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第9話 こいつほんとに猫か?

配信を終えて一区切りついた後、俺は帰宅しようとして、とんでもないことに気づいてしまった。


「こいつ、どうやって連れて帰ろう。」


ついさっきまでは猫が現れたことに興奮してそこまで頭が回っていなかったが、この猫?がデカすぎて連れて帰ることができない。ダメ元で、体を小さくしたりできないかと聞いてみたが、できないとでも言いたげに首を横に振った。


「うーん、そもそも、デカすぎて連れて帰るだけでも難しいし、連れて帰れたとしても流石に家でペットとして飼うことはできないだろうし、どーすりゃいいんだ。お約束ならここで体を小さくして帰れただろうし、すんなり説得できるはずなんだがなあ。」


俺がウンウンと悩んでいると、大和さんが俺に提案をしてきた。


「一つ、案なんだが、裕司くんの家にあるダンジョンの最初のフロアにその猫を泊めたらどうだろうか。帰りに関しては、夜暗くなってからなら見つかりにくいんじゃないか?家まで、そんなに遠くないんだろう?」


どうして俺はこんな簡単なことを思いつかなかったのだろう。それほどまでに彼の意見は的を得ていた。


「それだ!よし、これなら問題なくいけそうだ。 大和さん、そういうことで暗くなるまでお邪魔させていただきます。」


「こちらは問題ないよ。じゃあ、その子は一旦ここで待っててもらおうか。」


「ニャア」


猫もそれで良さそうにしている。というか、これって人が話していることを理解しているのだろうか。そうだとしたらすごいな。


「じゃあ、また後でな。大人しくしてるんだぞ」


「ミャウ」










外が暗くなるまで高橋の家にお邪魔した後、

家に帰るため、猫を迎えにダンジョンに入った。するとそこには、なぜか猫が5匹ほどいた。


「なんで増えてんだ?てか、もふもふがいっぱいありすぎて、理性を保つのがむずい。」


その猫たちは楽しそうに仲良く戯れあっていたと思ったら、俺の存在に気づいた途端、瞬きをする間に猫は一匹だけになっていた。


「お前、一体なんなんだ?ただの猫のわけがないし、あの猫たちはどこに行ったんだ?」


「ニャ?」


猫に問いかけるが、こいつはあのクズのように、わけがわからないよとでも言いたげにして、首を傾げた。


「まあいいや、とりあえず、今から俺ん家まで行くから、ついてきてくれ。くれぐれも、人に見つかるようなことをするなよ。」


「ニャ〜」


まるで、これから犯罪をするかのように、周りに注意を払いながら外に出たが、人気が全くない。

ここは住宅街なのだが、これほどまでに静かなことがあるのだろうか。


俺は少し不審に思いながらも帰路についたが、一度も人を見かけずに家まで着いてしまった。




「家に着いたな。ふぅ、無駄に緊張してしまって疲れた。」



猫は、お疲れ様とでも伝えたいのだろうか、俺の腕をぺろぺろと舐めだした。


「おい、くすぐったいからやめろよ。今日からお前は、そこのダンジョンで過ごしてもらうからな。外に出るんじゃないぞ。」


「ニャ」ムスッ


俺が指示を出すと、この生意気な猫は文句を言いたげな顔をして返事をした。


「はあ、こいつ、一体何食べるんだろ。明日、キャットフード一袋買ってきて与えてみるか。」


とりあえず、明日の猫のご飯を決めた俺は、ナイフを返して自分の部屋に戻り、眠りについた。







次の日、猫にご飯をあげるため、俺は普段よりも早く起きて急いで近所のスーパーまで走ってキャットフードを買いに行った。


「どのくらい食べるのかわからんから、一番入ってるやつ買ってきたけど、どうだろ。」


《《《《《《◾️◾️◾️◾️◾️◾️》》》》》》


そんなことを呟きながらダンジョンに入ると、大量のアナウンスが一気に流れてきた。


「うげぇ、なんだこれ、うるさっ。バグってんのか?」


突然のことに困惑しつつも、フロアに目を通すと、なぜか猫が見当たらなかった。

おかしい、あいつにはダンジョンの外に出ないよう言っといたのに。

もしかして、奥に行ったのか?

あいつの戦闘力は知らないけど、心配だ。次のフロアはもう敵を倒しているから大丈夫だが、その先はまだ行っていないから敵はいるだろう。急いで探しに行かなくては。






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