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プロローグ
朝が来ても、誰も目を覚まさない。
それは、
夜が来ても、誰も眠らないからだ。
フラミンゴス教会によって世界が統括され、『終わりの日』を迎えるまで、人々は眠れない身体になってしまった。
神の啓示によって、
次の支配者が『カカシ』と決められて、命を宿した『カカシ』によって、日夜『人間狩り』が行われている。
そんな世の中にあっても、
僕は自分の宿命を変えられずに、
今日も今日とて、自分の『血』を与え続ける。
そう、僕達レックスマン家が受け継いできた、忌まわしき先祖の呪縛。
身体半分が木と融合した、
クシャクシャの老婆へと貢ぐ、
贖罪の「血」――。