ショーギ大会 経験者部門
こっちでも皆様、随分と白熱していますね。
なにせ、打ってる方も見てる方も経験者、
盛り上がるポイントもちょっと初心者コーナーとは違いますよね。
初心者コーナーには多くの子供達や女性の参加者が居ましたが、
ここは割と大人の男性がメインで、手持ちの金貨がただの参加賞や勝負の目安などでは無く、
貨幣…つまりは生活に於いては重要な意味を持ち、その金貨一枚を稼ぐ為の、並々ならぬ労力を知ってますから、
当然、必死さが違いますよね。
ただ…余りにも熱くなりすぎて、ここで騒ぎを起こそうものなら、
参加している各国の軍人さんが、それを黙って見過ごすわけは無いですから、
まあ…一応…穏便にって空気は読めるみたいです。
急に始まったのも、結果としては良かったなって思います。
悪巧みなんて、一切出来る暇さえ無かったでしょうからね。
勝負は見ていても面白いです…私の知らないやり方を幾つも見かけます。
それが良いのか悪いのかってのは、すぐには解かりませんが…
ただ…感心する手を多く見かけますね。
私って…貴族の端くれのクセに、手駒を失う事に躊躇してしまうのですが、
それを敢えて犠牲にして、新たな進路を作り出す…そんなやり方を見て、考えを改めました。
生贄…必要な犠牲などでは無く、
撒き餌や罠…そんな感じでしょうか?
当然、大きくて美味しそうなコマが有ったら、簡単にそれに、目を奪われちゃうのも頷けます…
そう…小さなコマだけでも、やり方次第で王様の首を獲れるんだって…
大きいコマは見た目に派手な動きで初心者は好むのでしょうが、
ここでは地味なコマが、地味に相手を攻めていて、
本当にじわじわと、ゆっくりと相手の動きを潰して行ってて、
思わず、うわっ上手い、って…声が出ちゃいましたね。
ちょっと…いえ、かなり勉強になりました。
確かに、新しい何かを得たならば、ちょっと試してみたい気がして来ますね。
まあ…私は仕事ほっぽり出す、そんな勇気は流石に有りませんが…
うーん…馴染んでいますね…ソフィア様…
もう、その背中が醸し出す雰囲気が、
完全なオッサン…なのですけど?
嫁入り前の貴族の娘としてそれは…果たして大丈夫なのかしら…ちょ…かなり心配です…
でも一応、気を使って見なかった事にしておきますが…
大会後は知りませんよ…責任は、どうぞ御自身で…そこはお願いしますね。
ソフィア様は結局三勝して、
これだけは記念だと、金貨一枚だけを残し、最後の勝負に向かいました。
何故か、勝負師の背中を見た様な気がします…
随分と男前ですね…娘ですけど…
勝負が始まりました。
一進一退の攻防でしたが、どうやら打ち損じた一手が仇となり…
最後、打つ手無しでソフィア様、轟沈しました。
お相手の高齢のシブい御方は、復興軍でアーラントに来てる同盟国の将軍様だそうで、
はて?すっかりと意気投合されてますね…
まあ…他国の将軍とパイプが繋がったのは、きっと良いことだと言えるでしょう。
それにまあ…復興の仕事が、より円滑になれば幸いですね。
そこから数試合を経て、この部門の優勝者が決まりましたね。
先程の将軍様…お名前はシャービス様だそうです。
ん?…確か、かなり有名なお貴族様…だったのでは?
凄いパイプを得ましたねソフィア様?…ちょと羨まし…
い、いえ、なんでも有りません、なんでも…
でも残念でしたね、かなり良い勝負でしたのに…
ソフィア様がニヤリと笑い…
「試合に負けて、勝負には勝ちました…」と…
一見意味不明ながら、かなり奥の深いセリフを仰る…
さっすが、貴族の娘…
そうか…これが…
そうか…私に足りないのは、きっとこういった部分なのかも知れませんね。
うーん…こちらも勉強になりました。
以後精進しましょう…
本当に学び…の、多い一日ですね。
人生って…まるでゲームの様です、
ショーギって…実はすごいんだ…
だから…?




