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第35話 周回の力



「よーし、今から配信始めるぞ。」


:週一の楽しみ

:装備つけてるじゃん


おっ、早速気づいた奴が出てきた。


「今日は、シューズとグローブを付けて、ダンジョンを周回するぞ。それと、質問コーナーも設けるから、回ってる間に考えててくれ。一周毎に一個ずつ答えるからな。」


:楽しみ

:周回とな?


「事前に装備を付けて幾らか周回してるから、トラブル事もないと思う。作業bgmとして見てもいいぞ」



平日でもお構いなく暇な時間に周回した結果、レベルは89まで上がっている。今日は95を目指そうか。

勿論レベルアップすれば、次のレベルアップまでの必要経験値は上がる。しかし、周回することでかなりの効率でレベル上げが可能であり、このレベル帯であれば2、3周で一つレベルが上がる。


何度か周回して気が付いたが、最初のフロア周辺は貰える経験値が少ない。

さらに、なんとフロアをスキップして先へ進んでも、周回は可能であった。この発見はかなりでかく、そのおかげで5分近くタイムを削る事が出来た。

さらにフロアを飛ばすことも出来るのだが、モンスターの移動で安定しないのと経験値を集めるために中盤以降のフロアでは敵を倒している。


:ん?敵を無視して良いのか?

:これ、問題ないの?


ゴブリンをスルーして進行していると、視聴者達からツッコミが入った。


「周回しているうちに気づいたんだけど、コイツら無視して進んでも良いみたいなんだよ。今回はレベル上げが目的で、ここは経験値効率が悪いから、スキップしてるんだ。」


:ほーん、そういう仕様があるんだな

:スキップ前提なのかも


「たしかに、次のアイテム次第だけどタイム的に、スキップ前提の構成をしている気がするな」


そんな事を話していたら、もう第4フロアを突破していた。

経験値集めをするのは次のフロアからなので、気合を入れながら次へ入る。



ゴブリンだが、倒す方法はすでに確立しており、これまでと同じように短剣を生成して倒す事が最速だと思っている。

感覚だが、レベルが上がる毎に魔力の操作能力も上がっている気がするので、レベルアップの恩恵を感じれる。





どんどん進んでいって、第十フロアまで来た。道中に居たでかいゴブリンだが、レベルアップにより、短剣で倒すことができ、ここでもレベルアップによる成長を実感できた。


このフロアでは、敵が多く、一体づつ倒そうとするとかなりロスるので、分散しないうちに大剣でまとめて倒した。


:はやいはやいw

:前回と比べてかなり速くなってるな


次のフロアも同じように倒して、最終フロアに入ってタイマーストップ。

タイムは9分40秒。そこそこだったな。


「よし、取り敢えず一周は終わったから、質問を募集するぞ。コメの中から適当に選んで答えるからな」


:最近のダンジョン以外の趣味は?

:勉強はできる方?

:兄妹はいる?


「最近の趣味は、動画視聴かな?ダンジョン攻略がRTAじみてきたから、なにか参考になるかもと思って休憩中だったり学校の休み時間とかはもっぱら見てるな」


:学校でRTA動画見てるの想像したら笑ってもた

:かわいいな


質問に答えたので、次の周回に入る。

2回目以降は、内容もほとんど変わらず、コメントも少なかった。しかし、後から見たら同接数は変わっていなかったので、作業用BGMとして活用していたのだろう。

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