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日々原高校ゲーム部  作者: 名波 和輝
008 県予選(2041)
66/83

008-001 うぅ、緊張して来ました


 県予選までの1週間。


 あれよあれよと月日は流れ、(気が付けば)県予選は前日にまで迫っていた。


 県予選前日である今日は、備品の移動日だ。


 県予選は地区ごとに指定された施設で行われる。


 その施設にPCやらモニターやらを持ち込むのが今日と言うわけだ。


 僕達が備品を移動させたのは、市の管理している施設、その貸し会議室の一室だった。


「PCの移動って結構 重労働ですね」


「サッカー部や陸上部みたいに、ユニフォームとスパイクだけってわけにはいかないからな。まあ、でも、インハイじゃないけど、吹奏楽部とかは、もっと重いもん運んでんじゃねぇか?知らんけど」


「これ、全国大会も同じように会場まで運ぶんですか?」


「そうだよ。今年は栃木だからまだ近いけどな」


「大変ですね…」


「でも、年に1回くらいはPC動かさないとな」


「なんでですか?」


「ずっと動かさないと、(ほこり)は溜まるし、ケーブルは絡まるしで、いざ設備の買い替えとかで動かす時、大変なのよ」


「ああ、なるほど」


「さて、雑談はこれくらいにして、設備の確認のためにマッチに潜るか。K.A.I.と部長も準備は良いか?」


「大丈夫よ」


「ああ、私も問題ないよ」


 そんなわけで、僕達は通信環境等の確認がてら適当に数試合回すことにした。


 無事、問題なく、僕達は確認を終えた。


 ちなみに、カジュアルを3回やって、チャンピオンは1回取れた。


「よし。問題なさそうだな」


「そうだね。明日に備えて、早く帰るとしよう」


「本当に明日、県予選なんですよね…。うぅ、緊張して来ました」


「大丈夫、大丈夫。県予選突破するくらいなら、4月時点の実力でも余裕だから」


「本当ですか?県予選突破って、確率的には何分の何ですか?」


「え、わかんねぇ。2チームが全国大会出場ってのは知ってんだけどな。2チーム出してる高校もあるし、トータルで何チーム出場するかは知らんなぁ。K.A.I.、知ってる?」


「150チームくらいね」


「つまり、150分の2ってことですか?それ本当に余裕なんですか?」


「余裕、余裕。うちの県はレベル低いからな。正直、ランクマの方が敵強いまである」


「去年、県予選を経験しているyou先輩がそう言うなら…。僕は全力を尽くすだけですね」


「MoMoちゃんに全力出して欲しいのはやまやまだけどよ…」


「何か問題でも?」


「いや、オレがMoMoちゃんの全力を引き出せるのかってのが問題なのよね。部長はどうよ?」


「少し時間が足りなかったね。私も最善は尽くすけれど、MoMoの足を引っ張ってしまったら申し訳ない」


「ま、そんな感じよな。それだけMoMoちゃんが成長したってことで。つ〜わけで、MoMoちゃん、取り決めをしておこうか」


「取り決め、ですか?」


「ああ。MoMoちゃんはオレの指示に従う。だが、それは絶対ではない。この間のグレみたいにオレの指示よりも良いアイディアがあればそっちを優先して欲しい」


「わかりました」


「で、優先して欲しいわけだが、時間的に余裕がある時は、その旨を報告して欲しい。ま、言うまでのないことだがな。あ、勿論、この間みたいに切迫詰まった時だったら、報告は後回しでも良いけどな」


「はい。わかりました」


「一応言っておくけど、MoMoちゃんが自分で判断することに過剰にプレッシャーを感じる必要はないからな。それでミスってもオレの責任だから」


「えっ、あっ、はい。わかりました」


「よし!なら、今日は解散だな。K.A.I.も別に言っておくこととかないだろ?」


「ええ、問題ないわ」


「OK〜。じゃ、解散。で、良いよな、部長?」


「ああ」


 僕達は帰り支度を始めた。


「あ。MoMoちゃん。今日はくれぐれも早く寝ろよ。明日、寝不足とか言うんじゃねぇぞ」


「わかってますよ」


 そんな会話をしながら、僕達は会議室を去った。

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