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長く暗い三日間 ――最終日、序――

時間が経てば経つほど、ボロボロになっていくセラ。

果たしてレナは間に合うのか? カータは何かできるのか?


今回は短いです。

 寝てない……眠過ぎる……。


 昨日からチカチカと、フラッシュバックするヴィジョン。


 セラと自分が泣いている。

 セラが数人の男に、弄ばれている……!


 現実の訳がない。


 でも、妙にリアルなんだ。

 描写じゃなくて心象が――


 昼近くになってようやくアウステルダーの町へと辿り着く。


 今から走って帰っても、多分間に合わない。


 馬車はないか?


 アウステルダーとメラン・コリーを繋ぐ便はないはずだが、個人用のなら……。


 町を周るとすぐに見つかった。


 持ち主にお願いすると「薬草を取りに来たから、採集するまでは帰れない」と言われる。


 これのことか?


 森で採ってきた薬草を見せると、正にコレだったらしい。


 多めに持ってきておいて良かった。


 お願いすると、すぐにでも出発してくれるらしい。

 今からだと時間はギリギリだが、どうにか間に合いそうだ。


 安心したら眠気が襲ってきた。

 申し訳ないが、町に着くまで馬車の中で寝かせてもらうことにしよう。


 二人の良い夢が見れますように……。


 ◆◇◆


 起きたら、既に昼過ぎだった。


 昨日セラが夜遅くまで起きていたので心配で眠れず、随分と寝坊してしまった。


 まぶたを開けると……いつからそうしていたのだろう。


 目の前に、寝ている私の頭を撫でながら微笑むセラがいた。

 諦めきって、観念しきって、全てを悟りきった彼女は、今日の夕食時に起こることを必然だと感じていた。


 彼女の身に着ける、黒くて布面積の少ないパーティドレスは、デザインが好きではないと、セラが鞄の底に押し込めていたモノだったはずだ。


 私が起きたときには、彼女は既に着替え終えており、後は死刑囚のように刑の執行を待つのみであった。

 私はかける言葉が見つからず、ただ彼女をじっと見上げていた。


 きれいだと思った。


 例えどんなことであろうとも、一つの境地に達した人間だけが彼女のような雰囲気をまとえるのだろう。


 私は涙を流した。


 おそらく、感動とは程遠い感情だろう。とても言葉では言い表せない感情だ。


 彼女は私の涙を見ても、もう泣かなかった。

 泣き過ぎて、涙が枯れ果ててしまったのかもしれない。


 ただ、困ったような笑顔を浮かべ、私をずっと見つめていた。

果たして救いはあるのか?


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