希望は一時帰国です。
誘拐事件から更に時が過ぎ、
今日も色々な物質が、同盟国から続々と到着しております。
ええ、忙しいですね。
頑張って仕事を減らしているのですが、
減った分以上に仕事が増えていく気がしますね…
いえ、あれ以降確実に増えてますよね…
そう、オニキスちゃんの存在が明るみになって以降、目に見えて増えましたな…
やっかみなのか、嫉妬なのか…
これって、本当に私の仕事なのですかと、全力で疑う内容も、多く混ざっています。
どうやら?神獣様を使役するほどの高い能力が有ると…
仕事を余り望まないこっちの現地の役人の仕業?
そんな事をアチコチで吹聴されているそうです…
当然、即王女様にお知らせしましたよ。
どうやら更迭された様ですね、申し上げ難いのですが言わせて頂きますね。
ザマアです。
この吹聴してた人物をたった数日で特定したのって…
まさかのオニキスちゃんでした…ちょっと凄くないですか?
確かに、壁だろうが天井だろうが、そもそも関係無いものね…
どこにだって行けるから、そりゃ内緒話だってもうこっそり聞き放題よね…
しかも、人語だって完璧に理解できて、その後の判断だって的確ですし。
そうそう、帝国内でもミュー様の子供達が、諜報の一端を担ってますものね。
しかも、仮に抵抗されようが、一瞬で相手の動きを止めさせたり、
糸でぐるぐる巻きにして固定したり、
ハッキリ言って無敵なんですよ。凄いわね~…
やっぱり凄いのよね、うちのオニキスちゃんは。
ウフフ…何故か私は誇らしい気分です。
そんな私の元に、急に王女様が訪ねて下さいまして、
なんとほぼ一月半くらい、軽くぶっ通しで勤務している私達の身を案じ、
なんとうちの王様に、私達のお休みを懇願して下さったそうです、ありがとう御座います。
王女様はとてもお優しいのですね。
ですが、あのー…お姫様?
こんな我等の身を案じて下さったのは、大変恐縮して、とても感謝しているのですが…
何故…別件のお仕事を更に、その手にお持ちになられているのでしょうか?
え?…気の所為?
いや、さっきから王女様が脇に抱えておいでの書類が、既に私の目を釘付けにしてるのですよ。
しかもね、もう見えてますよ?
上の方に…そこに復興担当者宛って…
まさか…一応、確認ですが…
ええ一応です、一応。
より多くの仕事を押し付ける為の罠…そう云う誤解が今、ここに発生しておりますが?
ちょっとお姫様?
何故急に口笛など…っていうか、全然出来てませんし、
流石に王女様だと、ちょっとお下品ですよ?
あ、何故…急に遠くをを見つめておられるのですか?
駄目ですよ、ちゃんとこちらの目を見てお話して頂かないと…
もう一度確認ですが…この仕事…あれ?舌打ち?!
あ!…書類置いて逃げた…
グヌヌ…一国の王女ともあろうお方が?
まさか、丸投げで逃走するとか…
もうこうなったら皆交代で、先に休暇を頂こうと思いますね。
あとは…今後余計な書類をもっての、ここへの入室を固く禁じましょう。特に王侯貴族様は全員…
書類を見て驚きました。これで一体、どうやって休暇等と…言えたのか?
いや、寧ろ、休暇で釣らねば、これらはどうにも出来ないだろうと、既に悟っていたとも考えられるわね…
そもそも、来年度以降のアーラントの国家予算の分配なんて、
そんなの我等がするものでは断じて無いのですよって話です。
しかも、下手にここを離れてる間に、
こっそりこれ以上書類を増やされては堪りません。
まずは休暇の前に、
この書類の断崖絶壁から、アーラント側に突っ返す書類を仕分けましょう。
そうです、それが最優先課題へと、
たった今、格上げされたのです。
ソフィア様…、そうです、まずはそれから、本日の作業を行いますよ。
ええ、徹底抗戦です。
理不尽な無関係書類は、決してここでは認めません。
即刻、のしを付けて送り返して差し上げましょう。
我等が物言えぬか弱い乙女だと思っていたなら大きな勘違いだと、
この際、皆に知って頂く時が来たのですよ!
時は来た!そうです、なんなら余分なおまけも付けて、尽くお返ししていきましょう。そうしましょう。
まあ…最初から判ってましたからね。
支援物資が粗方揃って、尚且つ避難民の仮設住宅がほぼほぼ皆に行き渡るまでは、
そもそも復興担当者にお休みなんか、そりゃ到底無理だなって…
そう言って皆で書類の選考を行なっていたところに、
ついに王様が差し入れ持ってやって来て下さいました。
『そうか…あんまり調子乗ってるようなら、俺が王女共々、きっちり絞めてやるけど?』
王様から、とても有り難いお言葉を得て、ちょっと元気が出ました。
そうだった。私達の後ろには、この方が居たのよ。
皆と一緒にたこ屋のたこ焼きを頬張ります…
熱いです、でも、美味しいのです。ここまで熱々なのは、それこそほんの今さっきにお店で焼いた直後には、すぐにここへ来て下さったのですね。
皆様、王様を取り囲んでお話するのかと思いきや…?
熱々のたこ焼きを頬張りながら、ハフハフ言ってますね。
ああ…判ります。私だって初めての時はそうでしたよ…
まあ…今でもそうですが…
王様から、休暇についても言及を頂けました。
更に…差し返す以外の書類でも、
特に急がないであろう案件は全て、遠慮無く送り返しても全然良いと…
寧ろそうしろって…
『アイツら、ちょっと甘い顔すりゃつけあがりやがって…』王様は、ちょっと、おこですね。
特に大きな問題がない限り、あと少しだけ頑張ったら、全員…一時帰国させてやるよって…王様の口から確かに、そうお聞き出来ましたよ。
『…身代わりに、リジャディード大臣とか、ヘンリエッタ大臣とかを送り込んで、一回キュッと絞めてやろう…せいぜい恐れ慄けや…』
不敵に笑いながら王様が仰っったお言葉が、
ちょっと怖いですが…
一時帰国は、大変感謝です。もうこうなったら、そこまでは全力で行きますよ。
あ、ソフィア様…お口に青のりとかついてますよ?大丈夫ですか?
フフフ…
え?私もですか、そうですか…
拭き拭きして…
いやあ美味しかったですね。
さあ皆様、休憩の後も頑張って行きまっしょう!




