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アーラント担当に就任しました

 アーラントでは無事に王位の交代、

 

 蝗害と闘い、そこで起きたクーデターで命を落とした前王と、


 その前王の死を利用し、愛人とともに実権を奪わんとクーデターを企んだ后、


 そして、紆余曲折ののちに、この国の未来を案じた忠義に厚い家臣達によって、

 遂に巨悪が討たれた。


 世間には、そんな話で発表し、その筋書きで通す様ですね。


 はい、どうも皆様ご機嫌よう、アーラント復興担当の私、エトランと申します…

 どうぞお見知り置きを。



 それはどうやら、向こうのお姫様のたってのご希望だそうで、ついさっき、いきなり就任しました。



 えーっと…ですね…私ですか?


 私なのですか?本当に?

 しかも、えらく急なお話ですが…


 え?言うの忘れてたって…ちょっと王様、それは余りにも流石にひどいですよね?


 忘れてたって…?



 一旦自宅に戻った後、色々と準備をして再び、アーラントへ出向します。


 まあ、送迎は王様がして下さるそうですが、


 取り敢えず、王位の即位式と、同盟の調印式が終わるまで、


 ここに貼り付いとけと、王様と大臣様から、そう申しつかりました。


 使節団の代表とか…ただの適当に作ったお話だったはずのに…



 あれからずっと、お姫様の横で一緒に行動してますが…


 そもそも私は、この国の政治家でも貴族でも無く…ですね、ただの…


 あ、いえ、なんでも無いです。

 はい、お話、どうぞ続けてください…



 既にお姫様とはマブダチですね、田舎貴族の娘ですが、随分と出世しましたね。

 今じゃお姫様…いえ、新国王様のお友達ですからね。


 もはやお父様よりも、随分えらくなった気分です。

 いえ、実際そうだと言えるでしょう。だって…ねえ?


 お父様には手紙でも書いて、たっぷりと自慢してやりましょう。


 当然ですが、忙しいので、ゴミのようなお見合い話は、全てキャンセルでお願いしますよ。


 あ〜忙しい、忙しい。

 


 ただ…うちの実家の領地よりも、遥かに大きいアーラント国の再建事業…少し大仕事過ぎませんか?

 こんな私で大丈夫なのですか?…ッと言う質問など、秒で王様に却下されましたし。



 もう諦め半分で、こうなったら当たって、粉々に砕けようと、そう思います。


 寧ろ、やる気だけでも保って無いと、流石にやってられませんからね。


 勿論、私だけでは無く、多くの知識人や官僚がここには居ますし、


 そのうち帝国からの援軍も、いずれは駆けつけて来る筈です。

 …ですよね?


 あの…王様、聞いてますか?



 先ず当面の事ですが、最初に食料の炊き出しを行う事が決定しました。


 帝国の連合に加盟した国からも、続々と食料が届き始めましたし。


 また、住居を失った人用の仮設住宅の建設も、資材が届く数日後から、本格的に始まります。


 また、廃れてしまった農業を再び行う為に、

 各国から派遣された、農業指導の方も、先程到着した様です。


 取り敢えず、早く収穫出来るものを、早速明日には、幾つか植えるそうです。


 とにかく…忙しいです。

 ありと汎ゆる作業開始の承認と、作業の進捗状況の報告…


 その全てが、何故か私を経由するカタチなので当然ですが…


 とんでもない量のお仕事です。

 通常、こういったお仕事はアーラント内の担当の方々が行うのでは無いでしょうか?


 何故?


 毎日、軽く発狂しそうになりつつも、何とかギリギリ頑張ってます。


 数日後には、ついにリースベラ様が私に応援の人材を派遣して下さった方達が到着するそうですので、


 それで、私の負担が減りますよね?


 しかし本当に本当に、ありがとう御座います、大臣様。なるべく急いでコチラへ来ていただきたいですね。

 でも、少し安心しました。


 

 これでようやく…明日こそはまともに寝れそうですかね…


 などと…そう思っていた頃には、


 実は既に…よだれ垂れながら、盛大に寝落ちしていたって話は…


 うちの王様には、どうかくれぐれも内緒でお願いします。


 そうそう、王様と言えばそんな中…ちょいちょい差し入れを持って、訪ねて来て下さいます。


 お優しいのですね…その優しさで、半分程お手伝いして下さったら、もっと嬉しいのですが…


 え、いや何でも無いです、何でも…


 絶望的な量の、報告書の高い壁に…


 すっかり心を折られた私でしたが、差し入れのたこ焼きには、かなり救われました。


 なんとか、もう少し頑張れそうです…



 ただ…たこ焼きも嬉しいのですが、


 出来れば更にもう数人、応援の人材を、出来れば大至急、お願いしたいです。

 

 二人や三人くらいでは、ぶっちゃけ、焼け石に水ですよ?



 ところで…この状況は、一体いつまで続くのでしょうか?

 流石に、数年単位では無いでしょ?

 無いですよね?



 まさか…私、アーラントに、既に安価で売られて無いですよね?大丈夫ですよね?


 本当に本当ですね?信じますよ。


 くれぐれもそこ、お願いしますよ?絶対に見捨て無いで下さいね?



 ちょっと…あれ?

 何故、王様は私と目を合わせてくれないのでしょうか?

 


 王様〜?

 こっちを、こっち向いて下さいよ。

 遠くを見つめないでええええ…


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