みこちゃんとお花見、今日も幸せです。
「やあ、ミコちゃん、今日も早いね」
ミコちゃんは俺の彼女だ。
朝はいつも俺より早く起きて、目覚ましに起こしてくれる。
「うふふ、あなたはいつもお寝坊さんだね」
「いや、ミコちゃんはいつも朝6時起きだろ?早すぎるって」
いつものように朝からイチャイチャしながら、食卓へ向かう。
食卓にはラップがかけられた朝ごはんがすでに用意している。
朝ごはんは定番といった感じの、目玉焼きとハムと白米である。
「ミコちゃんのつくる朝ごはんは美味しいね。特に俺はこの目玉焼きが一番好きかな」
「もう、嘘つかないでよ///目玉焼きなんて、簡単に作れるから誉め言葉じゃない!!!!」
納得していないように見せかけて、内心照れてるミコちゃんのいつもの姿は可愛い。
俺はなんて幸せ者なんだ。
「今日は何して遊ぼうか?」
「うーん、そうねぇ、今日はお家の庭でお花見はいかがかしら?」
「えー、またお家遊び?昨日もゲームしたし、一昨日は一緒にアニメみたよね」
ミコちゃんは俺のお家が好きらしい。
俺の家(家といっても賃貸)は装飾も何もない殺風景な部屋で、少々散らかっていて、そして狭い上にどこにでもあるアパートの一室に過ぎない。
そんな簡素な部屋でも彼女は好んでくれている。
「だって、私あなたと一緒にいたいもん。外に出たら周囲の女の子に狙われちゃうよ」
「も~、ミコちゃんは心配性なんだから( ´艸`)」
ミコちゃんは世界に1人だけの俺の唯一の恋人であり、理解者だ。
彼女がいれば、他の人とかかわるのが億劫になるほど、愛している。
世界の誰よりも、俺はずっと彼女をみている。
そして、彼女と二人だけの空間に生きていてとても幸せだ。
「まぁ、ミコちゃんの希望だから、何でもいいよ」
そういって、俺はお花見するためにドアを開ける。
外は相変わらず眩しい日差しが射している。
外に出るのは何年ぶりだろうか...
「あなた、郵便ポストになにか届いているわよ」
郵便ポストの中身をのぞくと、そこには母親からの手紙の入った封筒があった。
母親は機械音痴なので、いまだにメールもせずに手紙で週1の頻度で送ってくる。
封筒を開けて、手紙をめくると、特に宛先とかなくメッセージと母親の名前が書いてある。
いつもの手紙だ。
手紙にはこう書いてあった。
○○へ
ちゃんと歯磨きしている?
ちゃんとご飯食べれている?
元気になったら、いつでも連絡しなさいよ。
元気になったら実家にいつでも遊びに来て良いからね。
あなたの大事にしているお人形さんも一緒にね。
あなたの大好きな卵とハム送っておくから、しっかり食べてね。
母より
俺はもう30歳だ、正直嫁もいるし、ちょっとうっとうしいが気遣ってくれているのはわかっている。
手紙を読んだ後、みこちゃんと一緒にマンションの1階にある花壇をみた。
花壇はひまわりやコスモスなど色とりどりの花たちが並んでいる。
まるで、僕とみこちゃんを歓迎いてくれているような。
「みこちゃん今日も綺麗だね。」
みこちゃんを花壇の方へ向けると、いつもと同じ笑顔でお花を眺めている。
「そうだね、今度一緒に通販でお花買いましょう」
みこちゃんはそういっていた気がした。