんだ、若いでしょ!」
僕が得意げに己の若さをアピールすると、彼女は少々引き攣りながらそうですねと返してきた。
「ミシャはいくつ何だい?」
「私は15です」
「大人になるまで後140年くらいか。」
「人間だともう大人です…」
苦笑を浮かべて彼女言った。
あぁ…人間だとそうなのか、知らなかったよ。
と、お巫山戯はここまでにしてこれからについて話し合うことにしよう。
「君の家族、村についてはなにも聞かない。」
僕がそう言うと彼女は目を伏せた。
「率直に聞くけど、ミシャ…君はこれからどうしたい?」
「私は、私は…魔法を…教わりたいです」
彼女は両手を握りしめて声を漏らした。
「何故?」
「もし力が、魔法があればこうはならなかったかも知れない…もし…」
ミシャは涙を浮かべながらそう言い立ち上がる。
「そうか、構わない…」
僕がそう言うと一瞬硬直して大きく声出し泣き出してしまった。
「話は終わってないよ。」
ミシャは泣きながら目をこちらに向ける。
「教えるのはいい、だが魔法を憎しみや怒りに任せて使ってはいけないよ。」
そう言うと僕は彼女を抱きしめた。
彼女には心を癒す時間が必要だ、僕が家族の代わりにならなければ。
皆さん読んでくれてありがとう!