第四十一話~とげ~
朝日が差し込むリビング。
東条
「おはよー。はーあ」
西園寺
「おはようございます」
東条
「西園寺くん。もしかして、この朝食作ってくれたの?」
西園寺
「はい。簡単なものですけど。どうぞ」
東条
「すごい! 目玉焼きとベーコン、ぼく好きだし! そういえば、他のみんなは?」
西園寺
「みなさんはもう起きて、あっちにいます。もう十時ですしね」
西園寺は笑って、バルコニーの方を指さした。
中瀬
「なんだ、この奇妙な生物はあああ」
南
「きゃーーー」
西園寺は首を傾げた。そして、東条と共にバルコニーへ向かった。
西園寺
「どうしたんですか?」
白川
「なんか、変なとげとげした生き物がいてさ! 見てみ! あっ、楓……お、おはよう」
東条
「あ、おはよ! すっげぇぇぇぇ! なにこれ! 気持ち悪い、ははは」
北山
「ようやく起きたか、壊れた拡声器。すげぇだろ。なんなんだろうな、こいつ」
西園寺
「あ、これですか。これは、トゲアリトゲナシトゲトゲですね」
白川
「なんだよそれ。超矛盾してんじゃん。とげあんのか? ないのか?」
北山
「あんじゃん」
中瀬
「見れば分かるな。貴様の目は飾りか?」
南
「ふふっ」
東条
「飾り飾りぃ!」
白川
「え? 俺がおかしいのか? いや、絶対、こいつの名前の方がおかしいだろ!」
白川が指さして叫ぶと、五人は大爆笑した。