王女様にお願いします。
何とか無事に、王城に戻れました。
お城では、結構な大騒ぎだったそうで、
皆さんから、涙ながらに抱擁されたり、謝罪されたり、
ソフィア様達の…三人分の涙と鼻水がベッタリで…
凄く、凄く気になるのですが…今は我慢しよう。田舎ものですが…ちゃんと空気は読めるのですよ。
「本当にすぐに、ゴルド騎士長様が捜索隊を出されて、それを聞いた王女様も、直ちに討伐隊を組織されたのよ?」
え!討伐隊って…結構な大ごとじゃないですか?
「エトラン様…何をのんきな事を?
重要な地位の他国の来客が、まんまと攫われたなんて、それは国家問題で有って、大事以外の何物でも無いでしょが?」
あ、はあ…そうですね…確かに…
そうだ!?…王女様にもお会いしないと。
私ちょっと、行ってきますね。
…
……
「うえええええん、よくぞ、よくぞご無事でええええええ…」
う…わあ…またですか?
ここでも王女様から、涙と鼻水の、熱い抱擁を頂きました。
私なんかを心配して下さるなんて、本当に有り難い事なのですが…
大変心苦しくも有るのですが…
大きな声では言えませんが、
正直、早く着替えたいです…
大変ご心配をおかけいたしましたが…この通り何も問題は有りません。
それで…ですね?
あの貴族の方々…ですが、悪気は無いの…いえ、誘拐は悪気の塊ですが…
后の派閥だったのも、どうやら子供の独断でそうなった上に、
それに逆らうと、命の保証が無かったらしく…仕方なくと…
そうだ!一応絶対に忠誠を誓うって意味で、
彼の者の全ての財産を、アーラント復興の為に、全て差し出すと、
そう仰ってましたね。
なので…どうか極刑だけは、ご容赦頂け無いかと…
え?…ポカーンですか?
そ、そりゃそうですよね?何で私がって…ええ、判ります。ええ、なかなかの異常事態ですよね…
ですが、今は復興の為に、少しでも多くの力が必要だと思うのですよ。
確かに、やった事は褒められたものでは有りませんが、
充分反省していると思いますので、どうか…え?
あ、はい、頭を強く殴られた訳では有りませんよ?
なんと言いますか…
お恥ずかしいのですが、うちの父を思い出してしまって…
王女様だってお父上を亡くされたと言うのに、随分と身勝手なお願いですが…
「良いのですよ。…帝国国王様にも、それがエトラン様の希望だと、そう伺いましたので…」
え?もう来たのですかうちの王様?早いですね…
「多大なご支援を受け、今も自ら炊き出しなどをお手伝い頂いて居られる、この国の大恩人のお言葉です、決して無下には出来ませんでしょう?」
あ、ありがとう御座います。
…
……
さあ、一応出来ることはやったし、素敵なクモさんのお名前を考えないとね♪
だからクモさん、出てきてちょうだいな。
ぴょこッと出てきたクモさん。へえ、かわいいな。
真っ黒で、お目々が赤いですね。本体…ミュー様と同じなんですね。
ところで、貴方は男の子ですか、女の子ですか?
ん?…そう言えば、神獣って、オスメスの区別は無かったでしたっけ?
じゃあ、どっちでもおかしくない様な…
素敵なお名前…
うーん、難しいな。
確か…ヘンリエッタ様のクモさんはリュウト…だったわよね?
ん?…ひょっとして…王様のお名前に因んだのかしら?
おっと、そうだとすると、きっと皆様の守護獣さんは、みんな似たようなお名前ばかりでは無いのかしら?
…いや、きっとそうね、絶対そうだと、何故か言い切れる気がする…
うーん、そうなると…
素敵な…勇ましくて、尚且つ、かわいいヤツ?
うーん、何故かたこ焼きが頭に浮かんだけど…
たこ焼きは無いわ…
でも、小さくて丸っこいし、しかも強い…
そうだ!魔除けの黒い宝石…オニキスが良いわ。
そうね、貴方は今日からオニキスちゃんです。
どう?素敵なお名前じゃあ無いかな?
これからも宜しくね…オニキスちゃん♪




