第一話 始まり
俺の名前は、小鳥遊裕司、俺は今、めちゃくちゃ困惑している。
3分前、震度3くらいの軽い地震が起きたと思ったら、家の庭に直径2メートルくらいの穴が空いていた。
「なんだこれ?」
とりあえずスマホのライトで中を照らしてみると、何やら人工的な空間が空いていた。
「とりま入ってみよかな」
次の瞬間、賢い俺は天才的なことを思いついた。
「そうだ!ギコ生で配信しながら探索してみたら、面白いんじゃね?」
そう思った俺は、家から充電されたモバイルバッテリーを持ってきて、穴の中に飛び込んだ。
《それでは、今から30分間、ゴブリンから逃げ切ってもらいます。倒しても構いません。》
すると、謎のアナウンスとともに、ゴブリンのような生き物が出てきた。
その言葉とともに、ゴブリン?が襲いかかってきた。
てかもう、?じゃなくて、正真正銘のゴブリンだろ、アナウンスさんも言ってたし。
「これって、倒してもいいんだよな?それなら、一発殴らせてもらうぜ?」
武道はからっきしだが、謎にどんどん自信が湧いてくる。
「オラッ!」
出せる力を出し切って殴ってみたが、ゴブリンは全く怯みもしなかった。
「グギャッ!」
「ひっ」
そのかわり、ゴブリンに殴られて、こけてしまった。
自分の攻撃が全く効いていない、と行くことに気づいた俺は、こう判断した。
「やべえなこれ、30分逃げ切るしかないじゃん。」
???side
「なんかおもしろそうなのねーかなー」
俺は、そう言ってギコ生を漁る。
俺は普段から、刺激のない(家に居るだけ)生活をしており、こうやって、ギコギコや、やうたべの動画や生配信を見てダラダラと過ごしているのだ。
「ん?なんだこれ、“家の庭に穴ができたから、その中を探索するwwwww”?」
よくわからないものを見つけてしまった。ただ、この配信からは、なぜか面白そうな予感がする。
俺は自分のこの勘を信頼しており、そのおかげで面白い動画などに出会えてる。
今回も、信頼して覗いてみることにした。
「さて、開いてみるか、どれどれ?」
『なんだよこれ、鬼畜じゃねーかー!』
開いたと同時に、めっちゃでかい声で出迎えられた。
「うるさっ、そして、画面がグワングワンしまくって、見にくっ、ハズレか?」
『ギャギャッ!』
閉じようかと考えた瞬間、全く聞いたことのない生き物らしき声が聞こえた。
カタカタカタッ
:今何してんの?
コメントを打つと、すぐにリアクションが返ってきた。
『今ちょっとゴブリンから、逃げてます!』
は?ゴブリン?何言ってんだ?でも、さっき変な声も聞こえたし、一瞬信じてみるか。
『あと1分!』
:何があと1分なの?
『あと1分逃げ切ればっ、多分このゴブリンが消え、グベッ!』
変な声が聞こえたと思ったが、おそらくコケたのだろう。だが、ゴブリンから逃げてるんだよな。追いつかれんじゃないか?
『ギャッ、ギャッ』
獲物に追いつけて、喜んでいるのだろう。そんなゴブリンの声が聞こえてきた。
『ひいいっ!や、やめろ!』
初めて見る生き物に襲われるからと言って、流石にビビり過ぎじゃないか?ヤられるわけでもないだろうし。
《30分が経過しました。ユウジ・タカナシに突破ボーナスを付与します。》
side小鳥遊裕司
《30分が経過しました。ユウジ・タカナシに突破ボーナスを付与します。》
その声が聞こえたと思った瞬間、俺に襲いかかろうとしてたゴブリンは消えて、体が軽くなったような気がした。
「何だ?急に。もしかして、30分経ったからなのか?」
:突破ボーナスってなんだ?
「多分、クリア報酬的なものじゃないか?どうやったら見れんだろ、なんかわかる?」
:分かるかwステータスって唱えてみるのはどうだ?
「それだ!ラノベとかでもそれで確認してるし。」
「ステータス」
:どうだ?数値とかを教えてくれ。
「見れないんだが?これだとただの厨二病拗らせたやつ何だけど。」
:どんまいwww
「念じるタイプか?」
そう、考察してみたが、成功する気がしない。
ステータスと、そう念じてみたが、やはり何もない。
「色々試してみて、それでも無理だったら、一旦上がるわ。」
初めまして、敬礼と申します。本日から、なろうにて投稿を始めました。カクヨムで、いくらか先に投稿しているので、追いつくまでは毎日投稿していきます。