何をやってるんだって?さあ…
とにかく、こちらの貴族の方々のお話を聞いて欲しい…
こちらのお願いは、ただそれだなのです。
まずは、こちらに戦闘能力はほぼ有りません。
高齢者が大半ですし、乱暴しないって、確約頂かないと、扉は開けられません。なので、騎士長様、大きな声で確約のお言葉をお願いします…
「そうは言うが…反乱貴族が人質まで取ってる以上、はい、そうですか…って、そんな訳にはイカンよ?」
『そうだぞ?エトラン…』
うえええええええ!?
お、おおおお王様?…い、いつの間に???
『おいおい、さっきから居たぞ?』
そ、そうですか…
『で、お前は何をやっとるんだ?』
えーっと…ですね…攫われてきたのですが、
この方達がなんだか見てられないくらい、それはもうグダグダでして…
何となく…実家の父を思い出してしまい、つい…
『お?…おう…』
『だがな…こっちはは他国の人間だからな?お前は他国の問題に、勝手に介入してるんだぞ?』
いや、その、そんな御大層な感じでは無くって…ですね?
『お前さあ…攫われてきたくせに、何を言ってるか理解してるか?…これって、完全にストックホルム症候群だぞ?』
すとく?…何ですか、それは?
『説明は面倒くさい…とにかくだ。こっちはまだ炊き出しの途中なんだぞ?』
え?…そう言えば、何で王様はここに来れたのでしょうか?
騎士長様達とご一緒に?
『いや、お前には御守りが付いてるからだよ…どこにいても分かるんだよ…』
へ?御守り…ですか?
『出てこい…』
ひゃ?!
私の服の内側から、小さな蜘蛛が一匹、出てきました。
『コイツはミューの分体だ。見た目はちっこいが、ミューの子供達の比では無い、本体さながらの、おっそろしい程高い戦闘力が自慢だぞ。
ここに居る貴族は勿論、外を囲んでる兵隊全員が同時に飛び掛かっても、多分全滅するのに殆ど時間は掛からんだろうな…』
え?…この子はいつから私の服の内側に?
『何言ってんだよ、2回目に会った時にはくっつけといたぞ?…あれ…言って無かったっけ?』
…聞いてませんけど?
え?でも、私が攫われた瞬間も、助けてくれなかったですよ?
『そりゃ、そこに殺意や殺気が無かったからだろ?知らんけど…』
まあ…無かったと言えば、無かったですけど…
ええ、私に至っては、結構平常心でしたね…
つまり…特に危機では無いって、蜘蛛さんは思っちゃったのかな?
そっか…キャーって、ただ叫べば良かったんだ…
まあ…次からは、遠慮無く、泣き叫ぶ事にしようかな…出来るかどうか、ちょっと不安ですけど…
ときに王様…この子のお名前は?
『え?…分体…?』
では、素敵なお名前を私が名付けても?
『お、おう、良いと思うが、まずは先にここを、どうにかしてからな?…よし分体、取り敢えず、全員縛り上げてくれるか?』
小さなクモさんの目が光った次の瞬間、全員が固まってしまい…
そのあと、糸でグルグル巻きにしてしまいましたが…
あのー王様…、一応、酷い扱いはご容赦下さいませんか?
『ああ、お前の名に掛けてそうさせよう…』
そう言って王様は入り口を吹き飛ばし、
そこに勢いよく突入して来た兵隊さんを、一旦制止させて、
『おいゴルちゃん、くれぐれも丁重に頼むな?』っと、騎士長様にお声を掛けられました。
「心得ました、我が王よ…」
あのー王様?あの方たちって…どうなりますか?勝手なお願いですが…
出来れば王様からも、なるべく穏便にって…お話して頂けませんでしょうか?
『一応…言っては見るが、決めるのはあくまでも王女だぞ?良いな?』
はい…ありがとう御座います。
『じゃあ、俺は炊き出しにもどるからな…』
あっと言う間に王様、消えて…
私は騎士長様らと、馬車でお城に帰りました。




