表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

わし登場

「イルマリネンちゃぁん」

 真昼間から赤ら顔、吐く息は酒臭い。

 擦り切れたウグイス色のローブを引きずり、いかにもアホ面の老人がやってきた。

「来たな、ワイノモイネン。待っていたよ」

 テレーズの表情がこわばり始めた。

「サンポ見に来ちゃったんだもんねぇ、もう出来たのかや」

「まだまだまだ。あんなもん1日で完成できるのなら、俺は鍛冶屋やめて神に転職してるね」

「まったまたぁ。半分神様のくせにぃ」

 言いながら、テレーズの全身を嘗め回すように眺めながら、

「おうおう、立派な胸しとるのう。お姉ちゃん。名前教えて」

「断る」

「いいじゃぁん、どうしてぼくちゃんのこと、避けるのぉ」

 テレーズはふて腐れてテーブルに頬杖をついた。

「うふん。かわいい、お・し・り」

 ワイノモイネンがテレーズの臀部に指を当てようとしたその刹那、ワイノモイネンの顎に強烈な蹴りが決まった。

「ごぶっ」

 ワイノモイネンは美しく弧を描いて床にぶっ倒れた。

 肩を大きく揺らしながら激しく呼吸するテレーズは、満足そうに両手をはたいた。

「やりすぎだ、テレーズ」

 イルマリネンは肝を冷やした。

「いくらおじさんが頼んでも、これだけは汚らわしすぎて許せない」

「ち、ちくしょう、ワシが有名な賢者で、精霊魔法の使い手で、大金持ちのワイノモイネンさまだと知っての狼藉かあっ」

 折れた前歯が哀れさを誘う。

 それでも、テレーズの気性の激しさも、勇敢な心も、けっして萎えることはなかった。

「ふん。ジイさん、あんたがどんだけエラそうにしたってね、あたしにゃ通じない。馬鹿なやつは相手にしないのが、あたしさね」

「してるって、充分にしてるってッ」   

 ヨウカハイネンは小声でつっこんだ。


 ワイノモイネンはこれで大人しく引き下がるものではなかった。

 それを知っているイルマリネンは、心配でしかたがない。



とにかくキモく、ずる賢く。それがあなたです。

というか書いていてキモッ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ