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この世界は〇〇〇〇ではありません・・・よね?

作者:
掲載日:2014/07/14

リハビリを兼ねての短編。

いろいろと意味不明…(苦笑)

軽く流し読みしてください。

あら~

どうやら私、巷で流行っている二次元への転生者みたいです。


え?

どうしてわかったのかって?

旦那様と息子の喧嘩に巻き込まれた時に机の角で頭を打って『前世』の記憶が蘇ってしまったんです。


まあ、私の事はどうでもいいですわ。

すんなりと記憶の融合もできて問題ありませんから。

今は私の事よりも旦那様と息子の喧嘩の原因ですわ。


息子は婚約者以外の子を好きになったので婚約破棄したいと旦那様に訴えているところでした。

旦那様は大反対です。

息子の婚約者は息子自身が望んだお嬢様。

私も実の娘のように可愛がっている娘さんです。

それを他の人を好きになったから破棄だなんて…自ら選んだ婚約者をなんだと思っているのでしょうか。


旦那様も息子も熱くなりすぎてお互いの話に耳を貸す状態ではなくなったので、いったん落ち着かせようとお茶の用意をして話し合いの席に戻ってきた時、周りが見えていなかった息子が私に気付かずぶつかり、私も体勢を整えられず、ましてや手にはカップを乗せたお盆を持っていたため手を付くこともできずガツーンと頭を近くにあった机にぶつけてしまったのです。


私が机の角で頭を打って気を失った事で一時的に話し合いは中止。

私が目を覚ますまで息子は自室で謹慎していると私付の侍女が説明してくれました。

旦那様も今は頭に血が上って話し合いが出来る状態ではないという報告も上がってきました。



「あの、……ルルーディア様がお越しなのですが」

「ルルちゃんが?どうしたのかしら…」

ルルーディア…ルルちゃんは息子の婚約者であり、私のお姉様の娘、つまり姪。

お姉様はルルちゃんを産み落とした時に亡くなってしまったので、育児は乳母任せで甘やかし放題だった。

小さい頃(5歳ごろまで)は我儘放題の子でしたが、私が根気よく息子と同じように教育した為とても素直な可愛らしい娘さんに成長されました。

今では社交界一の華姫と呼ばれて男女ともに人気があります。


「叔母様!大丈夫ですか!?」

パタパタと淑女らしからぬ慌てぶりに眉を顰めると

「す、すみません。叔母様がお倒れになったと聴いたので…」

シュンとなりながらここに来た理由を告げるルルちゃん。

ふわふわの栗毛色の髪も心なしか撓れているような…

「まあ、そうでしたか。私は大丈夫ですよ。それよりもルルちゃん」

ルルちゃんの頬に手を当てると微かに濡れておりました。

「うちのバカ息子のこと……ごめんなさいね」

「え?」

「うちのバカ息子が私達に話すより先にあなたに告げたんじゃない?『婚約を破棄したい』って」

「!!?」

私の言葉に大きな瞳がさらに大きくなったと思ったら涙が……

そっと涙をぬぐってあげるとルルちゃんは私に抱きついてきました。

嗚咽を上げながら、

本当はずっと傍にいたいでも、カルラ(うちの息子)が幸せなら破棄した方がいいのかもしれないと…


一通り言いたいことを吐き出したルルちゃんの頬を軽くぱちんと叩く。

「ルルちゃん、うちのバカ息子の幸せの為になんて自分を犠牲にしちゃだめ」

「でも……」

「ルルちゃんにはちょっと酷かもしれないけど、カルラが好きだと言っている女性の情報を調べて教えてくれる?」

「え?」

「一度、じっくりその彼女を交えて話し合う必要があるからね。まずは相手の事を知らなきゃ」

にっこりほほ笑むとルルちゃんの瞳から涙が消え、力強く頷くとすぐに集めると言って部屋を出て行った。

私も自分付の侍女と旦那様付の従者の数人にカルラの想い人について探るよう命令を出した。



1か月後

その間、旦那様と息子には一時的停戦を申し付けました。

喧嘩になりそうになると『あ、頭が…あの時の…』といって愛する妻または母に怪我を負わせた罪悪感(本当は私の不注意なんですけどね)を植え付けました。

一応、旦那様にも息子にも愛されている自覚はありますのよ、おほほほ。

本当に頭が痛いわけじゃないけどかなり効果があるのよね…まあ、それも一月が限度ですけどね。


別の件で頭は痛くなりました。


ルルちゃんや侍女たちからの報告書を読んで本当に頭が痛くなったのよね…

侍女たちは他家の侍女たちとのネットワークを使いありとあらゆる情報と証拠が集まりました。

ルルちゃんも学校のお友達と協力していろいろと情報を集めてくれました。

そして私の持つ独自のネットワークも使って膨大な情報が集まりました。

たった一人の事を調べただけなのに膨大な情報とありとあらゆる証拠品の数々はいったい……


結果。

カルラの想い人…ジュリー・オルヴァーさん(男爵令嬢)は……複数の男性と同時に(・・・)交際していることが発覚しました。

もちろんその中にバカ息子も含まれております。

情報を集めている途中で、ジュリーさんの交際相手だと言われている家の方々とも連携して更なる情報と証拠が集まりました。


カルラには『大勢の異性に媚びを売り、チヤホヤされて喜ぶ女性には心を許すな』と教育してきていましたのに~!

そんな女に引っかかった我が息子・カルラが情けない!

どこで教育を間違えたのかしら……ルルちゃんは素直に育ってくれたのに……

やっぱり男の子と女の子では違うのね。



息子に言い聞かせていたのは旦那様が学生時代に同じ状況に陥っていた事があったからなんですけどね…

当時は私との婚約を破棄して、その女生徒と添い遂げると言われました。

そのことを知ったお兄様(旦那様とは学友であり親友であり腹心)が激怒されて、

「俺の妹を欲しいとわがまま言って婚約者にして周囲に牽制しておいて、他に好きな人が出来たからと玩具のように捨てて、自分はその女と幸せになる!?ふざけんな!そんな奴に命を懸けて仕える気なんかない!今すぐ騎士を止めて我が公爵家は全員隣国の祖父の国に移住する!」

と言い放ち、本当に移住の手続きを始めたことに気付いた当時の国王陛下が慌てて止めたんだよね。

我が公爵家は建国の時から続く歴史ある家であり、一族の娘は他国の王家に多く嫁ぎ巨大なネットワークを構築し、友好的な関係を築いていたので、下手すれば国際問題になりかねなかったのですよね…実は。

隣国は母の父(私にとっては祖父)が治めておりますし、そのまた隣は母の姉が嫁いだ国。

周辺諸国で母の一族に連なる血筋はクモの巣のように張り巡っていたりするんですよね。

そしてなによりも血族を大切にする一族なので、我が一族を怒らせたら国が滅びます。

昔、滅んだ国がいくつあったのか…歴史ではあまり語られませんが、ごく一部の王族はその真相を知っているので、我が一族を怒らせることはしません。

誰も国を滅ぼした王と歴史に名を残したくないから……



旦那様を誑かしたと言われている女性はその後、陛下による尋問で、意味不明な言葉を繰り返すばかりでした。

彼女の目論見(逆ハーレム計画と彼女はつぶやいていましたね)はあっけなく破綻。

彼女は幼馴染の男爵家の嫡男に嫁いでいきました。

あと、私と旦那様の間にはもうひと波乱ありましたけど、思い返せば些細なこと。

お兄様とおじい様が旦那様を徹底的に教育しなおしたことくらいでしょうか。


あれから十数年。

まさか、息子が同じことをすることになるとは…



「シェル?どうした?まだ頭が痛いのか?」

心配そうに顔を覗き込んできたのは旦那様。

私は旦那様とお茶をしながらぼうっとしていたみたいです。

「あ、すみません。ちょっと昔の事を思い出していたのです」

「昔の事?」

「まだ私達が学生だった頃同じようなことがあったなっと思って」

「ああ、それは俺も思った。あの時はシェルに迷惑かけたな」

しゅんとなる旦那様ですが、口元が笑っておりますわよ。

「まあでも、俺としてはあの時はシェルのヤキモチが見れて嬉しかったけどな」

「え?」

「シェルは婚約者として傍にいてくれたけど、いつも感情を隠していただろ?俺ばかりが好きなんだと正直凹んでいた時に彼女に付け込まれたんだよな」

苦笑いをする旦那様。

今だから言うけど…となにやら恥ずかしい告白をされました。


小一時間くらいでしょうか、旦那様がいかに私を愛しているのか熱弁され、私は心身ともに疲れました。

「……旦那様の愛情はわかりました!今はカルラのことです」

「ああ、そうだったな」

にやついていた表情を一瞬で引き締める旦那様はかっこいいですね。

本人には言わないけど。

「旦那様がお許しいただければ、彼女をお茶会に招待したいのですが」

「は?この城にか?」

「はい、王妃としてではなく、カルラの母親として彼女・ジュリーさんとお話ししてみたいのです」

「しかし……」

「反対し続けてもあの子は反発するだけですよ。誰かさんに似て」

「……ぐっ。やらかしたことがある俺には反論できない」

「ある一定の基準をクリアしていれば交際を認め、ルルーディアとの婚約も白紙に。基準をクリアできていなければ認めないと言えばいいだけです」

「しかし、お前の言う基準って……」

「ルルちゃんですわ」

「…やっぱりな。お前、最初から認めるつもりないだろ」

「もちろんです。ですが、もしジュリーさんがルルちゃん以上なら認めてもいいかもしれないと思ったのですわ」

「そのお茶会でそれを見極めるというわけか……」

「ルルちゃんやお知り合いの子達も一緒に招待しますから……ね?」

「ね?って……そんなに可愛らしく首を傾げながらお願いされたら許可するしかないじゃないか」

小さくため息をつきながら旦那様から許可を頂きました。

あ、そういえば言っておりませんでしたわね。

私はこの国の王妃です。

旦那様は国王陛下。

息子のカルラは第1王子です。

あと2人の王子と2人の王女がいますが今は割愛します。

ちなみにルルーディアは南に隣接する国の第三王女です。

ルルちゃんは現在わが国に留学という名の花嫁修業中なのです。



さて、旦那様から許可を頂いたので早速準備です。

招待するのはジュリーさんとルルちゃんを筆頭にジュリーさんに婚約者や恋人を奪われた御令嬢方。


お茶会は2週間後。

彼女に送ったお茶会への招待状が彼女にどのような未来を与えるのか。

それは全て彼女の行動次第ですけどね。




***


「え?ルルちゃん。もう一度聞いてもいいかしら?」

驚きのあまり持っていたクッキーをテーブルの上に落としてしまいました。

「はい、カルラ様との婚約を白紙にしていただきました」

「ど、どうして?」

「私、今回の事で学びました。いくら婚約していても相手の方を引き付ける努力をしなかった自分が悪かったのです。こんな私では叔母様のような王妃にはなれません。一度国に帰って勉強し直します」

にっこりと微笑みながら瞳には力強い何かが見えました。

「そう、貴女が決めたのなら私からは何も言いません。今以上の素敵な淑女になることを願っています」

「ありがとうございます。シェル王妃様」

ルルちゃんはキレイなお辞儀をするとすぐに国に帰ると言ってさっさと部屋を後にしました。

「母上!なぜ、ルルを引き留めてくれなかったのですか!」

ルルちゃんが退室してから数分後、カルラが飛び込んできました。

「あら、なぜ引き留める必要があるの?婚約はあなたの望み通り白紙になったのでしょ?」

「ですから!あれは気の迷いで…」

「白紙撤回は私ではできませんよ。お父様に頼みなさい。それよりもいいの?ルルちゃん今日中に国を出るつもりよ」

「え?」

私の部屋からは城門が良く見えます。

数台の馬車に荷物を積み込んでいるルルちゃんの姿を見たカルラは退室のあいさつもせず駆け出しました。

しばらく城門のあたりを眺めていくと、カルラがルルちゃんに何やら告げているようです。

遠目で良くわかりませんが、なにやらいい方向に向かっているみたいです。



あのお茶会でジュリーさんは基準をクリアできませんでした。

それどころか、水準以下でした。

学校でいったい何を学んでいるのでしょう…と首を傾げるほどに一般的な礼儀作法も身についておらず、私の笑顔の仮面がいつ剥がれ落ちるか侍女たちがハラハラしておりました。

ルルちゃん達は見慣れているということで平然としておりましたが……


この女のどこがいいんだ?


と思わずカルラに怒鳴りそうになりました。

まあ、きっと返ってくるのは自然体だからという言葉でしょうが…

あれは『自然体』なんてものではない…野生だ…野生児でした。

野生の猿にドレスを着せたようなものでした…

挨拶もろくに出来ず(緊張していたからかもしれませんが)、私が席を少し外している間に出されたケーキは手づかみで食べ、お茶はがぶ飲み、他の人の話は聞かず自分の話ばかりする……

本当に貴族の令嬢かと目を疑いました。

あ、彼女の死角となるところからこっそり様子を見ておりました。

私(王妃)の前では淑女を演じているのは見え見えでしたので。

あとでルルちゃん達に聞いたらあれが彼女の普通だそうです。

異性の前では淑女を演じているとか……





ほんと、あれのどこが気に入ったのかしら……


私の知っている『主人公ヒロイン』とは性格やら何やらがまったく違っていました。

私が知っている『主人公ヒロイン』は儚げな容姿からは想像できないほど努力家で芯の強い女の子だったはず…

これが二次元と現実の違いか……


まさか『私の書いた小説が原作のゲーム』に転生するとは思わなかったけど……

これは私が生み出した世界ではないですね。

ええ、違います。

きっとものすごーーーーーーーく酷似した世界なのですよ。

ええ、そうです。

たまたま似たような出来事が起きただけ。

きっとそうよね…


あんな『主人公ヒロイン』知らないわ……




お読みいただきありがとうございます。


連作の続きが上手く書けないのでリハビリを兼ねての短編です。

しかし、私の書く作品って似たり寄ったりの作品だな~と改めて思った。

もっとしっかりしたお話が書けるようになりたい。


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