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《残念……勇者の冒険はーー》から《勇者はこれから……》までの要点まとめと僅かな用語解説

この話は、一話目の《残念……勇者の冒険はーー》から、四話目の《勇者はこれから……》をまとめたモノです。


面倒な話はサッと読みたいという方の為に、一応要点と、重要な台詞等をピックアップしたつもりです。

一話目から四話目に出てくる専門用語の解説も入れておりますので、ざっと序盤を読み進めたいという方は、どうか利用して下さい。


後で見直す為に使うというのもありかもしれません。

もちろんコレを見ないで先を読んでもらっても良いです。


これはその内、書き直す可能性もありますのでご了承下さい。

《プロローグ》


 勇者の使命を果たす為に村から王都へと向かっていた勇者。

 しかし、メランコリーという街の近くのコルウェイの森というところで、偶然強大な強さを持つ魔族と出会ってしまう。


「僕を倒したとしても、勇者は他にもいる」

「それが最後の言葉か?」


 そんな強がりを言いながらも、魔族に刺され、魔族につい本音を漏らしてしまう。


「元々僕は勇者なんて無理だった。僕は世界を救えるような器じゃない」


 自らの死の気配を感じ、元々他人を救うことに意味を見いだせていなかった勇者は、やり場のない感情を言葉にして外へ出してしまう。


「勇者になんてなりたくなかった。ただ普通に暮らし、結婚し、家族に看取られながら死にたかった」


 そんな本心を口に出すが、魔族が手を緩めるはずもなく、勇者は頭に魔法を向けられる。

 死を回避できないような状況で、自身の生を諦めた勇者に魔族が言う。


「次の人生ではお前の言ったような人生を歩めると良いな」


 その言葉に驚きつつ、心の中でその言葉に同意し、勇者は意識を手放すのであった。



《目覚めるとそこには……》



 勇者が目覚めるとそこは見覚えのない部屋。

 先程までの魔族への底知れぬ恐怖を思い出して、怯えて震えつつ、現状の把握に努めることにする。


 首を動かすと、ベッドに突っ伏して眠っている一人の少女が目に入った。

 魔族の仲間かといぶかしむが、少女が着ているローブは、魔族の嫌がる『女神』の要素があるモノで、魔族である可能性はほぼなくなった。

 それからしばらく少女を注意深く観察していると、彼女は眼を覚ます。


「君が助けてくれたの?」


 女性に免疫のない勇者は、緊張しながら少女に尋ねてみるが、彼女は寝惚けているようで「お姉ちゃんを呼んでくる」とだけ言って部屋を出て行ってしまう。



《気づいた現実》



 しばらく待っていると、大きな音を立てながら、先程の少女と異なる、少し目つきの鋭い金髪ツインテールの少女が部屋のドアを開く。

 きれいで高貴な雰囲気を持つその少女は、腰に手を当て、自らの名を名乗る。


「私の名前はセラ・ミアーレよ!」


 先程までは女神のようだと感じていた勇者は、彼女の態度と言葉に歳相応の少女らしさを感じ、動揺してしまう。


「一つ質問良いかしら?」


 自身の名を名乗る間もなく、セラの勢いに押されそれを了承する。


「あんた剣は使える?」

「一人旅をしているし、それくらいは――」

「それさえ分かれば良いわ! あんたは私の冒険者パーティに入りなさい!」


 拒否権はないと言わんばかりのセラの言葉。

 しかし、それはできない。

 勇者は国が認めた者以外とパーティを組めないからだ。


「それは無理だよ」

「せっかく助けてあげたのに……」

「こう見えて僕は勇者だからね」


 キョトンとした顔で勇者を見るセラに、自身の正体を聞いて驚いているのかと勘繰るが、どうやら違うようだ。


「冗談にしては笑えないわ」

「僕は本当に勇者なんだ!」


 そう訴えるが可哀想な目を向けられてしまう。


「あんたと同じ黒髪の女勇者はいるけど、特徴が当てはまらないわ」


 女顔と言われていた勇者は、その為の勘違いだろうと、「男である」と弁明するが、聞き入れてもらえない。

 セラの目は次第に心配するようなモノに代わり、「頭でも打ったのか」と言われてしまう。


「さっき服を着せてあげたけど、女だったわよ」


 その言葉を聞き、まさかそんなわけが――と自身の体を確認すると、胸は膨らみ、触れると柔らかい感触が自身の手に伝わる。

 果ては下を確認するが、やはりアレはついておらず、自身が女になったことを頭が理解する。


「記憶が混乱しているのかしら?」


 女になったショックに打ちひしがれた勇者を心配しつつ、セラは部屋を出ていく。

 そして、いつの間にか戻ってきていた最初の少女と部屋に残される。


 様々な考えが胸をよぎり、自身をこんな境遇へと導いた勇者の力に、八つ当たり気味に憤る勇者だったが、勇者はそこで初めて気付く。

 勇者の力を自身の中に感じなっていることに。


 そして、勇者になりたくないなどと言っていたにもかかわらず、今でもまだ勇者として過ごそうとしていた厚顔無恥な自分に気づき、自己嫌悪に陥ってしまう。


(最初から僕に勇者の資格なんて無かったのかもしれない。だから勇者の力も失われたのでは……?)


 そんな風に落ち込んでいく思考を切り替えようと顔を上げると、そこにはじっと勇者の顔を見守る少女の視線がある。


「君の名前はなんていうの?」


 視線に耐えられず少女へと尋ねると、彼女はフードを外す。

 すると、とても青く、蒼い美しい髪が露わになり、その色とよく似た水晶のように澄んだ瞳に心を奪われる。


「……カータ・バレンシア……」


 先程の少女を姉と言っていたが、名字が違うことを指摘すると「……寝惚けていただけ……」と言われてしまう。


「……そんなことよりあなたの名前は……?」


 誤魔化すように質問をするカータに、自身の名を口にしようとするが、勇者の一人と同じ名だと変に思われるのでは、と勇者は口をつぐむ。


「……もしかして覚えてない……?」

「そうだね、少し混乱してるみたい」


 そんな彼女の助け船に勇者はとっさに乗ってしまう。


「……なら私がつけていい……?」


 特に名前にこだわりもない勇者はカータに任せることにする。


「……レナで良い……?」

「ありがとう良い名前だね」


 名前を褒めるとカータは嬉しそうな表情を向ける。

 こうしてレナとなった勇者に、カータが更に質問を重ねる。


「……レナはこの街の近くで何をしていたの……?」


 真実をぼかしながらも、様々な質問に答えたレナは逆にカータへと質問を投げかける。


「何で僕に仲間になって欲しいの?」

「……セラは男嫌いだから、仲間は男以外の人が良い……」


 元々女の少ない冒険者という職業では、やはり女性の仲間を募ることが難しいらしい。


「……私からもお願い、仲間になって、レナ……」


 カータからのお願いに勇者は心を揺さぶられる。

 最終的に、勇者の力を失い目的もなく、助けてもらった恩があることも手伝って、レナは彼女達の手伝いを行うことを決めるのだった。






勇者の恩恵(ヒーローズギフト)


 勇者は普通の人より強く、一人でもそこそこ戦える力を持っている。

 しかし、勇者の本領はそこではなく【勇者の恩恵】と言われる特殊能力にある。


【勇者の恩恵】とは、勇者が勇者である為の能力と言われている。

 条件さえ満たせば、パーティ内に勇者がいるだけで強くなれる力である。


・意識や感情、記憶などを共有できる能力。(感覚共有)


 集団戦のときに迅速な命令を出せるなど、チームワークが必要な行動の助力となる力である。

『ヴィジョン』と呼ばれる直接映像を見せる能力も、その一端である。


・個人としての強さを共有できる力(能力共有)


 攻撃力や防御力など、人としての基本的な力を共有できる。単純でありながら、ある程度近くにいれば、常時発動する便利で強力な能力


・強さの才能をある程度共有できる力。(才能共有)


 パーティに治癒師(ヒーラー)がいれば、簡単な治癒術を誰でも使えるようになったり、魔術師(ソーサラー)が属性の適性が低い魔術を高威力で使用できるようになったりする。(セラなら、炎が得意で水が苦手だが、メンバー次第で苦手な属性でも得意になる)




 勇者がパーティにいるだけで強くなれるので、その力は国によって管理され、国の認めた者以外はパーティに入ることができない。(悪用を防ぐため)

 もし許可なくパーティに入れば刑罰は免れない。


 そして、【勇者の恩恵】には発動条件と適性があり、それを満たさなければ使えない。

 なので、もし不可抗力で条件が発動したときは、国が精査し、その人物のパーティ加入の可否を決める。




 相・天職相(コーリング)


 魔法や剣術等の適性が高い者に現れる身体的特徴のこと。

 主に髪の色に現れることが多く、青は回復魔法、赤は剣術等色々な法則がある。

 しかし、青い髪でも、水魔法の適性、水精霊との親和性、水泳の才能、単なる遺伝と、様々な要因が考えられる。

 また、才能の度合いによって色の割合が変化し、一部分だけだったり、薄かったりと、相といえども全て同じではない。

会話は本編と多少異なる部分もございます。

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