1/5
プロローグ
第1章 誰も気にかけない
急に心臓に痛みが来て、倒れ込む。救急車を呼びたいけれど、痛みで身体が言うことを聞いてくれない…
夫は早くに亡くなったし…
次の瞬間、目の前がぐるぐる回り、立ちくらみがする。
真っ暗になった瞬間、疎遠になった息子のことが脳裏に浮かんだが…
結婚した息子の嫁に散々嫌なことを言ってきた。
料理にケチをつけたり、孫に会いたいからと急な訪問をしたり。子どもの頃の息子は、母を慕っていてくれたから、頼りにされたかったのかもしれない。手を離れて寂しかったのかもしれない。
結局、息子たちが会いに来てくれることは激減した。
1人で倒れるのは嫌だ。でも息子が好きな人と家庭をきちんと築いていたのに…
それを邪魔したのは私だわ。今更後悔してももう遅いが、そんなだったから1人で誰も心配してくれる人もいない。こんなになっても見に来てくれる人もいないだろう。後悔だけが頭をぐるぐる回り…
そこでぷっつりと意識がなくなった。