表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

54/86

改めて、コチラ、真王様です…

 忙しい毎日です。とにかく忙しいのです。

 なぜこうも私達に、多くの仕事が舞い込んで来るのかずっと不思議だったのですが、


 どうやら、この国の新国王となったお姫様の都合だったそうです。


 何でも、かつての官僚たちは皆、王族らの手先となって、率先して汚職にまみれて居たのだそうです。

 なので、お姫様は、この国の官僚たちを一切、全く信用出来ないと…


 むしろ他国の、朝から晩まで馬車馬の如く…バカ正直に働く私達の方が、お姫様的には全面的に信用に値するのだと仰る…


 それは、果たして褒めていただいて居るのか…でも、


 まあ…他国の他人にさえ、信用される程の仕事ぶりだと、ここは胸を張りましょうか…

 しかし、この国にもまともな官僚たちだって、きっと探せば居ると思うんですけどね?

 いずれは私達は帰国するのだし、

 以前の官僚たちが信用出来ないのなら、ここで新しく育てて見てはいかがでしょうか?

 次にお姫様にお会いしたらそう、お話してみようと思います。


 じゃなきゃ、ほんとにいつ帰れるのか?不安で仕方が無いのですが…


 そして…

 大体いつもこの時間に、王様が差し入れを持って私の様子を見に来て下さいます。


 ココに居る皆さんは、てっきりご存知だと思っていたのですが、

 ソフィア様から、まさかの質問を受けてしまいました。


 「ところでエトラン様、いつも差し入れを下さるあのお方は、一体どの様なご関係ですか?」っと。


 驚きましたが、よくよく考えて見れば、表立って王様しているお方…雇われ王様こそが王様で…

 まさか、あれが偽物で…


 毎日のようにやって来る暇人が、実は…って、

 あれっ?これって話しても大丈夫な事のでしょうか?

 対外的には極秘事項、国家機密ですよね…


 ココのお姫様達は既に王様と面識が有って、しかもその辺の事情もご存知だった…

 なので、王様も王様してましたが、ココに来る時はいつも友達を訪ねてくる様な感じで…

 私…皆の前で、ちょくちょく王様って呼んでた気がするんですが?


 あ、でも、うちの国の王様って、呼んでた訳じゃ無いのよね?

 きっと、あだ名か、そう云うお名前だと思われているのでしょうか?


 一応、大臣様か、王様御本人に確認しないと不味いよね?

 幾ら仕事仲間とは言え、国家機密をペラペラ喋って、それで無事で済むとも思えないものね…まで死にたくは無いですしね。

 仕方が無いのです、ここは有り得そうな話でお茶を濁す事にしましょう。

 そうです、そうしましょう。


 あれは…いえ、あのお方は、ヘンリエッタ大臣様のご関係の…『どうも皆さん、俺は通りすがりの国王で、リュータロー・シヴァってものです、宜しく…』…ご関係、い、いや、ちょっと…

 お、王様は、そんな頻繁に差し入れ持って、他国の執務室を通りすがりませんからっ!!

 いやいや、そもそも通りすがりってなんですか、通りすがりって?

 『なんだよエトラン…今日はツッコミが強いな?』


 いやいや、こっちは色々考えてですね…国家機密を心配してるのですよ?

 それを、ヒョイって横から現れて、通りすがりの国王って、一体何ですか?

 『お?おう…たまたま小耳に挟んだもので、つい…』

 全くもお、こっちの…あ?え?…


 ソフィア様が急に膝をつき、

 「王様とは知らず、ご無礼の数々、どうかご容赦下さいませ…」

 『ああ、良いの良いの、気にしないで。だってみんなエトランのお友達でしょ?この子さあ、大田舎から出てきて、こっちにお友達居ないからさ、みんな仲良くしてあげてね?』

 「いえ、滅相も御座いません…私共如きがご友人等と…」

 『まあまあ、そう硬いこと言わずにほら、皆さんでこのたい焼き食べて下さいよ。友情の印ですから…知らんけど…』

 ちょっと、王様?知らんけど…って何ですか?

 ほら、皆さんフリーズしちゃったじゃ無いですか?、もお…

 『じゃ、そう言う事で、サラバじゃっ!』

 え?え?ここで?


 そう言って王様は、忽然と姿を消してしまわれたのだが…


 「あのー、エトラン様、い、今のは一体…???」

 え?あ、アハハハハハ…なんでしょうか?私は何も見てませんが?


 何か、有りましたか?


 …困ったわ、い、今のアレ、どうやって言い訳すれば良いのだろか?


 ソフィア様の視線が痛い…



 えーっと…ですね、アレはですね…

 「エトラン様、私、理解致しました、あの方が…あのお方様こそが…」


 え?…な、なんでしょうか?


 「私だって、官職を与えられた貴族の娘です、今のあの方が、真の…」


 え?えーっと…どうしましょう?多分バレましたけど王様?


 「そうでしたか…実は以前より、あのお方を王城で、何度もお見かけしていたのですよ…」


 あ、こりゃもうバレたな、完全に…


 「王様や騎士長様らと、とても仲睦まじくお話されたいたので、どこぞの関係者だとは思ってましたが…まさか…」

 

 分かりました。もう隠しようが無いですし、

 まさか御本人が国王とお名乗りになったのですから、

 きっと私には、一切罪は無いでしょう。

 ええ、そうですよ、そうですとも、あのお方こそ、

 数多の伝説を残してこの国…いや、ここはアーラントでしたか…

 帝国をお一人で、一からお築きになられた、

 我が国、帝国の真の王様で御座います。


 「あぁ゙…そうでしたか…」

 そう言ってソフィア様が、一筋の涙を流されました。


 そうですね、会いたくとも会えない、雲の上の…更にずっとずっと上のお方ですものね…


 「エトラン様、貴方は一体…王様とどのようなご関係でしょうか?」

 ソフィア様が、凄い迫力でグイグイ来ます…


 えーっと…ですね、私は王様のですね…

 お世話係で有り、お目付け役でも有り…雑用係ですかね?

 「な、なんて羨ましい…」


 ええ、いや、そりゃそうですが、これでも結構大変ですよ、色々と?

 まあ…美味しいモノを食す機会にはには頻繁に恵まれますが…


 それこそ戦場の最前線にだって、護衛も連れずにヒョイヒョイ行きますし、それに…

 「良いですか、エトラン様、それこそが、我等帝国臣民にとって最上の、唯一で極上の幸せなのですよ?」

 

 あ、はい…そ、そうですね。大変とか言ってスミマセンっ…


 この後から、ソフィア様達との関係が多少ギクシャクしがちです、

 誰か、至急お助け下さい。

 王様?聞いてるんでしょ?何とかして下さいね!


 ねえ、聞いてますか?王様…


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ