表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

56/86

炊き出しの現場で

 昨日はすっかり枕を濡らしてしまいましたが、

 ぐっすり眠れたので、もう、復活しました。


 目が腫れぼったいのが、鏡を見ずとも理解出来る程ですが、気にしませんよ。

 そんな暇は、我等には無いのです。



 本日は、書類仕事もそこそこに炊き出しの現場視察に伺います。


 腐敗した政権だと、悪い代官なんかが食料をピンハネしてて、

 炊き出しが機能してないなんて事も、ままあるそうです。


 なので、実際抜き打ちで行こうじゃないかと、そうなりました。


 大層な馬車移動では、これから行きますよって、わざわざ悪党に知らせる様なものですので、


 ここは皆さん、徒歩で向かいます。


 丁度、街の実際の被害状況や住人らの今の姿を見る、良い機会でも有りますしね。


 散乱した瓦礫などは、到着した軍の方々がもう、殆ど除去された様です。


 お陰で道も歩きやすくなってます。


 

 …ただ、私以外のメンバー達が、既にバテバテですが?


 ああ、普通なら距離に関係無く常に馬車移動でしょうから、

 普段…いや人生でも、これ程歩く事もそうは無いですよね。

 え?初めてですか、そうですか。


 私ですか?

 まあ…田舎の出ですから、馬車よりも足って、そんな感じで生きてきたんですよね…


 これはまあ…当然自慢では無く、言い訳でも有りません。

 そう言った事実、のお話ですが、何か?

 今日も、枕がちょっと濡れそうです…



 そうこうしてる間に、見えて来ましたね。


 大きな天幕が張られて、大きな鍋が幾つも並んでますね…


 その、鍋の前で味付けをしてるお一方には、見覚えが有りました。


 ええ、完全にうちの王様ですね。

 何故?…いや寧ろ、当たり前なのかしら?もう、何が普通か、すっかり分からなくなってきましたが…


 その姿を見たソフィア様もシャイナ様も、マゼラン様も一斉に走り出し、膝をつきましたが、


 近くにいた、列を整理しているうちの騎士団の方に、

 そこは邪魔だからと、即刻、排除されてました。

 

 まあ…そうなりますよね。


 どうもおはようございます。お早いですね?

『おう、エトランか?友達にはくれぐれも言っとけよ、外じゃそんな真似はすんなよって…』


 あ、はい、すいません。必ず伝えておきます。

 で、私は何を致しましょうか?

 『ん?何を言ってんだ、お前さん今日は視察なんだろ?

 自分達のお仕事をしなさいよ…』


 え?あ、はい。


 そうでしたね。今は復興担当者として、私は視察でした。

 王様のお姿をみてしまったもので、つい…


 そこに、強制排除された御三方が帰って来ました。

 膝をついた姿勢のまま、抱えられて運ばれていくと云う、なんとも珍しい光景を拝見出来ましたよ。

 そうそう、あそこにおわそうお方は、うちの王様じゃ有りませんので、

 くれぐれも、くれぐれもお願いしますね?


 早速、皆さんには笑顔で釘を刺して置きましょう。


 「エトラン様様…何故あのような事を…あのお方が?…」

 「そそそ、そうですよ?一体何故?…」


 まあ…皆さんのお気持ちは察しますが、取り敢えず、あのお方のご趣味だとでも、一旦ご理解下さい。


 我々凡人には到底及ばぬお考えが有るのですよ、きっと。


 なので、余計な事を考えず、お邪魔にならない様に、我々はお仕事を致しましょうか?


 だって、王様もそこで見られてますからね、我々の仕事ぶりを…

 「はっ!そ、そうだわ、し、仕事しなきゃ…」

 ソフィア様達が、慌てて身なりを整え、お仕事を開始します。


 

 あ、シャイナ様、お膝が汚れてますよ?

 「良いのですよ、エトラン様。天上のお方が自ら奉仕されておられるのですから、私如きが汚れ等、気にしている場合では有りませんのよ…」


 そうですね。

 では、端から順に確認していきましょう。


 左から、帝国、同盟国、アーラントの順に並んだテントの様です。



 先ずはアーラントから行きますか。


 やはり、水でかさ増ししてますが、食糧はまだ充分とは言えませんからね。

 これはこれで、特に問題は無さそうですね。


 スープですね。一応、肉も野菜もちゃんと入ってますし…でも、


 一応、味見を。

 では失礼します。ペロッと…


 なる程、まあ…充分美味しいと思います。


 調味料もまだ充分ではないようで、割と薄味ですが、

 余り食料が行き渡って居ない現状では、寧ろ濃い味付けよりも、住民らの胃腸の負担が少なくて、この方が良いかも知れませんね。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ