私の未来は真っ暗ですね…
厳重に見張られてのお手洗いを終えて、
再び、貴族さんらに囲まれています。
檻や牢屋では無いのがまあ…救いっちゃ救いですが、紛れもなく軟禁ですよね…これって。
皆さん一様に押し黙ってますが…
攫われてきた意味も不明ですし、若干感じる違和感?
かなり鈍感な私ですが、何となく察しました。
あの…まさかの…人違い?なのでしょうか?
「…」
うわ、やはり当たりですか?そうですか…
いやもう、皆まで言うなって、そんな感じですかね。そっか…私、人違いなのか…それもそれでちょっと、哀しいよな…
どうやら普段、あの配給所の管理をされている女性が、なんと姫様のご友人だそうで、
あの時、偶然そこに居た、違う獲物が…私が釣れちゃった訳だ。
ただもう、後戻りも出来ないぞって事で、こうなったと。
しかも、他国からの使者で、あり得ない事に、なんと復興担当者を拉致してしまったと。
ああ、簡単に言えば、
「お前じゃ無いんだよ、お前じゃ…」って事ですよね…
なるべく穏便にってつもりだだったが、
まさかとんでもない事態にって、
かなりこの事態が国際問題迄格上げされた様で…
それで皆さん、途方にくれて居たんだ…
「いっそ、殺してどこかに埋めてしまいましょう!」…とか、かなり怖い意見が出てますが…
いやあ…それは絶対に、おやめになられた方が賢明だと思いますけど?
そもそも人違いで殺されるのも、私だって不本意ですし、
きっと、凄く怒られますよ、うちの王様に…
多分、冗談でも無くですね…国家存亡の危機が来ますよ?
うちの王様、そう言う事、割と簡単に決断出来るお方ですから…
どうです、今なら戻れますよ?私もちょっとくらいなら、庇ってあげますし?
「儂らはただ…姫様と和解したいだけなんじゃよ…だが、まさかよりにもよって、帝国の使者を拉致したとなると、もはや最悪の事態で有るのだ…よりにもよって…ううう…」
そもそも人違いで攫われてきただけなのに、まるで私が全部悪いかの様な空気が…堪らなく辛いです。
つまり…?
この方達とお姫様にお話出来る場を提供し、
なおかつ、これは誘拐では無いですよって、アーラントにも、帝国にも知らしめて、
更に、うちの王様にも、全然なんでも無いですよって、納得して頂き…
しかも?それをするのが、誘拐された被害者のはずの私?
別段、なんのメリットさえも無い、完全な取り越し苦労とタダ働きを、わざわざ自ら背負い込んで、この私が?
…そう云う事ですかね?
「…そうして貰えると助かるが…やはり、騒ぎが大きくなる前に、この娘を処分する方が…」
おおっと?分かりました。
分かりましたから、一旦、ちょっと落ち着きましょう。
お力になるにも、事情を知りませんことにはどうにも…
かなりの間、部屋は沈黙と静寂に包まれています。
うーん、選択肢によっては、私、殺されて埋められる?
まずいな、雰囲気的には半々…
多数決なのか、あの長老さんの一声なのか?
私の未来は、どこかも知らない場所で,
誰とも知らぬ老人に託された様ですが…
あーん、王様、アーデ様、騎士長さん…
誰かお助け下さい…
私、まだ死にたくは無いですうううう…




