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第4話 魔力


《魔力への適正がなかったので、今から24時間以内に肉体を再構成させます。》


またこれかよ。3度目は流石にないだろうと思っていたのに、地上へ戻ってからネタバレしてくるなんて。


「とりあえず、次の配信で報告かな?それとも、SNSで専用の垢作ってそこで告知か?」


SNSのアカウントは、どうせ今後必要になってくるだろうし、今のうちに作っといて、運用し始めるか。


「魔力への適性ってなんだ?人によって有り無しがあるのか?肉体の再構成って具体的に何が変わるんだ?新しい臓器?それとも体の仕様を変えるだけ?それによってどんな変化が起こるんだ?」


だが、考察していても何も進展はない。


「とりあえず、今日のところは寝て明日に備えよう。」











《魔力に適した体へ再構成しました。》


なぜだか眠くない。

おそらく今は深夜だ。ぐっすり寝ていたのに、急にアナウンスが聞こえてきて、起こされた。アナウンス曰く、体の再構成が完了したようだ。


とりあえず、現在の時刻を確認して、眠くなくても寝たほうがいいと、何かで読んだ気がずる。確認とかは朝するとして寝よう。








起きた。なんだか体が軽い気がする。寝起きはいつもよりもいい。これもなにか影響を受けているのだろうか。



部屋においてある鏡を見てみたが、変化は見当たらない。


身長を測ってみて、前回の記録と比べてみたが、その間に成長していると考えれば、変化はない。毎日体重は測っているのだが、昨日と比べると、300グラムほど増量していた。おそらく、その分新しい臓器が増えるなどしたのだろう。



朝食を取ったが、いつもより何故か腹が減っていなかったので、少なめにした。



今日はいつもと比べて奇行が目立っているのだが、両親は何もツッコんでこない。


登校のため、家から最寄り駅まで時間を図りながらジョギングで向かう。以前なら、運動不足で途中でへばりながら30分程かけてついていた筈だが、今回はかなり体力を残して、15分ほどで到着することができた。


「なんだろう。エネルギーの吸収効率が上がったのか?それでコスパが良くなったとかだろうか。それなら、朝あまり食欲がなかったのも、急に体力が上がったことも納得できるような気がする。そのへん全く詳しくないからわからないな。」



電車の中でボソボソ独り言をつぶやき続けていたのだが、周りは特に俺のことなど気にもとめず、目的地までついた。


「ああ、そういえばレベルアップもしてたんだ。その影響もあることを考慮すると、どれが再構築の影響なのかわからないな。」


考察しながら学校まで向かっていると、急に後ろから呼び止められた。


「何一人で考え込んでるの、裕司くん?」


「あ、ああすまない、小楢こなら。」


「だーかーら、美樹みきって呼んでっていつも言ってるでしょ。なんで未だに苗字呼びなのよ。昔は名前で呼び合ってたのに。」


この親しげに話しかけてきた女子は、俺の幼馴染だ。小学校まではしょっちゅう一緒に遊んでいたが、中学に上がったくらいから俺から声をかけることはなくなり、たまに彼女から話しかけられる程度になり、そのあたりから俺は、小楢と苗字呼びするようになったのだ。


「で、どうしたの?電車の中でもずっと一人で喋ってて、私が隣りに座っていても全く気づいていなかったよね?私が適当に相槌打っていたから良かったけど、私がいなかったら、ずっと変な目で見られてたよ。」


「え、そうだったのか?すまない、助かった。今度なにか奢るよ。またな。」


お礼を言って話を切り上げようとしたが、それを許してはもらえなかった。


「ちょっと、話をずらさないでよ。一体何を考え事してたの?」


「ええ?面倒だから嫌だよ。それと、お前朝練あるんじゃないのか?」


「あっ!そうだった。教えてくれてありがと!じゃあ後でね!」


全く、ちょろすぎる。俺はあいつが今日朝練があることなんて知らないし、おそらく今日は朝練などないだろう。


「なんでそんなに妄信的に俺の言うことを信じるんだろな。」


そういえば、あいつのお陰で俺の社会的地位は守られたんだった。

独り言は控えるか。




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