第3話 バトル
「さあて、あのでかいやつはどうやって処理しようか。」
:まさかゴブリンをあんな簡単に倒せるとは
:魔物特効のお陰か?
「まさか、そんなわけないだろう。極小だぜ?」
:そうだな
「それよりも、あいつ、倒せると思うか?」
:いけんじゃね?
:お前が死んでも俺らには関係ないし
「はっ、薄情な奴らだな。そうだ、ステータス確認してみよう。なんか変化あるかもだし」
小鳥遊裕司 Lv3
スキル
経験値微増
魔物特効小
称号
第一の試練を突破した者
「よっしゃ、レベルが上がってる。そして、魔物特攻が小になってるが、使うほど成長するのか?」
:そうじゃね?
:そうだとしたら強すぎ
「よし、じゃあ戦ってみるか。いつものように不意打ち戦法で。」
:こすすぎやろ
「いーのいーの、これまでこれで勝ってきたんだから」
俺は、でかいゴブリンが俺に背を向けた瞬間襲いかかることにした。
恥も外聞も投げ捨て、自分の好奇心に従って。
「今だっ!」
「ギャッ」
上手くタイミングを見計らって不意打ちに成功することができたが、そのまま倒すことはできなかった。
「やべっ」
:大丈夫か?
:今すぐでもいいから逃げろ
「グギャ?ゴアアアッ!」
やばい。バレてしまった。
すぐに包丁を抜いてその場から離れた。
すると、ゴブリンは腰蓑に付けていた角笛のような物を吹いた。
「ギ?」
何も起きなかったが、おそらく、周りにいたゴブリンを呼ぼうとしたのだろう。
だが、すでに俺が倒しておいたため、上手くいかなかったのだ。
「オラッ!」
その隙をついて、左足の膝を切りつけたが、切れ味が悪く、中途半端になってしまった。
だが、動きを阻害できたようで、アイツはバランスを崩してその場に倒れ込んでしまった。
「今のうちにっ」
倒れ込んだ隙を狙って、俺は頭を滅多刺しにして、やっと決着がついた。
《第二層攻略を確認しました。突破ボーナスを付与します》
「っしゃ、きたー!」
アナウンスのおかげで、あのエリアはもう敵がいないことが証明された。やっとリラックス出来る。
「そうだ、ステータス確認しとかないと。どんなのが増えたかなー。」
小鳥遊裕司 Lv7
スキル
経験値増加小
魔物特効小
魔力錬成
称号
第一の試練を突破した者
第二の試練を突破した者
レベルがいくつか上がって、経験値微増から経験値増加小へ。そして、魔力錬成というものが生えてきた。
:魔力錬成ってなんだ?
:解説とかないの?
「ない!だから色々検証して確かめてみる」
「まずは、魔力とは何なのかを調べないと。」
:よくラノベでは丹田にあるぞ
:周囲の魔力を操るパターンもある
「丹田って臍のあたりだよな?多分。なるほど、周囲の魔力を、そのパターンもあるのか。」
へそのあたりに力を入れてみたりそれっぽいのを探してみたが、中々見つからない。
:専用の臓器があったり心臓に溜まってたりするな
:体中に巡っているやつもあるぞ。
まあ、どこかにあることは確定しているんだ。気長に探そう。
魔力を探すこと3時間、全く手がかりはなく、同じ絵面ばかりなので、視聴者数もかなり減ってしまっていた。
「結構時間たったし、明日から学校始まるからそろそろ上がるわ。」
:学生だったのか
:前回みたいな展開になったりしないか?
:それならしばらく配信できない感じか?
「おっそうだな。できれば土日に配信したい。じゃあまた。」
そう言って、俺は配信を切ると、地上に向かって歩き出した。
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