第二十九話~電波マン~
テスト最終日から三日後のテスト返却日。この一日で一気に期末試験が返却される。
北山
「おい東条! 電波マンの『はい』数えようぜ」
東条
「おっいいね! 最初は数学からかー」
中瀬
「誰ぞ、そのエキセントリックな名前のヒーローは?」
白川
「クレセントキック? なんだ、その技、つよそーだな! 教えてくれよ」
北山
「お前らはもう話すな。話がこじれる。電波マンってのは数学Bの中川のことだ」
東条
「そうそう、なにかと『うん』をつけたがるあの人。だから、その回数を数えるゲーム!」
前方の扉が開き、白衣をまとった初老の男が入ってきた。
電波マン
「で、では、せ、席に着いてください。はい。お願いします。はい」
中川は全員にテストを返却すると、解説を始める。
電波マン
「……はい。それでですね、はい、この事象Aが起こるのは何回でしょうか? えっと……東条さん、はい」
東条
「105回です!」
電波マン
「えっと……」
白川
「ばか野郎! 数え間違えすぎだろ! 389回だよ! はい!」
北山
「おま……それは……」
電波マン
「白川くん、正解です、はい」
北山
「奇跡ってあんだな」
白川
「今ので390だ!」
電波マン
「?」