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第七十二話 誓約と攻略

ハッピーニューイヤー

明けましておめでとうございます。

今年もマイペースで投稿していきますので良ければお付き合いください。

「……」

「……」

「「………」」

「いつまでこの空気の近くにいればいいのかしら…?」

『うむうむ。主殿よ。この調子でしっかり子孫を残しなされよ? これは生き物の責務ですぞ?」

 言いたい放題行ってくれるぜ…!

 あれからオレ達二人はお互いの気持ちを確認したのはいいが相手の気持ちに照れてしまい、今でもモジモジそわそわと落ち着かないんだがなぜか心地いいような空気を醸し出していた。

 もうホント、空気が甘いんだ。まるでガムシロップでも空気に溶け込んでいるみたいだ。

 地球にいたころはこんな空気、近くにいるのも嫌だったし自分がこんな状況に置かれるなんて夢にも思わなかったがあの時の空気の発生源たち、リア充もこんな気持ちだったのか? もしそうだったらぜひ女子会ならぬ男子会で共感を集めたいものだ。きっとこの空気を始めて生成した時は気恥ずかしいやら嬉しいやらで一杯いっぱいだったんじゃなかろうか…

 なんて思ってたら

「タイチ。やっぱりアタシはいや」

 リナが思いつめたような表情。いや思いつめた「ような」なんて卑怯だな。思いつめてるんだ。オレのせいでそうさせた。この責任は重く受け止めるべきだ。

「アンタが危険な目に一人で会うなんていやよ…」

 リナは思い詰め、苦しそうな様子で言う。

「せめてついていきたい。でもあの洞窟のさらに奥へ行くのよね…」

 あぁ、そうだ。この前リナや先生も一緒に潜ったときは七十階層時点でもう酸欠まじかになっていた。あれからさらに三十階層。もしくはそれ以上あると考えると強いとか弱いとか関係なくその環境に適応できないせいで命を落とすことになる。

 リナもそのことがわかってる。だから思いつめてるんだ。

 ホントであれば自分もついていきたい。危険を冒すにしてもオレ一人ではなく、自分と二人で乗り越えてほしいと考えてる。

 だがしかし、残念ながらリナではついていけない。

 強いとか弱いとか関係なく、その環境そのものに適応できないのでついていけない。それが悔しくて悔しくてしょうがないんだ。

 ここでオレがとるべき行動。オレに思いつくのはこれだけだから

「え?」

「あ~。はいはい。お熱いことで」

『うむうむ。さすがですな』

 抱きしめた。リナを両腕でしっかりと抱きしめて、服越しにお互いの距離をゼロにした。

「必ず。必ず帰ってくる」

 誓う。

 自分自身の魂に

 宣言する。

 この愛おしい女性(ヒト)

 ダンジョン内での生存競争における勝利と鬼と巨人の巣食う魔窟への完全攻略を

「だから、待っててくれ」



 あれからリナや先生と別れてオレはレオルドとともに洞窟へ

 今現在の七十階層まででの出来事で特に語るべきところはなし。

 最初に到着した時より魔物全体のレベルが低く、それを補えるような技術もない。二十五階層に五十階層、それからここ七十階層で出現した魔物は比較的手ごわかったがそいつらも最初に相対した連中と比べれば数段見劣りがした。

 やっぱり随分荒らしたからダンジョン内の回復が追い付いていないのかもしれない。今回これまで討伐してきた魔物もその多くは生まれて間もない若い個体だったんだろう。本来であればそういう個体を鍛える個体などもいたかもしれないがオレ達が例外もなく絶滅させてしまったんだろう。

 だがそれもここまでだ。

 ここ七十階層から先はオレも通ったことがない。

 ここからが本番だと気を引き締めて階段を下る。



 そんなわけで着いた七十一階層。

 ここは今までの総決算とでもいうべきかゴブリンから始まり、これまで出現していた魔物の全種類がいた。さすがに以前攻略していた時に五十階層で現れたあの鬼はいなかったがそれでもある種、壮観というべき光景だった。

 本来であればこんなに大量の魔物がたった一階層分の広さで収まりきれるわけない。物理的に不可能だ。そう。()()()()()()()()()()()()()()()()な…


「やぁ、気に入ってくれたかい? ここは僕の領域なんだ。だからここでは僕の決定こそが絶対なんだよ? その証拠としてこんなに大量の雑魚を用意してみたんだけど、どうかな?」

 無邪気に

 なんの悪意もなさそうな声で語りかけてくる少年がいた。

「アハ♪ その様子だとまだまだ余裕がありそうだね。そうでなくっちゃ母さんに頼んで僕の領域を特別に五階層分に広げてもらった意味がないよ」

 嬉しそうに

 楽しそうに語る少年。いや待て待て

「…母さん?」

「? あぁ、君たち人間の言うところのダンジョンコアかな? 僕たちってみんな母さんのおかげで生まれるんだよ? ね? 母さんでしょ?」

 あ、さいですか…。

 え? ほかに突っ込むべき点があるだろうって? そうですけどね、ここが気になったんですよ。



《アヴァロン》 種族:鬼人帝王(ロード・エンペルト) 性別:男性 年齢:120歳 職業:鬼帝 聖鬼 妖術師 鬼槍天害(きそうてんがい)

      レベル:1320 魔力:1060000 攻撃力:380000 魔攻撃:1050000 防御力:460000 魔防御:1055000 敏捷性:300000 運:1000

《装備》神鬼威天(しんきいってん) 鬼帝法衣 鬼帝宝冠 悪鬼羅瀬靴(あっきらせくつ) 鬼帝の宝飾衣 鬼帝の宝短剣 祝福の外套

《魔法》火属性魔法:(きわみ) 闇属性魔法:(きわみ) 風属性魔法:(きわみ) 雷属性魔法:(きわみ) 土属性魔法:(きわみ) 氷属性魔法:(きわみ)

《魔術》火属性魔術:上級 闇属性魔術:上級 風属性魔術:上級 雷属性魔術:上級 土属性魔術:上級 氷属性魔術:上級

《スキル》槍術:(きわみ) 長槍術:(きわみ) 短槍術:(きわみ) 短剣術:中級 体術:(きわみ) 魔力操作 気力操作 仙力操作 聖力操作 無詠唱 神通力 天魔両逸 百鬼夜行 奇々怪々 鬼力解放 鬼神降臨 鬼神顕現 憑鬼統一 万鬼統合 死離滅烈 鬼炎の支配者 暗黒の申し子 鬼風(きふう)を統べる者 万雷将怪戦鬼(マンノイナヅマセンキ) 大地を汚す者 妖氷の支配者

《ユニークスキル》神愛享受魔鬼(カミニアイサレルモノ) 鬼神の申し子 半鬼半神 眷属生成 鬼種生成 眷属統合

《種族固有スキル》神格化 神鬼昇天 

《魔眼》鬼の死線

《奥義》鬼槍神穿

《称号》鬼の統括者 ダンジョンイレギュラー ダンジョン管理干渉権利保有者 神の領域に踏み入りし者 鬼炎の支配者 暗黒の申し子 鬼風(きふう)を統べる者 万雷将怪戦鬼(マンノイナヅマセンキ) 大地を汚す者 妖氷の支配者



 うん。オレが言うなって話なんだけどもいろいろ規格外すぎる。とりあえず五、いや六か所ほどツッコませろと言いたい。

「へ~~。これが鑑定される感覚なんだ。今までここまで挑んでくる相手がいなかったからわからなかったけど、うん。これは不快だね。だって、君だけが一方的に僕の情報を得たんでしょ? 不公平だね。うん不愉快だ」

 あぁ、もうこれ本気にさせたね。

 もう一気に殺気があふれ出てる。ついさっきまで十代前半の無邪気な子供といった風体だったのに今では鬼神という言葉に恥じない威厳と迫力に満ち満ちている。

 種族的には一応鬼の王という感じだったがユニークスキルやら称号から察して明らかに神様の領域に入るっぽい。

 正直、調子に乗りすぎたかなと思ってる。いくら何でも神様の領域とかさすがに無理じゃね? 死んじゃうんじゃね? こんなことになるんなら大人しくリナや先生と一緒に本来の計画通りに行動すべきだった。なんて後悔が湧き上がってくるが、どうせいつかはぶつからなくちゃいけない問題だったんだと自分に言い聞かせ、後悔を殴り飛ばす。

 改めてレオルドを握りなおし、オレは

 神の領域にいるらしい存在に挑みかかった。



「『ヴァイパーウェブ』!」

 土属性魔術『ヴァイパーウェブ』。地面に衝撃波と土石流を発生させて、二メートルほどの土の津波と衝撃波を広範囲にまき散らす範囲攻撃魔法でアヴァロンとやらが使役しているらしい鬼を一気に殲滅していく。しかしもともと巨体を誇る巨人種ではこの攻撃だけでは倒せないので

「『エアリアルグリムリーパー』!」

 ヴァイパーウェブの上、感覚的に一メートルほどの上空、地上から三メートルほどの上空で円形の風が波紋のように広がり、巨人種たちを切り裂いた。

 その様子を視界の端で確認しつつ、オレはアヴァロンとやらに仕掛けていた。


 圧倒的な数の優位、七十一、いや本人(鬼だから本鬼か? まぁ、どっちでもいいんだが)曰く、ここは七十一から七十五階層までのご階層分の広さを誇ってるらしいんだがそれでも所せましに並べられた鬼や巨人たち

 その数、およそ万単位は下るまい。そんな大軍勢をたった二発の魔術で壊滅状態にまで追い込まれたんだ。混乱ないし動揺はしてるはず

 この一撃、入るッ!

 そう確信した。

 が、

「へ~~~。やるねぇ」

「…そっちこそ余裕そうだな」

 受け止められた。

 ついさっきまで棒立ちしていたはずの奴に

 いつの間にか握られている朱色の三又槍。確か『神鬼威天(しんきいってん)』とか鑑定結果に出てたか? それにレオルドが受け止められていた。

 鑑定結果だけで見ればオレの方が肉体能力的には勝っている。魔力関連の項目はともかく肉体関連の項目であればオレの方が上だったはずなのに()()()()()()()()()()()()()

 なんらかのスキル?

 何らかの武術?

 それとも別の要因があるのか?

 いずれにしても

「棒立ちなんてナンセンスだなッ!」

 氷でできた矢の雨が降り注ぎ、それよけるのを妨害するために一度底なし沼のようになって足が幾分沈んだ瞬間にコンクリートのように固まった足場。

 ステータスで強引に抜け出しつつ、レオルドで氷の矢を払っていればいつの間にか視界から外れていたアヴァロンの槍の刺突によって危うく耳たぶがなくなるところだった。

 いや、違うな。耳たぶどころか頭蓋骨に穴が開くところだった。

 躱しついでに一撃を見舞うが防がれる。

「『大地の剛剣』ッ!」

 レオルドの一撃は防がれたが、それはアヴァロンの態勢を防御にくぎ付けにできたことでもある。のでその背後から土属性魔術で奇襲をかけたが

 遅くね?

 いつもの三割ほど魔術の展開スピードが遅い。それでもザコ相手なら十分通用するスピードだったがアヴァロンにはよけられてしまった。

 なぜ今の魔術は遅かった?

 それはたぶんアヴァロンの持っていた称号と魔法、魔術。土属性魔術:上級と土属性魔法:(きわみ)に称号『大地を汚す者』大きくかかわっているはずだ。

 文字から受ける印象から察してオレと同じく土属性の心理を垣間見ている。

 いつぞやの敵のようにオレとは全く別の姿や印象を持っているようだが・・・

「マズいな…」

 アヴァロンはおそらく魔力関連においてはオレよりも上にいる。オレの一番の得意分野であった土属性で先手を取られた以上。オレは肉体強化以外で魔法や魔術には頼れない。接近戦にもっと特化させる必要がある。

「となると、考えるだけ無駄だな…」

 接近戦に特化させる。

 遠距離戦に切り替えるだとか

 魔力や気力の温存だとかに思考力を使うのをやめて

 ただただ目の前の敵の存在を切り裂き叩き割ればいいんだ。

 そして、リナを

 オレの愛する女性(ヒト)を守ればいいんだ


 リナへの愛情と守護の意思

 (アヴァロン)への闘志と殺意

 そしてオレの大切なものに害をなすすべての存在への怒りと憎悪

 このすべての感情を爆発させて

 目の前の敵を確実に滅ぼすッ!

 決意を固めて全ての感情のリミッターを外した。



『レベルがアップしました。レベルがアップしました。レベルがアップしました。レベルがアップしました。レベルがアップしました。レベルがアップしました。レベルがアップしました。レベルがアップしました。レベルがアップしました。レベルがアップしました。複数のスキル、種族固有スキル、奥義、称号の取得。発現を確認しました。これより既存のステータス及びスキルその他の統合進化を開始します。――――――完了しました』



《松田 太一》 種族:超人類 性別:男性 職業:不退と不屈の守護武者・双斧(デュアルアックス)滅殺師(ブレイクマスター)守護狂斧師(しゅごきょうふし)・魔王殺しの英雄・開拓者(フロンティア)魔術武芸者(ソーサラー・モンク) 年齢:15

     レベル:150 魔力:500000 攻撃力:1020000 魔攻撃:440000 防御力:850000 魔防御:830000 敏捷性:840000 運:150000

《装備》金色獅子神の極戦斧(レオルド・アーバリン) 紅龍(スカーレットドラゴン)()戦斧(バトルアックス) 鬼帝の戦装束 不労と不滅の新緑手袋 獣帝の袴 天空帝の靴下 守護神の不壊鎧<一式> 竜麟尾翼(りゅうりんびよく)のベルト 戦神の威風外套(ウォーゴッド・マント) 洗練された上質な下着

《魔法》土属性魔法:(きわみ) 火属性魔法:(きわみ) 水属性魔法:(きわみ) 風属性魔法:(きわみ) 無属性魔法:最上級 光属性魔法:上級 雷属性魔法:上級 闇属性魔法:中級 氷属性魔法:中級 木属性魔法:上級 聖属性魔法:上級

《魔術》土属性魔術:上級 火属性魔術:上級 水属性魔術:中級 風属性魔術:中級

《スキル》斧術:(きわみ) 戦斧術(せんぷじゅつ)(きわみ) 双斧術(そうふじゅつ)(きわみ) 剣術:最上級 刀術(とうじゅつ):上級 長柄術:最上級 体術:(きわみ) 瞑想 索敵 隠形(おんぎょう) 魔力操作 気力操作 無詠唱 剛体法 鬼門法 竜気法 仙法 魔拳法 気拳法 付与(エンチャント) 大地の息吹 蒼天(そうてん)の大海 浄火(じょうか)の導き 手加減 不殺

《ユニークスキル》超健康 アイテムストレージ 第六感 限界突破 ???(鑑定不能) 可能性の卵

《種族固有スキル》強靭たる超人の肉体 高速思考 傷付かぬ超人の硬皮 尋常ならざる超人の魔力 尋常ならざる超人の気力 理外なる超人の膂力 理外なる超人の回復力

《魔眼》世界眼

《奥義》斧身一体(ふしんいったい) 斧斬滅殺(ふざんめっさつ) 富嶽抹消斬(マウントデストロイト) 静動一身(せいどういっしん) 獣牙咬合拳(じゅうがこうごうけん) 爆斧如脚(ばくふごきゃく) 居合斬り・滅 鬼神抹消斬斧(オーグルデリーター) 無限連撃陣(むげんれんげきじん)

《流派》ゼオゲンダー戦斧術:免許皆伝

《称号》絶望に打ち勝つ者 稀代のギャンブラー 斧神(おのがみ) 拳神(けんしん) 刀剣の達人 槍の達人 長柄武器(ながえぶき)の達人 刀鬼(とうき) 異世界人 鬼殺し 鬼の敵対者 鬼の天敵 竜殺し 不死者(アンデッド)殺し 不死者(アンデッド)の敵対者 魔王殺し 大物食らい(ジャイアントキリング) 魔法の探究者 真理を追う者 魂の救済者 ダンジョン制覇者 大地に愛されし者 大海原(おおうなばら)に愛されし者 護火(ごうか)に愛されし者 神風に愛されし者 牛人族(ミノルス)の救世主 魂の救済者



 変わったな。もう、いちいち鑑定する気力もない。ホントにぎりぎりの戦いだった。

 接近戦に特化したおかげで最初はずいぶん楽に攻め込めたんだが、アヴァロンが反撃のためにと様々なスキルを使って最終的にはスーパーサイヤ人よろしく髪の毛が逆立ち、黄金色のオーラを纏うに至っていた。

 そうなったときのアヴァロンは単純なステータスの数値であればオレよりも上だったはずだ。だがそのせいで自分のステータスをコントロールできておらず、隙もあった。

 だがそんなことが些細な問題に思えるくらいに一撃の重さが桁違いに上がっていた。

 一撃でも貰おうものなら死

 そんな不安が胸をよぎり、足がすくむ。はずだな。普通であれば

 ところがオレはテンションの高さも爆発する感情の大きさと相まって、限界知らずに跳ね上がっていたせいかそんなスリルを楽しんでいた。

 自分の力を限界まで引き出し、さらその限界を超える。

 止めにいつぞやのあのガーゴイルの鎧を壊した時のような連撃を叩き込み、討伐した。

 そのおかげで手に入れたこの力。

 ついさっき鑑定する気力がないと思ったんだが

「やっぱり気になる」



『不退と不屈の守護武者』・・・決して退かず、決して屈さず護るために前へと踏み出し続けた歴戦の戦士にして護人(もりびと)のみが到達できる(ジョブ)。守る存在が近くにいればいるほど全ステータスに超高補正あり。守る存在の数だけレベルアップに際してのステータス向上に超大幅補正あり。守る対象への想いの丈により効果が向上する。



双斧(デュアルアックス)滅殺師(ブレイクマスター)』・・・一撃の破壊力の高い斧を両手に二振り所持し、己の敵を両断した戦士が稀に獲得できる(ジョブ)。攻撃力のステータスに超大幅補正あり。斧を二振り装備時に全ステータスに高補正あり。斧であればどのような斧でも同様の効果が得られるが、同じ種類の斧であればさらに補正が向上される。



守護狂斧師(しゅごきょうふし)』・・・護るために万物を傷つける狂気すらも手懐け飼いならした(ジョブ)。防御力、魔防のステータスに高補正あり。攻撃力、魔攻撃のステータスに高補正あるが、狂化(バーサク)系のスキル取得ができなくなり、同時に狂戦士(バーサーカー)系列のジョブの取得もできなくなる。自らに『修羅(しゅら)』状態を付与でき、すべての斬撃系武技が斧で使用可能になる。



魔術武芸者(ソーサラー・モンク)』・・・己の五体を鍛え上げ、魔術の英知を探求した者が就ける(ジョブ)。徒手空拳に魔術を付与した時、破壊力が向上する。



 以上が変わった職業。

 確かに強くなりはしたがその代わり自然の守護者(アース・ガーディアン)斧滅師(ふめつし)武士(もののふ)といった職業がなくなっている。

 おそらく自然の守護者(アース・ガーディアン)武士(もののふ)が合わさって『不退と不屈の守護武者』に変わり、斧滅師(ふめつし)が『双斧(デュアルアックス)滅殺師(ブレイクマスター)』に進化してから新しく『守護狂斧師(しゅごきょうふし)』の職業を得たんだろう。

「何気に守護狂斧師(しゅごきょうふし)のジョブの効果がやばい…ッ!」

 何さりげなく全斬撃系武技が使えるようになってるの?

 これはあれか

 槍専用の斬撃武技とかも使えるのか?

 それどころか抜刀術も斧でできるんじゃね? 本来は刀専用の攻撃法のはずなんだがあれも一応は斬撃ではあるはずだしな…

 次に



紅龍(スカーレットドラゴン)()戦斧(バトルアックス)』・・・神話級装備品。かつて大国をわずか一晩で滅ぼしたとされる神話の龍。神獣によって討伐された龍の亡骸を神の祝福を受けたある一人のドワーフが己の命を懸けて創ったとされる神話に登場する斧。火属性魔法、魔術、魔導に非常に高い適性があり装備者が火属性魔法、魔術、魔導を使用する際に消費魔力を一割に軽減し、効果を五倍にする。敵対者が火属性魔法、魔術、魔導を使用した際は吸収し、装備者の魔力に還元。もしくは気力等に返還される。竜系の魔物と対峙したとき魔物のステータスを一割減少させる。



戦神の威風外套(ウォーゴッド・マント)』・・・神話級装備品。かつてこの世のすべての戦乱の場にこの人ありとうたわれた伝説の戦人(いくさびと)が愛用した外套(マント)。装備することで同じく装備されている防具の効果を倍にし、その防具に足りない効果があればその効果を獲得することができる。装備者の回復力を高め、敵の注意を引き付ける効果を持つ。



 こっちが装備品の鑑定結果。

 まず『紅龍(スカーレットドラゴン)()戦斧(バトルアックス)』だが、これはレオルド、『獅子神の大戦斧(レオルド・アーバリン)』が安置されていた神殿の宝物庫に保管されていた。『紅龍(スカーレットドラゴン)()戦斧(バトルアックス)』の鑑定結果に登場する神獣が実はレオルドのことでレオルドが封印されたこと知った『紅龍(スカーレットドラゴン)()戦斧(バトルアックス)』の制作者の子孫たちが供えたらしい。

 目に鮮やかな紅色で太陽にかざすと龍の模様が浮き出てくるとても美しい斧だ。芸術品としての価値も高いことは素人目でも十分わかる。

 しかしこいつの価値はあくまで武器としての価値。どこか『獅子神の大戦斧(レオルド・アーバリン)』に似た雰囲気を感じさせ、もしこいつでダンジョンコアを破壊させたらコイツも・・・? なんて考えずにはいられない風格のようなものを感じた。

 次に『戦神の威風外套(ウォーゴッド・マント)』。装備するとちょうど背中の中心にあたるところに達筆で『戦』と大きく迫力のある字が書かれている純白のマント。

 コイツもコイツでぶっ壊れ装備だと思う。装備されている防具。オレだったら守護神の不壊鎧<一式>の効果が倍になるというわけだ。しかも守護神の不壊鎧<一式>に足りない効果があればそれを補ってもくれると

 まさに痒い所に手が届くようになる装備なわけだ。うん。これがぶっ壊れのチート装備でなくて何だというのか…

 これも『獅子神の大戦斧(レオルド・アーバリン)』が安置されていた神殿の宝物庫に保管されていた。ほかにもいろいろやばそうなアイテムがあったんだが今はまだ保管保管。と…

 


 着いた。七十六階層。

 心なしか気温が上がったような気がするがそれ以外に特に変化なし。今まで通りの洞窟だ。壁に触れた感触も今まで道理なんだが…

「なんなんだこの魔力量は…」

 近くにミスリル。いやこの量だとオリハルコンやアダマンタイトをも超えてナナイロカネくらいの鉱脈でもあるのか? いや、下手をするとこの世界のアルファメスの通り道、龍脈という線もあり得るかもしれない。

「もしそうだとすれば厄介だな…」

 もしホントに龍脈であればこの洞窟ダンジョンがここまで大きくなったことへの説明がつく。この近くに現在この世界を流れている多くの負のアルファメスが通っている龍脈であればその近くにあるダンジョンが活性化するのは当たり前だ。


「それもとても気になるが一番の目的は…ッ!」

 レオルドを抜き放ち、一気に切りかかる。普通であれば両断。七十五階層でも傷つけることは簡単だったのに…


「…硬ってェ…ッ!」

 尋常じゃねぇ硬さで手がしびれちまった。

 それでこれこそがこの魔力量の一番簡単な理由。ここから出てくる魔物たちが全力で戦えるようにするために壁や天井に床をこれまで以上の強度に上げた結果があの魔力量。そしてこれから見つけるだろう鉱脈が生まれたんだろう。

 そしてこの考えはこの階層で初めて見つけた魔物で立証された。

 象の頭を持つ巨人だった。

 エレファリアンという種類らしい。

 フォモールの上位種の一つのようでフォモールが魔法も少し使えるのに対し、エレファリアンは白兵戦特化のようで手に持つその巨体にふさわしい戦斧に大剣、大弓、突撃槍とバリエーションも四つとそこまで多くもないが小細工のまるでない純粋な怪力で勝負を挑んでくるエレファリアンには楽勝で勝てた。


 どうやらここから先には今まで現れていた種類の魔物は一切現れないようでここからはエレファリアンと牛頭の鬼のミノタウロス、それから下半身が蛇の鬼であるナーガが主な魔物だった。

 七十六階層から先はもう一匹一匹が歴戦の強者のようでそれぞれ愛用している武器の技は驚くほど冴え渡り、やはりここからの階層に鉱脈があるらしく、どれも希少金属が大量に使われていた。

 特にナーガはここから先の先の階層のからめ手担当らしくいやらしい罠や即死の毒もふんだんに使ってくる。これ、オレのように状態異常無効化系のスキルなり装備なりがないと攻略不可能じゃねぇか…? なんなんだよ。階層全体が猛毒の空間って…。

 一匹ずつであればまず勝てる。

 数匹束になってかかってこられると少し背筋が凍る。

 上位種に率いられた群れとなるとかなり厄介だった。

 だがそのおかげで新しい(ジョブ)の試運転や新しい立ち回りも十分ものにできた。

 双斧術(そうふじゅつ)の殲滅力はすさまじい。単純に今までの二倍の手数になったんだからサクサクとスムーズに討伐できる。

 守護狂斧師(しゅごきょうふし)の力で修羅(しゅら)の状態も付与してみたんだが、これはやばすぎる。脳を含め肉体のすべてのリミッターを解除して戦える。しかもよく似た狂化(バーサク)と違って理性を失うなんてデメリットもない。要するに狂化(バーサク)の上位互換だ。早速抜刀術もどきにも挑戦してみたんだが普通にできた(オレが使うと抜刀術じゃなくて抜斧術(ばっふじゅつ)か?)。魔法関連も斧の穂先から普通に展開できるし、今までのように遠距離戦も余裕で行ける。


 自分の新しい力を確認しつつ到達できた九十九階層。

 あと一階層で百の大台に乗る言ったところで現れたのは

「貴様か。我らの王国に災いをもたらした人間は・・・」

 今まで現れていたミノタウロスとは次元が違う。

 直感でそう確信させられる威圧感を持った。ミノタウロスだった。

大晦日化元旦にでも特別回を投稿したかったんですが年末の忙しさに押し流され、時間が捻出できませんでした。

無念です・・・。

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