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第三十一話~空想上の動物~
期末試験が全て返却され、三年A組の夏休みが本格的に始まった。
北山と東条、そして西園寺は電車に乗り帰宅している。
東条
「いたんだよー」
北山
「いねーよ。いるわけねーよ」
西園寺
「さすがに信じがたいですね。そんな人がいるなんて」
東条
「いたんだって! 黄色の手袋して、オレンジのバッグ背負って、ピンクの靴下の上から地球が書かれてるスパッツはいて、ピンクの髪留めした、ブルーのジャンパーを着た、三分に一回手すりにぶら下がる白髪交じりの老人がいたんだって!」
北山
「そんなやつ、いねーよ。まだカッパの方が現実味あるわ。いるわけね……いーたー!!!! なんだあいつ、やべぇよ。なんだあれ、新手のデモか? なんか社会に訴えたいことでもあんのか?」
西園寺
「二人とも、あれ、校長先生ですよ……」
北山・東条
「え?……」