第五十一話 盗賊討伐と人助け?
注意! 胸クソ展開アリ
「あーあ、クソッ! こんな時に見張りなんてツイてねぇよな」
「ボヤくな。頭領に見つかったらブッ殺されんぞ?」
下卑た盗賊の笑い声が響く廃棄された砦の見張り台で行われてる会話。
それがすぐそばで聞こえた。
ついでに押し殺したような女のすすり泣く声もな
うん。もう殺すべきだろ
もうこの時点で有罪だろ
土属性魔術と風属性魔法で盗賊団らしき集団がいる場所を特定し、その場に向かうついでに情報収集がてら風属性魔法で聞き耳を立てたことをオレは心底後悔した。
あんなこの世のごみが実際のこの世界にいるんだな。正直物語の中だけだと思いたかったが、実際にいるんだからしょうがない。
「正直気乗りはしないんだが、ヤるか・・・」
ちょうど到着したしな。ホントだったあんなくずなんて関わりたくないんだが、これも仕事だと割り切るほかないな・・・。ハァ~~(ため息)
サリーが激しく骨をカタカタ鳴らしている。
つながってるパスから流れ込む感情は憎悪と怒り。そして歓喜だ。
どうやらビンゴらしいな。
「やってやれサリー。お前の新しい力を存分に使って、きっちりケジメをつけろ」
オレの号令にサリーは六本ある腕のうちの一本に装備された風精の貫通携帯弓に魔力を込め、矢を精製。
骨の身の脚でしっかりと大地を踏みしめながら精製された矢が弓に引き絞られ――――――
――――――放たれた。
サリーの放った矢は音を置き去りにする速度で全くの無音で盗賊の見張りの一人の首を貫き、絶命させた。
「お見事」
オレが何の飾り気のない称賛を与えるとほんの少しだけ照れた仕草をするサリーだが、すぐさま駆けだした。あれが見張りでありたった今殺したやつ以外にも見張りがいた以上。どうやって味方を殺したのかは置いといて敵襲だとすぐに他の仲間にそれを知らせるだろう。
つまり時間をかければかける程に敵の迎撃準備が整うことに他ならないわけだ。もしその中にアンデッド用の対策があれば厄介なことになりかねない。
だからさリーは全力疾走で敵拠点へと攻め入ろうとするんだが、いかんせん敏捷性ステータスのせいかそこまで速くない。このまま何もしないのもまずいと思うのでキーパーにも突撃させてみた。さすがにサリーとはステータスが全然違うせいかあっという間にサリーを追い抜いて敵拠点の城門を闘豚王の大剣で粉砕した。
一応オレも現場へと向かうがあくまでゆっくりとだ。別に目的地へと向かうのが億劫だからとかじゃねぇんだ。ただ、いきなりバカでかいゴーレムに襲撃され、もう少しすればアンデッドにまで襲撃されるんだ。もともと非人道的行動に出る連中だ。たとえ仲間であっても何のためらいもなく見捨てて捨て駒にするようなやつがいたって何の不思議もありゃしない。
それを監視する役目が必要だ。だからその役目をオレがやる。そんでオレの考えは正しかったとすぐに証明された。
「あぁ、まぁそう来るよな」
キーパーが粉砕した城門付近ではすでに盗賊たちが阿鼻叫喚の地獄絵図を繰り広げてる中でそれよりちょっと離れたところから服の乱れも直さずに走り逃げようとするヒゲ面の槍使いがいた。
あのヒゲ面には見覚えがある。サリーの記憶でもいた商会の御者のおっさんの相手をしていた槍使いだ。こんなところで見つけるとは、ね
「『サイレントスナイプ』」
ヒゲ面へと向けられた指から無音で発射された鉛が回転しながら無音で迫り――――
――――ヒゲ面の頭を打ち抜いた。
風属性魔法『サイレントスナイプ』。
思いのほか使えそうだな。本来であれば風の塊を飛ばすんだが、土属性魔法と組み合わせることでまんま地球の狙撃銃に近いことができるようになってた。
「ま、だから何だって話ではあるんだがな・・・」
それよりも重要なことがある。
オレは今確かに人を殺した。間違いなく殺人だ。
地球にいた頃はニュースで殺人事件を聞くたびに嫌悪感を抱いていたはずなのに、何も感じない。
地球にいた頃に感じていた嫌悪感も
よくドラマや映画に登場するような殺人鬼が抱いているらしい優越感も
実際のニュースに取り上げられたり指名手配犯になったような犯罪者が抱いているらしい昏い愉悦も何も感じなかった。
これがちょっと驚きだった。いくら森で魔物を大量に殺してきたとしてもそれは生きるために必要だったからだ。
向こうが殺しに来るんだからこちらもそのつもりで対応しなければ殺されるんだとわかっているんだからそうした。
死体を見るのも初めてじゃない。森の中にも冒険者らしき死体はあった。自分は今、生死をかけた闘争を繰り広げてるんだからこうなる可能性もあるんだと死体を見るたびに自分に言い聞かせていたんだ。
でも今回は違う。
今回のこれは向こうはコッチに何の害も与えていない。コッチが一方的に向こうに向かっていっているだけだ。
まぁ、向こうは盗賊だし、実際に人として墜ちてはいけないところにまで墜ちてしまったんだからこうなっても向こうは文句が言えないとは思うんだけどな?
てっきり地球にいた頃の価値観で最悪吐くことも覚悟してたんだが、吐く吐かない以前に何の感情も湧かないことに驚いてる。
コッチに来てからもう一年と半年は経つし、『死』そのものに慣れたのか? どっちにしても喜んでいいのやら悪いのやら判断に迷うなぁ・・・
この生死が軽いこの世界で『死』そのものに慣れるのはいい事なのかもしれないけど、オレは地球へ帰ることも視野に入れてるんだぜ? 地球、特に日本でこの『死』そのものに慣れるのは果たしていい事なのだろうか・・・?
「まぁ、考えても仕方ないな・・・」
もう今地球へ帰る手段もないのに帰った後のことを考えるなんてホント無意味だ。
鬼も笑うなんてレベルじゃねぇよ
今それどころじゃねぇもんな
これは問題の棚上げじゃねぇ。
現実に向き合うためのステップだ。
さて、リナや先生にはほかにやってほしいことがあったから今回は別行動だ。ぶっちゃけこれが初めての殺人で、その現場を見られたくないなんて思いもあったんだが、もうバレてるんだろうな・・・
やれやれ、たとえそうだとしてもできるだけ情けないところは見せたくないな。先生は別にしてもリナには見られたくねぇ。
オレを好きだなんて言ってくれる女にカッコつけたいんだ。バカみたいな考えだろ? でもこれがオレの本心なんだぜ?
変わるもんだよな? このオレにこんな気持ちが芽吹くなんてさ? これがいい事なのか、それとも悪い事なのかはオレにはわからない。
でも、これもヒトらしいことだと思う。
人を殺しても何も感じないなんて人の道に外れたことかもしれない。
その一方で自分に好意を抱いてくれている異性にいいところを見せたいなんて思うことはとても人間臭くて、人の道に沿ったことに思える。
まだオレは人の道にいるんだと安心する。
フフフ、ホントにおかしいな。ついさっき地球での価値観がうんぬんかんぬんと言っていたのに、そして今現在においてそれについて考えるのはホントに無駄だという結論に達したくせにまだそのことについて考えている。
ホントにおかしな話だ。
さて、そんなことを考えていたらもう自分で殺した盗賊の死体までたどり着いたぞ。アンデッドになられても困るし、もう一目見ただけでもロクな装備品も持っていないのが分かるからそのがらくただけでもはぎ取って燃やすか埋めるかの二つに一つだね。
と、のんびり盗賊の装備品をはぎ取ろうとするとちょうどさリーとキーパーの方も終わったようで盗賊たちの悲鳴と、サリーのアンデッド特有のこの世のすべてが憎いと言わんばかりの唸り声が止んだ。
どうせ向こうへ行けばキーパーとサリーが始末した盗賊の死体があるんだ。それと一緒にストレージに仕舞っちまおう。うん。コレがいい。
灰にされないだけでもありがたいと思ってほしい。
いや、多分そのままストレージに仕舞いっぱなしで忘れるか装備品ごと燃やすかの二択しかないな。どうせ大した力なんてない装備品だろうし
なんて考えながら廃墟へとやってきたが、やっぱりというべきか死体累々だった。
まともな死体なんて一体もない。胴体が泣き別れをしている死体の方が多く、そうでなくとも子供が通り抜けられそうな風穴があいていたり、岩の下敷きになっていたり、あるいは原形もとどめていないレベルで粉砕されていたりでかなりグロかった。
そしてその死体の中心にサリーはいた。返り血で新品の鎧もびちゃびちゃだったが、その返り血が骨を伝わってまるでサリーが泣いているように見えた。
ただそこに立っているだけ
ナニカするわけでもなく力なく武器を握りながらそこにたたずんでいるだけ
そんな様子が更に物悲しい雰囲気を醸し出す。
パスから伝わってくる感情も高揚感や達成感とは似ても似つかぬ絶望と言っても差し支えない程の空っぽな感情だった。
何かあるわけじゃないんだ。
怒りも
悲しみも
喜びすらもない。
ただただぽっかりと穴があるだけのような感情。
その穴はとても深く、黒く、冷たい。ただただそこにあるだけなのに見てるコッチまで暗い気持ちにさせるような穴。
そんな穴が心にぽっかりと開いているような感情だった。これをただただむなしいと言っていいのだろうか? 何かもっと別の呼び方があるんじゃないだろうか?
だがオレはその呼び方を知らない。だからこれを空しいと呼ぼう。きっと違うんだと思うけどそれしか呼び方を知らないから
サリーと見つめ合う形で居てからどれくらいたっただろう。不意にキーパーが廃墟となっていた砦に申し訳程度に取り付けられていた扉を指し示した。
そしてオレは思い出した。ここに来るときに盗賊たちの笑い声に紛れて何が聞こえていたのかを
ちょっと申し訳ない気持ちになりながら扉を開けると
そこにいたのは申し訳程度のボロ布を身に付けていて顔に殴られた跡がある少女ともうすでに裸にされ、これ以上になく辱められたことがうかがえる女性が数名いた。
抵抗するたびに殴られたのかひどい奴になると鼻が曲がっていたり、わき腹が内出血したような跡まである女性までいた。コレは多分骨を折られている。
「見てらんね」
ここにリナがいなくてよかったと心から思う。リナたちカウリア一族もまた人間に故郷を責められ理不尽に追われた。その時に一族の多くは逃げることに成功したようだが、それでも数名は行方不明だとリナから聞いた。
その行方不明者の中には女性も含まれているのでもしこれが人間に捕まろうものならどうゆう扱いを受けるのかは想像に難くない。
アイツの一族って男はみんな筋肉質で強そうだし、女はみんな巨乳で美人だからな。
もちろんオレはこんなことをリナに言ったりはしていない。そんなことするわけがない。そんなことしたって今のオレ達にはどうすることもできないんだから
でもリナもこの可能性には気づいてるようで時折遠くを見つめるような眼をしていることがあった。きっと行方不明になった同族たちの心配をしてたんだろう。
そんな心境のヤツにこんな場面は見せられない。だって今現在のオレですらただひたすら盗賊たちが憎くて憎くてしょうがないんだッッッッッ!!!!!!!!!!
うん。少しでも冷静になりたくて頭の中であれやこれやといろんな考えを巡らせてみたけど無理だね。もしあの死体の中に生き残りがいようものなら問答無用で襲い掛かり、オレの気が済むまで殴り続けていただろう。
だってこの慰み者にされたであろう女性の中には地球にいるオレの妹と同い年くらいの女性の姿まである。うん。別人だってことは分かってるのにどうしようもなく重なっちまうな。
これがオレの感情がここまで荒ぶる最大の理由なんだけど、やっぱり人としての嫌悪感がすさまじいな。ほんの少し前に人を殺して何も感じないなんて人として何かが壊れてるなんて考えていたけど前言撤回だな。
こんな奴らを殺したからと言ってオレがどうこう悩む方が間違ってるんだ。こんな奴は殺されて当然なんだよ。うん。
今回オレはいい仕事したんじゃねぇか? こんなこの世のごみを掃除したんだからさ。うん。もうこのことはこう思っておくとしよう。
そしてまたこんなゴミがオレの近くにあろうものなら積極的に掃除しよう。うん。それがいい。ゴミ掃除はちゃんとやらないととても不潔極まりないもんな?
「あー・・・」
オレが声を出しただけでボロ布を纏っただけの少女がビクッと怯えた。まぁ、普通に考えればいきなり入ってきたかと思えば自分たちを見て顔を真っ赤にしつつ震えている挙動不審な大男だもんな。このオレは・・・
正直かなりショックだけどここで大声を出そうものならますます警戒させちまうし、いよいよ話が進まないからな。ここはグッとこらえて根気強く勤めて優しい声をかけていこう。
「もう大丈夫だぞ? オレはたまたまこの廃墟を見つけてな。街へと向かうついでに人助けをしようとしただけだ」
そうゆう設定です。ここでバカ正直に魔法やサリーの事を話してもしょうがないもんな。無駄に怖がらせるだけなのが目に見えている。
少女たちは自分にかけられた言葉の意味を吟味しているのかそれとも信じられないのかキョトンとしている。
すでに辱められた女性たちはもうオレの言葉に耳を貸す気力もないのかただ虚空を見つめている。これが某国民的RPGだったら『返事がない。ただの屍のようだ』なんて表示が出ていたのかもしれない。うん。この例えは不謹慎極まりないな。やめておこう。
とりあえずただ女性たちの反応を待っている間も暇なので改めて女性たちが囚われていた部屋を見渡してみる。
周囲には酒やベーコンにソーセージなどが散乱しており酒を飲みながら女を辱めていたのが分かる。うん。許せねぇな。余計な情報を拾っちまったよ
一応ここは兵舎らしく武器庫らしき倉庫や食糧庫に浴室施設まであった。
もうずいぶん昔に廃棄されたらしく浴室も壊れてはいたがそこまで絶望的壊れてるわけじゃないし、多少の破損程度であれば魔法で十分治せる。うん。風呂に入れさせよう。
風呂でサッパリすれば少しは心にゆとりもできるだろう。
そうと決まればさっそく行動開始だ。
ヒトが寄り付かなくなり随分と時間が経っていたであろう浴室。掃除する人間もおらずコケやカビが生え、湯壺の壁の一部が崩れ落ちるほどに壊れていたのだが
「オレなら問題ないな」
伊達に一年以上も凶悪なダンジョンで過ごしとらんよ。あそこではそもそも風呂を創った形跡すらないところに自分で風呂を創ってたんだから
ちなみに石鹸も自作だ。灰と油を混ぜて固めれば立派な石鹸になる。さすがに地球産の石鹸と比べれば香りも泡立ちも悪いだろうが十分役に立つ。
シャンプーの方は先生に相談して作ってもらえた。男でもそういうところ気にするんだねぇ~なんて感心されたのが意外だった。
別にそこまで潔癖症でもきれい好きでもないんだけど気分の問題だ。
流石にリンスなどの類はないがそこまでは面倒見切れね。そこはガマンしてもらう。ていうかそもそもこの世界ではリンスなんてないらしいしな。問題ないだろうよ
「うん。こんなところだな」
とりあえずコケやらカビやらを徹底的に除去して壊れた湯壺を土属性魔法で補強することで風呂としての体裁を整えた。
木属性魔法で木材を入手しつつついでに木属性魔法の練習も兼ねて魔法で風呂桶やイスに加工。うん。数こなせばそれなりにものになりそうだな。最初は使えなくはないんだが少々形がいびつだし、ヘタなものになると崩れそうだが、三回目四回目と数をこなすことでちゃんと風呂桶やイスに使えるものができた。
風呂としての体裁を整えたオレは早速湯を張り、未だに呆然としている女性たちを呼び寄せ風呂に入らせた。
え?
オレ?
一緒に入るわけねぇでしょ? 当たり前じゃん。
シャンプーと石鹸の使い方とタオルの場所を教えただけだよ。
どうやら女性たちの中には風呂に関連する商品を扱う商会に勤めていた方もいたのでその人に任せてみんなに風呂に入ってもらった。
さて、オレはその間に女性たちの服をどうにかしよう。
どうやらあのボロ布はすでに辱められた女性たちがせめてものの思いで彼女らにまとわせたもので女性たちの本来の衣服もあったんだけど・・・
そう。あったんだけど・・・
「これは・・・」
うん。もう盗賊は探知魔法範囲内に入った時点でぶっ殺そう。この無残に吹き裂かれた衣服を見てオレ改めて盗賊たちへの怒りに燃えた。
もう服としての体裁を為していない衣服を見て、オレはストレージを開いた。たしか獣魔王を討伐したときに開放したダンジョンに合った亡骸の中には女性らしき遺体もあった。死人の服で申し訳ないがそこは無属性魔法で洗濯済みというところで我慢してもらおう
「さて、少しはさっぱりしたか?」
「・・・ハイ。アリガトウゴザイマシタ」
うん。全然大丈夫じゃないし、サッパリもしてないな。
もうこれは壊れてるんじゃないのか?
盗賊にいいようになぶられて、その様子をまじかで見せられて心が壊れてしまったんじゃないのか?
そんな疑問が尽きない状態だ。
一応見た目はきれいになってるんだ。
風呂の前に回復魔法はかけてあったから怪我はゼンブ完治してるし、風呂のおかげでいろいろな汚れもキレイに落ちている。
だがしかし、眼が死んでいる。もう、ね? 死んだ魚とかそういうレベルじゃないんだ。もうここにあるのはマネキンですよって言われたらそうなのかと信じてしまいかねないくらいに目に光がないんだ。
まぁ、無理もないとは思う。年頃の女性があんな粗暴で凶悪な盗賊に襲われ、人としての尊厳を踏みにじられ、女性に生まれたことを心底後悔するような辱めを受けたんだ。
むしろ心が壊れていない方が不思議なことだろうな。
いっそのことここでさっくりと一思いに殺してやった方がコイツ等にとってもシヤワセなことなのかもしれないな。
でもそれはできればしたくない。
オレの勝手なわがままかもしれないがここで助けることができたのも何かの縁。出来れば自分の生を諦めることなくこれから行く街で出来るだけまっとうに生きてほしい。と考えている。
「・・・ホントウニヨロシイノデショウカ? ワタシタチノタメニコノヨウナオキヅカイヲイタダイテ・・・」
「別に構わないよ。どうせこのまま街へ向かうんだ。ついでに連れていくくらい問題ない」
ただしオレの連れに手出ししないでくれよ? と念を押して女性たちを馬車に乗せてキーパーに引かせる。サリーはアンデッドなだけに今の彼女らには刺激が強すぎるだろうから隠れてついてきてもらう予定だ。
あ、ちなみにこの馬車だがもともと彼女らが使っていたものだったりする。どうにも彼女らは商会の従業員だったらしく、その荷物を運ぶ途中で盗賊たちに襲われたらしい。
護衛も雇っていたんだが、そもそもその護衛が盗賊と内通していたんだというのだから笑えない。護衛が任務を全うしないどころか裏切ったのだからホントに笑えない
そしてその時にこの馬車を引いていた馬は盗賊たちに殺されすでに肉にされて盗賊たちの腹の中だったらしい。
さて、そして彼女らだが相変わらずしゃべれるの一人だけだし、その一人も片言と言うか言葉のイントネーションがかなり変わっている。
ほかのメンツに至ってはいまだに無表情、無言なのだ。
回復魔法のついでに聖属性魔法もかけてみたんだが、効果がなかった。
いや、聖属性魔法をかけたからこそ約一名こうしてしゃべることができるのであってもしあの魔法が無かったら誰もしゃべることができなかったのかもしれない。
こう考えればいいか。幾分か気持ちが楽になった。
それにこんな調子だからこそいきなりバカでかいゴーレムが目の前に現れてもあまり驚かなかったり、そいつが引く怪しい馬車にもいともあっさりと乗ってくれたんだからそこまで悪い事ばかりじゃないだろうさ。
普通だったら泣きわめきながらなかなか馬車にも乗らないだろうし、うん。こう考えればそこまで悪くないな。
ちなみにいま彼女らに来てもらっているのはストレージに仕舞いっぱなしになっていた女冒険者らしき遺体の服とゴブリンやオーガの上位種が来ていた衣服を人間サイズに仕立て直したものだ。
まぁ、仕立て直したというより素材の布を利用して貫頭衣を創ったというほうが正しいな。いくら衣服制作素人でもそれくらいはできる。小学校の家庭科の授業を真面目に受けていればの話だがな。
下着については、まぁ・・・
察してくれ。な?
そろそろストックもたまってきたし、ここらで一気に放出してみようかな・・・?
なんて考えてる今日この頃です




