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1.気になる先輩


 立蔵周たちくらあまね先輩と、わたし京野香音きょうのかのんが出会ったのは、学校の廊下。何てことは無いけれど、単にわたしが友達と昼休みに鬼ごっこをしている時だっただけのこと。


「へっへ~ん! こっちだし! 捕まえてみ?」


「こ、この~~! 香音マジムカつく! って、あ……!」


「んん? あれっ? 諦めたのかなぁ? 何故動きを止めたし」


「香音、前!」


「はぁ~~? 前?」


 まさか先生が歩いて来たか? なんて思っていたけれど、全然違った。わたし的に、ショックを覚えたよ。だって、そこにいたのは……入学した時から気になってた先輩だったから。


「せ、先輩、避けて!」

「え?」

「うわっ、マジで!? わたし、左に行きます!」

「――っ!?」


 そう宣言していたのに、気付けば見事にぶつかってました。ほんの数秒程度のことなのに、先輩を押し倒したような感じになっていて、即で飛び起きつつ、何事も無かったかのように周先輩に声をかけるわたし。


「せ、先輩、ダイジョブですか~?」

「……お前なぁ、俺は右に避けたんだぞ? いや、いいのか? んん?」

「あ、それ、当たりですよ。わたし、左に行ったので先輩が右にってことで見事にぶつかっちゃいました」

「いや、だから……待った。頭ぶつけたせいか、クラクラしてる」

「大丈夫ですか?」

「お前がそれ言うなっての! 次にぶつかってきたら、カノンアタックってあだ名で呼ぶぞ?」

「面白いです、それ!」

「と、とにかく、そこ避けて」

「はーい」


 そんな感じでわたしが入学してからの数か月くらいで、仲良く? なれた。何度もぶつかってたら嫌でも覚えるだろうし、わたしを見ただけで逃げそうだから。でも、わたしはぶつかりたい。だって、気になったから。入った時から女子にモテてた先輩に、あんまりイメージ良くないけれど覚えられたって所がポイント高かった。


「カノンアタックって……先輩の語彙センスやばくない?」


「何か可愛いじゃん? それならそれで植え付けできたし。むしろ、希望しよう!」


「ポジすぎる……まっ、モテまくりの先輩があんたに興味持つとか、それは夢を持ち過ぎだと思うけどね」


「ヒドイ奴め! ってことで、明日も鬼でよろしく!」


「あり得んし」


 そんなわけで、気になる先輩がいるわけです。どうなりたいのかなんて、今は分からないけれどいい感じになっていければ楽しい生活が待ってるかも? 

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