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第四話~一休さん~
下校途中にある小さな小川。名前は、「小川川」
今日もその川にかかる橋「小川橋」を渡って北山と東条が家路についていた。
北山
「なんだこれ」
東条
「立て札がかかってるよ!ねぇ!」
北山
「いちいちボリュームがでけえんだよ。みりゃあ分かるよ」
東条
「どれどれー。『この橋渡るべからず』だって」
北山
「じゃあ、あっちの奥の橋を通るか」
東条
「ぼく知ってるよ、これ!一休さんだよ!」
北山
「ああそうかい。じゃあな」
東条
「これは、はしっこを通らないで、真ん中を渡ればいいのだよ、北山君!!」
東条は、その橋のど真ん中を駆けていった
ずこー
がっっしゃああああああああん
東条
「やっぱりこの橋通っちゃいけなかったみたーい!」
北山
「だからそう書いてあっただろ」
ぐしゃぐしゃに濡れた制服を軽く絞り、振りかえらず歩いて行く北山のあとを追った。