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第百三話 自問自答と初陣

ストックが貯まったので投稿します。

 昨日のうちにやらなければならない話し合いは大体終わった。

 最後にリナや先生に報告したが本人たちもこの街でのダンジョン攻略と素材収集そして薬学の発展に大きく貢献したらしい。

「これがもともとの目的だった品らしいわよ。ほかの植物と比べて随分と青臭かったからすぐわかったわ」

 そう言ってリナが渡してきた発破は形としてはイチョウの葉に近い形をしていたが、さて…



『清風樹の葉』・・・希少級アイテム。空気中のあらゆる毒素を取り込み、新鮮な空気を放出する『清風樹』の木の葉。風属性魔法と木属性魔法に若干の親和性がある。



 ビンゴ。

 オレのストレージに仕舞えればもっと量が確保できただろうがひとまずリナが確保してくれていた一抱え分で十分間に合う。これでマスクを作って農業革命の肥料を量産して食物生産率を上げていく。

 まずは飢餓を撲滅させることから始めよう。この世界の現状はまだまだ知らないことが多いが今まで見てきた町や村の様子から考えて食料自給率が悪いのは目に見えているし、仮によかったとしても王侯貴族たちに吸い取られていて人民全てにいきわたっていない可能性が高い。

 もし後者であった場合は仮にオレが食糧生産率を上げると逆に貴族やそれに関係のある面倒な連中に目を付けられかねないか…?

 いや、もしそうなれば逆に多くの人民に飢餓を与えるような害悪ででしかない悪徳貴族や強欲商人をあぶり出すいいきっかけになるな。

 オレの仕事にも好影響を与えそうだし、これは是が非でも成功させなくてはいけなくなったぞ…?


 ほかにもやるべきことはいろいろあるが何よりもまず優先すべきは今現在の仕事。海のダンジョン攻略からだ。今まで陸戦しかしてこなかったオレ達がいきなり海上戦、もしくは海中戦に挑むことだ。今までとは勝手の違う戦いに苦戦を強いられる可能性は十分にある。

 …今のうちから魚系のモンスターでも召喚する(よぶ)か? 一気に進化させれば足手まといにはならんだろう。

 だがそうするなら最初から固定召喚の方がいいか? わざわざアルファメスを消費してまでその場でしか用がないモンスターを用意するのも費用対効果が悪すぎるんじゃないのか?

 いろんな可能性やその対策等々が頭を駆け巡るがまずは…


「リナ。お前のこの一ヶ月の成果を見せてくれ」

 この一か月間。オレが師匠の下で鍛冶の修行を積んできたようにリナもダンジョンで戦闘の腕を磨いていた。レベルは跳ね上がっているらしくただそこに立っているだけでも以前とは違うことが一目でわかるほど濃密な魔力を纏っている。

 鑑定するまでもなく強くなっているのが一目でわかる。

 しかし具体的にどの程度強くなったのかがわからない。ある程度の予測はできるがどうせならもっと正確なデータが欲しい。それにオレ自身も戦いの前線から離れて早一ヶ月。自分でもはっきりわかるくらいには勘が鈍っている。それをいち早く戻すにもちょうどいい。


 そう思って始めた手合わせだったが


「ハァアアアアアアアアアアアアアアアッ!」

 リナの渾身の一撃を()で受ける。リナの呼吸を読んで受けた攻撃だったがその威力が予想よりも強かったので盾で受けた左腕が痺れる。

 その痺れを無視して右手に持つ()()()を振るうオレだったが、


 フワリ


 と羽のように軽やかに躱すリナの無駄のない動きに思わず頬が緩んでしまった。

 今までのリナであれば今の一連の動きについてこれなかったはずなのに今ではいとも簡単にやってのけた。オレの想定を超えてくれたことがうれしくてしょうがない。だが同時に腹立たしいという感情も湧き上がってくる。

 喜びを力に変えて盾を構え直し、怒りを力に変えて金砕棒を握りしめる。


 結果は


「悔しい……ッ!」

「いや? 随分ヒヤヒヤさせられたぜ?」

 このやり取りで分かるだろ?


 ハンデで主力武器(メインウェポン)のレオルドもクリムゾンも使わなかったがそれを差し引いても実力差が縮まっている。

 ここで改めて鑑定してみたが



《リナ・カウリア》 種族:高位獣人族(ハイ・ビースト)牛種(ミノシス) 性別:女性 職業:守護戦士・格闘師(グラップラー)・魔法槍師・魔女(ウィッチ) 年齢:15歳

     レベル:150 魔力:20000 攻撃力:31000 魔攻撃:12000 防御力:25000 魔防御:11000 敏捷:32000 運:610

《装備》女帝豹の羽織 大地精(グランノーム)大風精(シルフィード)戦乙女装束(ブリュンヒルメイル) 牛人族(ミノルス)女性専用の下着 水龍(アクアドラゴン)水面の乙女(ウンディーネ)の戦槍 ミスリルショートソード シルフの耳飾り 詐欺師のブレスレット 万人力の腕輪 臆病者の帽子 フリーダムシューズ 王蟲の極薄鎧着(オームハードインナー)

《魔法》無属性魔法:最上級 水属性魔法:上級 風属性魔法:中級 土属性魔法:中級 火属性魔法:初級

《スキル》斧術:中級 槍術:最上級 槌術:中級 体術:中級 剣術:初級 魔力操作 気力操作 剛体法 超集中 肉体大活性 苦痛大軽減 怪力 瞬発 持久 瞑想 気拳法 房中術 解体 調理:初級

《種族固有スキル》闘獣化(とうじゅうか) 受け継がれる血脈 眠れる猛獣の本能 猛牛の鎧皮(がいひ)

《魔眼》神獣眼

《奥義》明鏡止水(めいきょうしすい) 重撃無双(じゅうげきむそう) 光貫く螺旋突き(フォトンランサー) 無音の鎧貫(サイレント・ピアース) 灼熱鉄拳(バーン・ナックル)

《称号》一族の護り手 英雄憧憬 不屈 槍の達人 斧の一人前 槌の一人前 拳鬼(けんき) 剣の経験者 超人の正妻 (ケモノ)の敵対者 虫の敵対者 不死者(アンデッド)の敵対者



 うん。強い。

 この一ヶ月の間にリナがどれだけの修羅場をくぐってきたのかが現れている。ステータスの大幅な向上はもちろんの事。新しいスキルの習得や上位スキルへの進化。新しい奥義と魔眼の開眼等々何よりオレが感心したのがオレとは違ってステータスに振り回される事が無いという点。

 オレの場合はダンジョンコアの破壊に伴って急激にレベルアップとステータスの向上されることを繰り返したのが原因で振り回されているのに対してリナの場合は時間をかけてステータスを使いこなしてから戦績を重ねてレベルを上げてステータスを伸ばしてきた。

 結果。リナは自分のステータスを万全に使いこなし、スキルの運用も手堅く隙が無い。派手な印象はないが敵に回せば厄介極まりないな。


 だがそんなリナがオレの嫁。こんなに誇らしく嬉しいことない。だが、同時に不安でもある。これは自分でも呆れるくらい自分勝手(エゴイズム)な理由なんだが、せっかくあの洞窟でリナを護れると胸を張って言えるくらいに強くなれたと思っていたのにリナが想像以上に強くなっていたからまたあの時の不安が蘇ってきたんだ。


 一撃の破壊力ではオレが圧倒的に勝っている自信はある。だがそれ以外の要素では並ばれてしまっているかもしれない。


 そう思っただけでこんなに不安に駆られている。

 呆れてしまう

 我がことながらあまりにも器の小さい悩みに反吐が出そうだ。

 愛する女性(ヒト)が努力して、報われる。これほどうれしいことがあるか? 喜ばしいことがあるのか?

 そう自分に問いかける。

 答えが返ってきた。


 嬉しくないわけがない。喜べないわけがない。だが不安なものは不安なんだ。

 リナが好きだ。

 愛している。

 だからこそ自分のこの手で護りたい。

 そのために強くなりたい。

 そう思って洞窟で鍛えて強くなったのに…


 問いかけた声に対して小さい、だけど確かに聞こえる心の声。

 ひどく醜くて自分勝手もいいところなオレの本心。

 あぁ、言い訳はしないさ。

 これもオレの本心だ。

 決して誰にも言えない。言いたくない部分の心。

 そんなあまり好きになれない自分を見つめながらリナや先生とさっきのため試合の感想や意見交換を行いつつ海での戦いに備える。



 そして次の日。

「「「「「「「「「「また来てくれッ!!!!!!!!!! アンタらには散々世話になっちまったんだッ!!!!!!!!!」」」」」」」」」」

「「「「「「「「「「あなた方に森の加護があらんことを」」」」」」」」」」

 パレードが開かれていた。

 オレ達を送り届けるためのパレードが

「流石にこれは恥ずかしすぎるな…」

「………(コクリ)」

「まぁ、これもタイチも了承したあの政策の一環でしょうけどね」

 オレのつぶやきに耳まで赤くしているリナがうなずき、先生の一言に胸が痛んだ。

 確かにこれもエルフとドワーフの二種族とオレとの仲が良好であることをアピールするためのものであり、エルフ監視員とドワーフ監視員の二名と仮面夫婦をしていたことと同じだ。

 反応を見る限りそこまで悪感情は見られないがやはりどこか恐怖や怯えが見えるところもある。まぁ、分からない話ではない。

 やはり自分たちを簡単に滅ぼせる力というものは怖いだろうし、そんな力がたった一個人が持っていることにも震えてしまうのはわかる。

 オレ自身はこの力でエルフやドワーフを滅ぼそうとなんてするつもりはない。だがそれを無条件に信じろと言うのは無理だとわかってもいる。

 だから証明し続けるだけだ。オレがエルフやドワーフに仇なすものではなく、みんなの平和に弓引くものではないんだということを証明し続けるしかないんだ。

 オレはこっちに手を振って声をかけてくれるエルフやドワーフに手を振り返しながらしっかりとこの光景を目に焼き付ける。

 いずれまたこの街へとやってくる。その時に何の疑問もなく「ただいま」が言えるようにするために



 さて、見送りのパレードも終わりようやく出発した旅路。

 一ヶ月ほど前に全滅させたのが相当聞いているのか道中で盗賊らしき反応は見当たらず、せいぜいゴブリンやウルフがいる程度だった。

 問答無用でキャリーに轢殺させつつ進むこと丸一日。目的の港町へと到着した。あ、ついでにアルファメスの再分配でキャリーを強制進化させたり、オレも水中戦を視野に入れた装備に着替えたりした。



「気張りなアンタ達ッ! アタシらの意地ってもんを見せてやれッ!」

「「「「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」」」」」」」」」

「「「「「「「「「「ギョギョギョギョギョギョギョギョギョギョギョギョギョギョギョギョギョギョギョギョギョギョギョギョギョギョッ!?」」」」」」」」」」

 うむ。修羅場だな。

 まぁ、聞いてはいたがやっぱりここでもスタンピードが起こったんだな。蒼い髪をポニーテールのように束ねて檄を飛ばしながら弓矢を放つ女性に呼応しながら雄叫びを上げて各々の武器を振るう冒険者らしき男性たち、相手はやはり同じくスタンピードを起こしたダンジョンからあふれ出た魔物たちに着けられたであろう傷を引きずりながら上陸を試みたサハギンである。

 特撮映画にでも登場しそうな半魚人が三又の鉾やエストックを装備して陸地に上がってきてるんだがすぐに冒険者に囲まれて討ち取られているようだ。

 今この瞬間にも断末魔の叫び声が響き、磯の香りと混じって血の匂いがする。うん。ものの見事に美しいはずの海の景色が台無しになっている。

「さて、いつまでも見てるわけにもいかないし、オレも混ぜてもらおう」

 オレはそう呟いて新装備の籠手(ガントレット)を激しく打ち鳴らして突撃した。



《松田 太一》 種族:超人類 性別:男性 職業:不退と不屈の守護武者・万斧不当(ばんぷふとう)斧滅師(ふめつし)・魔王殺しの英雄・開拓者(フロンティア)魔術武芸者(ソーサラー・モンク)竜騎手(ドラゴンライダー)高位魔術師(ハイ・マジシャン)魔法鍛冶師(マジックスミス) 年齢:15

     レベル:220 魔力:770000 攻撃力:1300000 魔攻撃:800000 防御力:1100000 魔防御:1000000 敏捷性:1500000 運:150000

《装備》海王の双籠手(ツインガントレット) 霊獣の剛爪蹴靴 空帝の刺突剣(エストック) 水王獣の戦装束 獣帝の袴 水聖者(すいせいじゃ)防水兜(マリンヘルム) 水面の乙女(ウンディーネ)大風精(シルフィード)軽鎧(ライトアーマー) 竜麟尾翼(りゅうりんびよく)のベルト 洗練された上質な下着

《魔法》土属性魔法:(きわみ) 火属性魔法:(きわみ) 水属性魔法:(きわみ) 風属性魔法:(きわみ) 無属性魔法:最上級 光属性魔法:上級 雷属性魔法:上級 闇属性魔法:中級 氷属性魔法:上級 木属性魔法:最上級 聖属性魔法:上級

《魔術》土属性魔術:上級 火属性魔術:上級 水属性魔術:中級 風属性魔術:中級

《スキル》全斧術(オールアックスアーツ)(きわみ) 刀剣術:最上級 体術:(きわみ) 鍛冶:中級 槌術:初級 自然同化 闘神法 魔神法 付与(エンチャント) 四大原始の祝福 手加減 不殺 騎乗 騎獣超強化 無詠唱 並列起動 魔法威力向上 製造武具品質向上 研磨 練磨

《ユニークスキル》超健康 アイテムストレージ 第六感 限界突破 可能性の卵

《種族固有スキル》強靭たる超人の肉体 高速思考 傷付かぬ超人の硬皮 尋常ならざる超人の魔力 尋常ならざる超人の気力 理外なる超人の膂力 理外なる超人の回復力 尽きぬ超人の聖力

《魔眼》世界眼 覇王眼

《奥義》斧身一体(ふしんいったい) 斧斬滅殺(ふざんめっさつ) 富嶽抹消斬(マウントデストロイト) 静動一身(せいどういっしん) 獣牙咬合拳(じゅうがこうごうけん) 爆斧如脚(ばくふごきゃく) 居合斬り・滅 鬼神抹消斬斧(オーグルデリーター) 無限連撃陣(むげんれんげきじん)

《流派》松田流戦場斧術:開祖

《称号》絶望を食い破る者 天運 斧神(おのがみ) 拳神(けんしん) 刀剣の達人 一人前の鍛冶師 異世界人 魔物の敵対者 魔王殺し 大物食らい(ジャイアントキリング) 魔法の探究者 魔術の深淵に挑む者 真理を追う者 魂の救済者 ダンジョン制覇者 四大原始に愛されし者 牛人族(ミノルス)の救世主 森人族(エルフ)の救世主 鉱洞人族(ドワーフ)の救世主



 はい。水中戦を考慮に入れた新しい装備品たちとこの一ヶ月ほどの鍛冶修行による成果、そしてカウリア族の戦士たちをダンジョンコア破壊によるアルファメス開放を利用しての進化に便乗しての大幅レベルアップの結果です。

 具体的な効果は、



『海王の双籠手(ツインガントレット)』・・・神話級装備品。かつて大海原を支配し、陸地へと侵略を開始したとされる魔王が装備していた二拳一対の籠手(ガントレット)。神獣によって討伐された魔王の遺体から辛うじて回収された際は魔王の怨念というべき瘴気にによって呪われていたが神獣とともに魔王討伐に参加した聖女の祈りと神からの祝福を受けた一人のドワーフの手によって呪いが払われた。拳撃の威力を倍し、拳に魔法もしくは魔術を付与する際に拳にかかる負担を限りなくゼロにしつつ効果を高める。水属性魔法と魔術を行使する際、消費魔力を半減させ、効果を倍にする。水系統の魔物と対峙した時、その魔物のステータスを三割減少させる。破損しても装備者の魔力と気力を消費して自動修復が可能。



『霊獣の剛爪蹴靴』・・・神話級装備品。かつて世界最強を謳われた神獣にあこがれ、生涯をかけて己を鍛え続け、人を助けた結果人々からの信仰を集めて霊獣へと至った『スピリチュアルタイガー』を信仰していたとある武人が愛用していた神話にも登場する靴。蹴撃の威力を倍にし、脚にかかる負担を限りなくゼロに近づける。全ての属性魔法にに適性があり消費魔力を半減させつつ魔法効果を倍にする。獣系統の魔物と対峙した際にその魔物のステータスを二割減少させる。破損しても装備者の魔力と気力を消費して自動修復が可能。



『空帝の刺突剣(エストック)』・・・伝説級装備品。かつて天空を支配していたとされる伝説の魔物。『スカイカイザードドラゴン』の爪を素材に作られた刺突剣(エストック)。風属性魔法もしくは魔術に対して絶大な適正と耐性を有しており、風属性魔法もしくは魔術を行使する際、消費魔力を半減させつつ効果を倍にする。



『水王獣の戦装束』・・・伝説級装備品。かつて広い海の一角を支配下に置いた海の王の一体『キングクラーケン』の皮膚を素材に作られた衣服。弾力性に富んでいながら下手な全身金属鎧(フルプレートアーマー)よりも強靭。水を弾く破水性に優れ、濡れない。水属性魔法を撃ち込まれた際にその威力を限りなくゼロにし、魔法に込められた魔力を吸収して装備者へ還元する。



水聖者(すいせいじゃ)潜水兜(マリンヘルム)』・・・伝説級装備品。とある辺境の海辺で生まれ育った聖者が故郷の人々のためにその生涯をかけて海の魔物と戦い、皆を導く際に作られた兜。水中でも呼吸でき、兜の内部に水が浸入することもない。水中でも地上と変わらない視界が確保できる。



水面の乙女(ウンディーネ)大風精(シルフィード)軽鎧(ライトアーマー)』・・・伝説級装備品。水の精霊と風の精霊が力を合わせて創ったとされる鎧。金属製の鎧でありながら水によって錆びず、風化もしない。水属性魔法と魔術、風属性魔法と魔術に対して適正と耐性がありそれぞれを行使する際に消費魔力を二割軽減させつつ効果を一割増加させる。



 以上が海中戦を視野に入れた新装備だ。これまでストレージに仕舞われていた装備のお披露目。青と白がまるで海を思わせる色合いで至高の宝石のように輝いて二丁一対の籠手。

 動きづらさが予想される海中戦。いつものようにレオルドやクリムゾンのような巨大な武器は振るえないかもしれない。そこで今回オレの主力武器(メインウェポン)に最適だと思ったのが体術による超近接戦闘だ。

 リナとの練習では盾と金砕棒を使ってみたが特に普段と変わらなかったのでこっちに変えた。これなら水の抵抗の中でも素早く攻撃できるはずだ。


 籠手だけでなく蹴靴も用意した。どこかネコ科の猛獣を連想させるデザインのブーツ。足を守る防具ではなくケリの威力上昇に重きを置いたいかにも攻撃的な形状が猛々しい印象。

 効果も折り紙付き。試しに右のハイキックを繰り出してみればオレのイメージ一つで鉞のような一撃にもカミソリのような一撃にもなった。威力も十分でこれに魔法の威力も上乗せしても負担がかからないなんてさすが神話級と言わざるを得ない。


 籠手による拳撃だけでなくこのブーツによって蹴りの効果も期待できる。しかし、体術だけでは何か不測の事態があるかもしれない。

 そう思ったから用意したのがこの刺突剣(エストック)。緑がかった銀色が特徴の刺突剣(エストック)による刺突がここでの補助武器(サブウェポン)になるはずだ。

「正直にえばこんな細い剣は趣味じゃないんだが…」

 そうも言ってられない。本来のオレの趣味である大剣や刀では水の抵抗を強く受けて体術に集中するよりも弱くなってしまう可能性が高い。そこで細くて軽い刺突剣(エストック)ならば海中戦でも十分活躍できるはずだ。


 水王獣の戦装束は白を基調にした長袖の衣服。形状としてはパーカーが一番近いか? ぶっちゃけおしゃれにそこまで興味がなかったから詳しくはないがそんな形状だ。水に濡れないという効果とこの海中戦において最も撃ち込まれる可能性の高いであろう水属性魔法と魔術に対する対策で選んだ。


 水聖者(すいせいじゃ)防水兜(マリンヘルム)は見た目はバイクに乗るときに使われるフルフェイスタイプのヘルメットに近い形状の兜。かぶった感想は少し息苦しい。だがそれはたぶん閉塞感からくるものだと思うのでそこまで問題ではないはずだ。いつも鎧の兜は顔まで覆うタイプではないのでちょっと新鮮だ。


 水面の乙女(ウンディーネ)大風精(シルフィード)軽鎧(ライトアーマー)は水色とライトグリーンがメインカラーの軽装。いつの鎧はフルプレートアーマーとまではいかなくとも重装備であることを考えるとだいぶ頼りない印象だが心臓や首のような急所にはきちんと防御が張られているからそれなりに頼れるはずだ。

 一応オレのステータスであれば水中でもいつもの鎧で動けるとは思う。だが今から行く場所は仮にもダンジョン。それも所見のダンジョンへ行くのに余計な負担となり得る要素は持ち込みたくない。水中戦を嫌に入れるならば普段よりも身軽さを重視すべきだと判断した。

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