12/83
第十二話~転入~
朝のホームルームが始まった。豪徳寺三四郎が扉を荒々しく開け放ち、入ってきた。
豪徳寺
「お前ら、席に着け」
生徒は、席に座り始める。
豪徳寺
「今日は、お前らの好物、転校生だ。ほら、入ってこい」
角刈り頭で目が少しつりあがり、無表情のまま一人の男子生徒が入ってきた。
豪徳寺
「自己紹介しろ」
中瀬
「この世界での名前は、中瀬譲だ。本名は、人間などには教えない。以上!」
豪徳寺
「この通り、頭がイカれてやがるが、よろしく頼む。今日のホームルームは終わりだ。中瀬は……あの金髪馬鹿の隣にでも座っとけ。以上」
豪徳寺は、今度は荒々しく扉を閉め、出て行った。
中瀬は、ゆっくりと指示された席に着いた。
白川
「よお、転校生。どっから転校してきたんだ」
中瀬
「この大陸よりも北部に鎮座する大陸だ」
北山
「北海道っつえよ」
白川
「お前、変な奴だな。で、なんで転校してきたんだよ」
中瀬
「王国の主がこの界隈の侵略を狙ってな。おっと、これ以上は言えないな」
北山
「とんでもねーのが来たな」