エルフ旅に出る!
初投稿です!拙い文章ですが、頑張ります!
「うん?どのくらいで人が住む土地につくのかな?」
齢180歳エルフの青年である僕は故郷を離れて人の住む地、東へと向かっている。エルフはその一生を里で過ごす者が多い、じゃ何で旅なんてしてるのか?僕は世界が、世の中を見てみたかったんだ。
歩き続けて数刻経っただろうか、エルフの性か僕は時間に疎い。日が落ち始めて当たりは黄金に輝いている。ふと目を凝らし道の先を見ると十人ほどの人影が見えてきた。
「人だ!」
第一人間思わず声を上げ喜び駆け寄る。
遠くにあった姿が鮮明になって行くにつれて段々不安になってきた。人間の装いがどう見ても普通ではなかったのだ。モヒカンに筋肉ダルマの悪漢が、手足に鎖をつけられた赤毛の子供を引きずっているのだ、恐らく意識は無いだろう。あれはどう見ても盗賊などの類だ。
「あ?なんだお前?」
「エルフじゃねぇか奴隷商人に高く売れるぜ」
「しかも金髪で色白だ!」
「今日はガキ一人だけだと思ったがラッキーだな!」
「お前が全員殺すからだろうが!」
「俺が一番乗りだ!」
「おいおい!抜け駆けするんじゃねぇよ!」
どうやらこの盗賊共は僕を奴隷商に売り捌くつもりらしい。まさかもう危機に瀕するとはね。奴隷として売られる子供か、これが僕が見たかった世界なのだろうか…。
盗賊が近寄ってるのに合わせ右手に着けたグローブを外し、赤い刻印が刻まれた手を出した。相変わらず老人のような手だ、余り見せたいものでは無いだが構っていられない。
「…ヘルスガーディアン」
魔法を詠唱すると人差し指の刻印が赤く光り魔法が発動する。
この魔法はダメージを魔力で肩代わりする魔法だ、これでそう簡単には死なない。特に魔力の多いエルフならね。
「ちっ…魔法使いかよ」
「お前ら気をつけろ奴は刻印魔術師だ」
盗賊の1人が近付きながら手で額を拭って言い放った。
ほぉ、盗賊の癖に刻印魔術を知っているのか。
恐らくだが、よくエルフを売り捌いているのだろう。まぁいい、次にどう出るべきか、やはり小規模な魔法が良いだろう。
策を考えているうちに盗賊の1人が切りかかってきた…が、ヘルスガーディアンの効果によって僕はダメージ受け付けない。
「嘘だろ…?!致命傷を食らわしたはずだ!なんで涼し顔してやがる…?!」
僕は切り付けられながら前方に手をかざしてサンダーボルトの詠唱を始める。
「天候の神イヴンァンよその小さくも絶対なる一撃を我が身に…サンダーボルト」
「不味い下がれ!!!」
僕を切り付けていた盗賊が仲間に呼びかけた。だが、もう遅い。
その刹那、雷鳴の如き一筋の光が前方の盗賊を貫き絶命する。その盗賊を貫いた一撃は他の盗賊共にも伝播しこれらも次々に絶命した。
魔法は強力だ、下位の魔法でも一撃で人程度ならば命を奪う。それ故不便な所あるのだ。詠唱長く唱えているうち殺されてしまうこともある。
だが、エルフ族は刻印魔法がある。あらかじめ魔力と魔法を体に刻印することによって省略詠唱で魔法を使うことが出来るのだ。だが刻印がなされた部位は著しく身体機能が低下するというデメリットもある。僕の右手が老人のようなのはその為だ。
盗賊は片付けた、問題はこの子だ、かなり酷い傷だ早急に手当をしなくては恐らく長くない、僕は子供を抱え脇道に入る。
「ここなら野営はできるだろう」
既に日は落ち辺は暗くなって来た。今日はここで野営するしかないだろう。まずはこの子の応急処置だ。
服を脱がし改めて具合を見ようとしたところ。
「あー……女の子だったか…」
悪い事してしまった。
私よりもずっと若い少女の裸を見てもなんとも思わないのだが、年頃の少女の裸を見るのは罪だろう…。
「ヒーリング」
右手親指の刻印が光る。下位の回復魔法だ、即効性は無いが徐々に傷を癒してくれる。明日の朝には歩ける程には回復するだろう。
暫くすると容態が安定したようで、すやすやと眠っていた。
その日は初めての出来事で疲れたせいか、ヘルスガーディアンを自分とこの子に掛けてそのまま寝てしまった。
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