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夏生詩集2

火曜日

作者: 夏生

火曜日

自転車漕ぐ父の背中に

しがみついて

保育園の坂道を

下りていく


赤チンに染まった

膝小僧

乾いた涙のこびりついた

短く切りすぎた髪

六歳の、わたし


笑わない先生がこわくて

ひとつ上の女の子の集団がこわくて

どこへ隠れても

ひとりぼっちが追いかけてきて


嫌だ嫌だと毎朝

泣いて、母を困らせた

やさしい陽射しも

涼しい風も

何もかも嫌いで


火曜日

自転車漕ぐ父の背中に

しがみついて

保育園の坂道を

下りていく


嫌なものが

吹き飛ばされていく

きれいにきれいに

裂かれて散っていく


父の

大きく広い背中に

守られながら

嫌なものたちに

べロりと舌を見せた






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― 新着の感想 ―
[一言] 私も保育園に行くのが嫌で、辞めたことを思い出しました。 私の場合は、嫌だった理由を覚えていないんですけど。 そのころから集団行動が苦手だったのかと振り返りました。 私が行きたくないと駄々をこ…
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