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第十話~事実は小説より~
ホームルーム前、朝日が差し込む3年A組。
東条
「おっはよー!」
西園寺
「おはようございます」
北山
「朝からうっせーな」
東条
「なんだー、二人だけしか来てないのかあ」
北山
「すいませんね、俺らだけで」
東条が扉を閉めようとすると、それを後ろから止められた。東条は振りかえった。
東条
「おっ! 風香ちゃん! おはよー!」
南
「おはよう」
東条
「あれ? 元気ないねえ。どうしたの?」
北山
「お前がありすぎるだけだ。全人類がそんなテンションだったら、毎日お祭り状態じゃねーか」
東条
「いいねーそれ!」
南
「ちょっと寝不足でね」
東条
「もしかして、昨日発売のFF15やってたんじゃないのー?」
北山
「お前と一緒にすんな、ボケ。ほら、南さん困ってんじゃねーか」
東条
「そうだね! ごめんなさい、えへへ」
南
「謝らなくても」
南は、西園寺の前の席に着いた。
西園寺は、南が机のわきに置いた鞄に目が行った。
微妙に口が開いていたので、中身がちらりと見えた。
本が入っていたのが分かり、そのタイトルも明瞭に見えた。
『FF15 徹底攻略!』
―図星じゃないかあああ―