第六十三話~東条の挑戦~
西園寺の席を挟むように、白川と東条が立っている。東条が二人に楽しそうに話しているところに北山が現れる。
東条
「日々挑戦なのさ」
北山
「なんだ、珍しく良いこと言ってんじゃん」
白川
「全くちげぇよ、あほ」
西園寺
「ちゃんと全部聞いてから物事は判断すべきですよ」
北山
「な、なにしたんだよ、お前」
東条
「へへへ、聞かせてあげよう! まずは、除湿器と加湿器どっちが強いのか実験した話から」
北山
「ごめん、俺が間違えてた」
東条
「最後まで聞いてよー。加湿器の勝ちだったんだよ! 部屋中びしょびしょ、へへ。次にやったのは下痢止めと下剤を一気に飲んで、どっちが勝つか」
北山
「げ、気持ち悪くなってきた」
東条
「下剤の圧勝! 三日間くらいずっとお腹ぶっ壊れた!」
北山
「馬鹿すぎる」
東条
「そして、最後は実験台、ぼくのお父さん!」
北山
「おやじ、にげろおおおおおおおお」
東条
「脱毛剤と育毛剤を同時につけ続けて、3カ月……」
北山
「頼む、育毛剤頑張れ……」
東条
「脱毛剤の圧勝!」
北山
「うああああ! やめろおおおお!」
東条
「今度は殺虫剤入りの蜂蜜持ちながら、スズメバチを退治しに行く予定」
北山
「悪いことはいわねぇ。やめておけ。それと、おやじさんに向かって全力で焼土下座しろ」