表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/61

アウステルダーにて

今日はもう一度更新しますが、《プロローグ》から《僕はこれから……》の話をまとめた話を第一話扱いで投稿します。

これは、最初の話あたりに面倒な用語が少し多かったので、読みにくいと感じる方がいるのかなと思い、まとめることで、なるべく面倒な話をとばせるようにしたかったのです。

用語の解説もありますので、興味のある方はどうぞ。

 据え膳食わねば~~の恥という言葉があるが、今のこの状況はどうしたものだろうか……。


 僕の目の前には二人の可愛い女の子が、僕が手をつけるのを、さっきからずっと待っている。

 つまり僕は今……誘惑されているのだ。




「ねえ、お姉様私の大きいでしょう……? ねえ……食べて?」

「……お姉ちゃん、セラのを食べると、淫乱病がうつる……少し小さいけど、私のを食べて……?」

「そ、そんなはずないわよ……! ねえ、お姉様……じらさないで……?」


 正直にいえば、ここまで言われれば僕だって手をつけたいとは思う。

 だけどここは、人目に付くような場所。

 僕はそんなところで手を出すような勇気はないのだ。

 だけど、二人の誘惑を無言では耐えきれず、僕は思わず口に出してしまう。


「……ッ! あ、あのさ……」


 僕は周囲と二人の顔を見渡し、声をかける。


「なあに、お姉様? 我慢しなくていいのよ、随分と血走った眼で見ていたものね?」


 僕の目はそんなに血走っていたのか……?

 確かに僕は今、ソレを欲してはいるが……。


「……とても柔らかくて、ぷるぷるしてる……とろけそうなほど……」


 彼女達は手を小刻みに動かし、大げさにその塊を震わせる。

 僕はそのぷるぷるとしたソレを見て、思わずごくりと生唾を飲んだ。

 確かに美味しそうだ。

 いや、間違いなく美味しいだろう。


 でも僕にだって羞恥心というモノがある。

 こんな人前で……できるはずがない。


「い、いや、だからね……少し人の目が多いからさ……?」

「人なんて関係ないわ……私がして欲しいからやってるのよ? 早くしないと……落ちちゃう……! あっ……だめっ!」

「……あぅ、こっちも、落ちそう……! ……あっ、んぅ……!」


 プルンとこぼれ落ちそうになるソレに、思わず口を近づけてしまう。


「あ……お姉様、汚れちゃう……!」

「……お姉ちゃん、ごめんなさい、顔にかかった……!」


 顔を汚したことに罪悪感を覚えたのか、すぐに用意してあった布巾で僕の顔を拭う。


「もう、二人とも……」


 僕は呆れながらも、口を動かした。

 甘美な味が僕の口に広がり、しっかり味わう為に塊を舌の上で転がし続ける。


「あっ……お姉様、美味しい……?」

「……ぅん、嬉しい……お姉ちゃん、小さくても、食べてくれた……」

「うん……美味しいよ、どっちのもね?」


 僕は二人に応え、ニコリと微笑む。


 僕にとっては二人のソレに違いなど感じられない。

 大きかろうが小さかろうが、二人のソレだと思えば、優劣などありはしないのだ。


「……ねえ、お姉様。私お返しにお姉様のも食べたいわ……」

「……セラ、ズルい……。……私だって、我慢してたのに……」


 ぼ、僕が食べられるの?!


 再び周囲を見渡すと、たくさんの人達がこちらを見ている。

 ニヤニヤとする者、羨ましそうにする者、舌打ちをする者……。

 具体的に言えば、周囲の視線は全てが僕達に注がれている。

 こんな中で僕にソレを差し出せというのか……!


「そ、その……ここでするのはちょっと……」

「お姉様、他人の目なんて……恥ずかしくないわ。私達の仲を見せつけてやりましょう?」

「……セラも偶には、良いこと言う……。……私も、お姉ちゃんのソレを食べて、見せつける……」


 彼女達の目は本気だ……!

 断れるような雰囲気でもない。


「そ、その……は、恥ずかしいよ、やっぱり……!」


 だが、勇気がでないのだ。

 通用しないと分かっているが、ささやかな抵抗を試みる。


「ふふふ、顔、真っ赤よ? 恥ずかしがってるお姉様も可愛いわ! でも……お姉様のが食べたいの……」

「……お姉ちゃん、可愛い妹の頼み……ダメ……?」


 上目づかいは駄目だって……!

 二人のおねだりに抗えず、僕は震える手を動かし、自身のモノの形を崩す。


「ああ、すごく美味しそう……とても柔らかそうで……大きさもお姉様らしく、慎ましいというか……」

「……大丈夫、私のより大きい……それにお姉ちゃんのなら、大きさなんて関係ない……」


 恥ずかしさに震える体に鞭を打ち、自身のソレを二人に近づけていく。


「ど、どっちが先にいくの?」

「……「もちろん、私……」」


 セラとカータは同時に立候補する。


「……セラは、昨日の夜、もうお姉ちゃんを十分堪能した……ここは私に、譲るべき……!」

「ぐっ……! わ、分かったわよ……!」


 珍しく、今日は喧嘩せずに順番が決まったようだ。

 確かに昨日は、セラがあまりにせがむから、望むままにしてあげたんだったね……。


「……お姉ちゃん、早くちょうだい……?」


 カータは目を閉じ、小さく口を開け、上を向いて、僕がそこへと導いてくるのを待っている。

 まるで、親から餌を受け取るひな鳥のように。


「それじゃあ……いくよ?」


 ソレが揺れるのは僕の体の震えが原因か、はたまた、それが柔らか過ぎるからか……。

 その理由も分からないまま、僕は体ごと近づけていく。


「……あ、んむぅ……」

「あっ……! ど、どう? 美味しい……?」


 ソレがちゅるんとカータの小さなお口に吸い込まれるのを見て、僕は思わず声を上げてしまった。


「……美味しい、これなら、いくらでも……」

「ね、ねえ、お姉様ぁ……! 私にも、早くちょうだい……!」


 幸せそうな顔でカータが、ソレにかぶりつく姿を見て、セラも待ちきれなくなっているようだ。


 目がウルウルと光り「私にはくれないの……?」と訴えかけてくる。


「分かってるよ……」


 セラに優しく応えると、彼女は嬉しそうに微笑み、カータと同じように口を開ける

 カータにソレを捧げたことで、僕も羞恥心が薄れ、心に余裕ができたようだ。

 目を閉じたセラに、僕は少しイジワルをしたくなった。


「どうしようかな……? セラには昨日してあげたし、もう一回カータにあげようかな……?」


 カータにウィンクすると、彼女もセラへのイジワルに加担してくれる。


「……うん、もっと、もっと、ちょうだい……? ……ああ、セラは可哀想、こんなに美味しいのに……こんなに幸せになるのに……食べさせてもらえない……」

「…………!」


 セラが驚き、目を開いた瞬間に、僕は彼女の唇にソレを近づける。


「……食べないの?」


 僕がニコリと微笑んでそう言うと、セラは満面の笑みになって、勢いよくソレへとかぶりこうとする。


「ちょ、セラ……! いきなり、激し……! そんなにしたら落ち、落ちちゃうからぁ……!」


 その声も空しく、ソレはプチュリと地面に落ちた……。


「ああ、せっかくのプリンが……!」

「……セラ、もったいない……」

「だ、だって、お姉様がいじわるするからぁ!」


 目に涙をためるセラが可愛くて、僕は思わず吹き出してしまう。


「ふふ……そうだね、ごめん」


 僕は自分のカップをセラの方へ差し向ける。

 二人に分けて、少し山の崩れたプリンがカップの中で揺れている。


「それじゃあ、これあげるから許してくれる?」


 僕がそう尋ねると……。


「……うん、でも――」



「――お姉様が食べさせてくれる?」


 やはり僕は上目づかいでお願いされると、断れないようだね……。

 そうして、僕は再びスプーンを手に取り、プリンをセラの口元へと持っていくのだった。




 この後、アウステルダーの町では、ある噂が流れていた。

『黒髪、黒目、黒マントの女が、自身の女を侍らせて、イチャイチャしているところを見せつけているらしい……』


 この噂こそ、レナが【黒百合の君】と呼ばれる最初の原因になったとかなってないとか……。


 真実は誰にも分からない。

これは長く暗い三日間の初日に、レナが言っていた発言を元にした話です。

どうでしたか?

この話を見た方は、何かしら食べていると気づいた方はいるでしょう。

しかし、もしかしたらーー何かいかがわしいことをしているんじゃないか?

という感じの勘違いさせる話が描きたかったのですよね。

楽しんでいただけたら幸いです。

しばらくはイチャイチャ話が続きます。短編は本編よりもギャグ色が強いです。


面白いと感じた方は、ブックマークなどをよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ