第三十九話~就寝~
西園寺
「じゃ、消しますねー」
北山
「ちょっと待って……メガネが……あった。オッケー」
中瀬
「およ。目、悪いのか?」
北山
「おう。実は、目悪いんだよ。0.1ないからな。普段はコンタクトだから、俺のメガネ見んのは初めてか」
白川
「俺は何度か見たことあるけどな」
北山
「まあな。もう大丈夫だ。消してくれ、西園寺」
西園寺
「はい」
電気が消え、少しだけの静寂が部屋全体を包んだ。
北山
「なあ、浴衣っていいよな。なんかさ」
白川
「なんだよ、急に」
北山
「女の子の服装でベストじゃね? 浴衣」
西園寺
「ま、まあ、たしかに」
北山
「ほら、西園寺だって言ってんぞ」
白川
「何が特別なんだろうな、浴衣」
北山
「やっぱり脱がすときじゃね? ほら、ワンピースもTシャツも下からぐわってめくるけど、浴衣は左右にバッて開くじゃん。やっぱり、あれが快感なんじゃね?」
白川
「あれか、ポテチの袋あけるときのパーティ開けみたいなもんか」
北山
「その例えはうまいな」
白川
「西園寺が必死に笑い堪えてやがるよ」
北山
「あれ、中瀬は?」
西園寺
「……はは。な、中瀬くんは電気消した瞬間に寝ちゃいましたよ」
白川
「そうだったのか。まあ、疲れたんだろ」
北山
「西園寺の方が疲れただろうに」
西園寺
「まあ。へへっ。でも、なんていうか、中瀬くん、楽しそうでしたよ、今日」
白川
「なんか前の学校では、うまく友達作れなかったらしいしな」
北山
「……ふーん」
白川
「俺らも、寝るか」
北山
「ああ」