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第五十四話~新学期~
ホームルーム直前の教室。
教室中夏休みの思い出話に花が咲いていて、皆浮足立っている。
休みの間に距離を縮めた男女、やたらに焼けた男、恋に破れた女子、それぞれ溜めこんでいたものを吐き出していた。
東条
「おっはよー」
北山
「新学期早々うっせぇなー」
東条
「三日前から妙なことが起こってるんだよ……笑わないでね。本当に起こってることなんだ。マジで」
北山
「どうした、真剣な表情して。ま、まあ、話せよ」
東条
「最近、カエルのカメラマンに追われてる」
北山
「良い獣医を紹介してやる。行ってこい」
白川
「やっべぇ!!」
北山
「もっとうっせぇのが来たよ。どうした」
白川
「政経の宿題やんの忘れた!」
北山
「終わったな。400字の論述は今からじゃ無理だな」
南
「しかも、政経一時間目よ。ホームルームで豪徳寺先生来ちゃうだろうし」
中瀬
「うっはは! 日ごろの行いが悪いのだよ! 天罰じゃー」
白川
「てめぇ、後で覚えてろよ。西園寺、見せてくれ」
西園寺
「いいですけど……」
ガラっ
豪徳寺が胸を張って入ってくる。
白川
「お、終わった……」
豪徳寺
「今日は授業やめて、缶けりでもするか」
一同
「え?」