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幸せな時間

 反響があった為、とりあえずノクターン投稿しない代わりに、もう一話投稿します。


 レナはセラの温かくて、柔らかくて、にゅるにゅるするところを色々と堪能して……。

 放心した目で宙をさまようセラの視線。


「すごかった……すごかったよぅ……」


 うわ言のようにセラは何度も呟いている。


 天井のシミを数えている暇などなかった。

 自身の男が顔を出しかけるほどに、僕はセラを求めてしまったのだ。


 しばらくして正気を取り戻したセラは、僕の方を見て、耳元でねだるように囁いた。


「レナ、もう一回……して……?」


 バタン!


 僕が欲望に身を委ねてしまおうと、彼女の体に再び手を伸ばそうとした瞬間、それを遮るように勢い良くドアが開いた。


「……お姉ちゃん、もう、しなくていい……! ……一回で、もう治ってる……!」


 カータが部屋に戻って来たのだ。


 そっか……。一度満足させれば、良いだけだったんだ。


 今、自分がしようとしていたことを、誤魔化すように胸を撫で下ろす。


「なっ……! カータ……! 何しに来たのよ!」


 上半身を起こし、セラは布団で体を隠す。


「……セラ、いい加減にして、お姉ちゃんは、貸すだけって、言った……!」

「何の話よ! そんなこと、聞いてないわよ!」


 まあ、寝ていたからね……。


「……お姉ちゃん、離れて……! ……セラといると、淫乱がうつる……!」


 カータがベッドに寝転ぶ僕の腕を引っ張り、自分の元へと引き寄せる。


「誰が淫乱よ! さっきまでのは薬のせいなんだから!」


 セラは僕を引っ張り返す。


 セラ……! 直で当たってるから……!


「……全てを、薬のせいにして、うやむやにする……淫乱の、良くやる手……!」


 二人とも僕を離す気はなく、終わらない大岡裁きが続く。


「大体、タイミング良過ぎるのよ! もしかして……あんた覗いていたのね!?」


 目を反らすカータ。


「……言いがかりはやめて、淫乱セラ……! ……私が、覗いてた証拠なんて、ない……!」

「目を見て言いなさいよ! ……それに……証拠なら、雨も降ってないのに濡れてるあんたの服で十分よ!」

「……そんなはずない……! ……部屋に入る前に、確認した……!」


 自分のローブを確認するカータ。


「やっぱり、覗いてたんじゃない! 私が淫乱ならあんたは痴女よ!」

「……誘導尋問とは、卑怯な……!」

「覗きの方が卑怯よ! ねえ、お姉様?」


 えっ? セラ……お姉様って僕に言ったの?


「っ……! ……やめて、セラ……! ……妹は、私一人で十分……!」

「まあ、確かにお姉様の妹は一人で十分……。だから、し、仕方ないから……私が、あんたのお姉ちゃんになるから……。だから、私に妹の座を譲りなさい……!」


 照れたように言うセラに対し、カータの反応は酷く冷たいものだった。


「……セラが、お姉ちゃん……? ……やめて、こっちから、願い下げ……」

「な、なんですって……!」

「……大体、つり合いが取れない……。……セラと、お姉ちゃん……雑草と、薔薇ぐらい違う……」

「あ、あんたねえ……!」


 僕を挟んで、鼻先でぶつかるように喧嘩をする二人。


 そんな二人がいつもの二人だから……僕は――



「ふふ、ははは……!」



 笑ってしまう。



 嬉しくて、おかしくて、涙を流す位に……。



 僕の笑う姿を見て、キョトンと顔を見合わせる二人。


 彼女達は知らないのだ。

 ひとしきり笑った後、僕の気持ちを控えめに教えてあげよう。


 僕がこんなにも幸せだってことを……。


「二人とも……良かった……」


 言葉で足りない分は、二人を包む腕の力で示す。


 僕の喜びに震える体が治まるまで、彼女達は何も言わず、ただ僕を抱きしめ返してくれていた。

レナが幸せそうで良かったです。


続きが気になるという方は、感想、評価、ブックマークなどよろしくお願いします!

それが作者の原動力です。

そして原動力を手に入れた作者は、よりサービスシーンに力を入れるかもしれませんよ?

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