第36話 2度目のコラボ
周回配信を始めて二週間程経った日曜日、朝起きてDwitterを開くと、DMに知らない人から通知が来ていた。
内容はこうだ。
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初めまして。私は吹雪という名前で配信業をしています足立唯です。この度は、コラボの打診をさせていただきたく、DMを送らせて貰いました。私は、貴方と同様にダンジョンの攻略している様子を配信しており、同接数は250前後です。私は攻略の途中で魔法を獲得しており、配信中での見どころも多いと思います。
どうぞよろしくお願いします
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まさかのコラボ打診だった。こんなことは由香さん以来だし、まさか他にダンジョン配信者が居るとは思ってもいなかった。
メッセージには、どことなく丁寧な雰囲気を感じるし、俺のメリットも大きそうなので、コラボを受けようかと思っている。
相手がどんな人かは分からないが、悪いようにはならないという、根拠のない勘が働く。
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初めまして。小鳥遊裕司です。
コラボ提案ありがとうございます。コラボに関しては、こちらは積極的に行っていきたいと思っております。コラボの際の日程ですが、其方に都合の良い日はありますでしょうか?私は、毎週土曜日に配信をしているので、そこに合わせてもらえるとこちらとしては都合が良いです。其方は如何でしょうか?
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こんなものだろうか?2回目だが、まだコラボ企画の相談に関しては慣れていないし、今回が初絡みなわけで相手の地雷が分からない。取り敢えず当たり障りのない文章をなるべく目指して丁寧に書いたのだが、どうしても不安が残る。
このままぼーっとしているのもなんなので、コラボ予定である相手の配信のアーカイブを見てどんな人でどのように攻略しているのかをチェックすることにした。
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すごかった。語彙力が吹き飛んでしまうほど。
相手の言う魔法がどのようなものかは配信を見るまで分からなかったが、それは俺が想像していたよりも何倍も迫力があり、ド派手で、その威力も申し分ないようだった。
本人も美人で、それに派手な魔法もあるとなれば、俺より視聴者が多くいるのも納得だ。
これはホントにコラボしたくなったな。
ただ、吹雪さんの年齢は中学生ぐらいに見える。そうなると、バイトも出来ないので親からのお小遣い程度では活動可能範囲が狭く、こっちが調整しないといけなく、大変そうだ。さらに、中学生という肩書きの性質上、インターネットで知り合った程度以下の関係性の相手と遊びに行くと言う口実も使えない。どうして俺がそこまで考えてるんだ?とも思うが、相手からのメッセージにコラボをしたいと返した以上、俺に責任がある気がする。
もし親が太くてお小遣いも多く、放任主義のようなもので俺とのコラボが可能であったとしても、タイミングが難しい。
そろそろレベル上げを終えて、ブレスレットを取得してタイムアタックに戻ろうと思っていたのだが、ここにコラボがくるとブレスレットの取得を後送りにしないといけなくなる。
ブレスレットを取ってその配信のうちに何周か試すとしても、まだ不慣れなうちにコラボが発生して、ブレスレットで十分な記録を出さないまま次に行くことになるので、視聴者達がブレスレットの本領発揮を見れず、ストレスが溜まることだろう。
それならば、ブレスレットの取得を後回しにするか。そっちはいつでも出来るが、コラボの方は賞味期限があるからな。
今後の方針を固めて、暇なので周回を始めた。
今日の更新で、カクヨムで投稿しているほうに追いついたので毎日更新は終わりです。次回からの更新は、毎週木曜日の午前0時となるので楽しみに待っていてください




