表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

29/86

無事、帰って来れました。


 小さな集落で…色々有りましたが、ようやく王様がお戻りになられたのは、皆が出発の準備を終える、ほんの直前でした。

 「困りますよ?我が神よ、彼女にも黙ってお出かけとは?」


 『え?ああ、そうだな、急に良い事思いついちゃってさ、しかも…あれは絶対、見ないほうが絶対いいヤツだったからさ…』


 「え?…そりゃあ一体どういう…?」


 『まあ…ちょっと俺に喧嘩売ってくれたそのお礼にさ…とっても素敵な贈り物をね…差し上げたったのさ…ただ、思ってたよりも大分多くてさ、苦労しまくったのよ~、マジで苦労したわ、キモいしさ、もうメッチャ大変だったんだぜ?…』


 『そうそう…もうこの山の麓辺り迄、アーデんとこは来てるみたいだからさ。なんで俺は、此処いらで先にお暇させて貰うわな』


 「そうですか、了解しました、わざわざご足労頂き、ありがとう御座いました」


 えーっと…王様、無事にお戻りになられましたね。先ずはお帰りなさいませ。

 『お、おう…』


 後…出来れば、出来ましたなら、今後は是非、何処へ行かれるのか…どうか私目にもお伝え願いませんでしょうか?

 『え…あ、はい、えーっと…努力します…ってか、俺達もう帰るからさ、エトランはとっとと繭に入ってくれるかしら?』


 へ?…あ、あのー…?

 随分と急ですね?


 か、帰るんですか?えーっと?あ、アーデ将軍はお待ちにならないんですか?

 『ああ、そうだ。何故か俺に遅れた分…次に一層、アイツらは張り切ってくれるからな…』


 はあ…分かりました。

 

 『おっとエルどんよ、これ…皆に配ってくれや、皆の朝飯だ…』


 「おお、なんと握り飯ですか、こういう時…意外と皆、こんな質素な方が、何故か喜ぶんですよね…」


 『ウソ?…カレーじゃ気に入らんとでも?』


 「いえいえ、あれだともう、ここでは余りにも現実感がなさ過ぎて、まるで夢みたいで…

 寧ろこっちの、この握り飯の方が精神的に安心できると言いますか…寧ろ、こういうので良いんだよって、いうのか…」


 『おお、安心感?なる程な…ちょっとそれは分かる気がするな…』


 …なんてお話の後、王様と私は一足先にお城へと帰還致しました。


 

 私はその足でヘンリエッタ様に簡単にご報告をして、詳細は明日にって事でした。


 その後で自室に戻り、そのまま朝まで眠り続けてしまいました。昨日までちょっと…無駄に緊張し過ぎた様で、実は自分が思った以上に疲れていたようでした…



 そして次の日。


 お風呂に入って身支度を整え、急ぎ向かうのは17歩先の、我が職場です。


 そもそも…ここに王様が来るのかどうかも、ヘンリエッタ様を始め、誰にも判らないとの事で…多分、それを私にさせたいのだろうとは思いますが…


 それって…王様に命令するようなもので…普通は死刑だから、絶対に。


 幸い?うちの場合、王様は簡単にそう言う事をなされないお方だっていうだけで…


 いや…そう言えば盗賊には、一切のお慈悲をお与えには無られなかったよね…


 つまり?そのご機嫌を損ねたら、それが私の最後…なんだわ、きっと。


 そうこうしてたら、下から馬車の音が聞こえたので、急いで下に降りました。


 今日はヘンリエッタ様と、リースベラ大臣もご一緒でした。

 どうやらリースベラ様も、昨日のお話を聞きたかったご様子です。


 皆で上に上がって、急ぎお茶の用意をしました。


 そこから改めて、私に起こったその悲劇を…おっと違った…

 王様の行動の全てを事細かく、なるべく詳細にお話させて頂きました。


 先ずは味方の、山賊さんのアジトに行って、

 美味しい焼きそばを頂いて…

 そして、何処かの高い高い山の、その山頂に行ってそこから飛び降りて…傭兵さんを追っかけてた盗賊を懲らしめて…消し去って…


 そこからまた、何処かも知らない小さな集落に行って、傭兵さんと合流して…


 いや…その前に美味しいカレーを頂いてました…凄い山奥で、


 しかも、立派なテーブルの上で…



 村で、私は皆さんのお手伝いをしている間に、王様は数回、何処かへお出かけになられた様で…


 その間の事は、何も教えては頂けませんでした…


 そして…朝が来て、アーデ将軍の到着の直前に、帰ると言われて戻ってまいりました…


 ヘンリエッタ様がおっしゃいました…

 「え?あそこの、あの特製焼きそば…ですって?」

 リースベラ様も、 「そうですか…現場で食べるとカレーって無茶苦茶美味いんですよね…」っと…


 え?…そこなの?


 そうこうしていた矢先に、突如目の前に現れたのは、噂のその人…王様御本人でした。

 『よお、おはようさん…』


 皆立ち上がり、直ぐ様膝をつきました。


 王様は、直ぐ様いいよって仰って、

 皆は椅子に座って、私はダッシュでお茶の用意をしました。

 

 『おお、サンキューな』私からお茶を受け取って、王様が笑顔を下さいました。


 「で…お一人で一体、どちらにお出かけなさって居たのでしょうか?」ヘンリエッタ様が王様に問い詰めます。


 『それ聞く?…えーっとさ…ほら、前の会議でもちょっと話してた蝗害…あの、バッタ共の進路をさ、無理矢理捻じ曲げったんだよ。でもさあ、バッタ共の数が無茶苦茶多くてさ…中々纏めて同じ方を向かせるのに、そりゃメッチャ苦労したわ、何しろその規模も相当に広範囲だったからな…海の方向へは絶対行かないしさ、あっちをいじるとこっちが逆向きーの…ってさ…発狂しそうだったわ…』


 え?…私が寝落ちしてる間、王様はずっとお一人でバッタと戦ってたんだ…うわあ、さすがに心が痛い…

 私は馬鹿だっ、焼きそばとか…言ってる場合じゃ無かった…


 「それで…どの程度、蝗害の進路は変わったのでしょうか?」リースベラ様もお聞きになった。


 『ああ…限りなく全部、アーラントの方に行ったよってか、行かせたったわ。…分離しちゃった枝分かれは、流石に処分せざるを得なかったけどさ…

 なるべく殺さずに、全部を生きたまま方向転換させるのは、流石に骨が折れたよ…結局最後はミューも九郎も…ジョンの一族までも総動員したしな…』


 そう言って、王様はお茶を飲み干された。

 私がおかわりを?って、そう聞くより先に、『おかわり』って器を私に向けて差し出された。


 

 急ぎ、器にお茶を注いだ。


『あと…傭兵団の居た集落の近くに、何人か諜報っぽいのがいたんでさ、みんな纏めて軽く挨拶したった…』


 「やはり、アーラントの手の者でしょうか?」


 『いや…どうももっと違うとこぽいな、みんな俺見てあっと言う間に自害したもんな。まあ…その遺体は確保してあるからな…犯人探しは意外と楽勝なんだけど…』


 「ほお…そりゃ律儀な事で…恐らくこっちの、益々連合の関係者やも知れませんな…」


 『うーん、そうかもな…そもそも全部が全部、お友達って訳でもないからな…』

 「そうですね…幾つか怪しげなものも、小耳には挟んでおりますし…フフフ…呆けの気を引き締める意味でも、ちょっと幾つか私も挨拶にでも伺いましょうかね?」


 『そりゃ良いや、めちゃビビるだろうね、まさか急に親戚さんが来たらさあ…』



 「で…恐らくアーラントは泣きついて来ると思いますけど、神様はどうされますの?」


 『うーん、なら…いっそ今回の首謀者全員の首でも…揃えてもってこいやって、言ってやろうかな?』


 「もし…そこに向こうの王族が絡んでたら、かなり面倒なんでどうかそれはお辞め下さいまし…」


『お、おう?…王族だけに…』


 え?…



 『ま、まあ…取り敢えずは、向こうの態度次第だな…黒幕は軍部の一部って話だけど…そもそもうちより小さい国だからな、実は国の総意でした〜って事も、まあ…無くは無いんだよな…』


 『なので…取り敢えずは…』


 「取り敢えずは?」



 『うん、朝飯かな?』


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ