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日々原高校ゲーム部  作者: 名波 和輝
007 日常(2041/05)
64/83

007-013 これにて幕引き


 敵部隊を早々に壊滅させた後、僕達はランドマークを悠々と探索し、装備をしっかりと整えた。


「にしても、困ったねぇ。安地、真逆なんだよなぁ」


「収縮に追われながらの戦闘になりそうだね」


「とりあえず、ここでモタモタしてても仕方ないからさっさと移動しますか。落下の感じから見るに、こっちの方 通ってけば、あんまり敵に遭わないと思うんだよねぇ」


「はい」


「了解」


 僕達は移動を開始した。


―――


「銃声。いるな」


「キルログは流れてないし、絶賛交戦中ってところかな?」


「ま、だろうよ。すぐ漁夫れる位置に移動して、終わったら行こうか」


「ああ、わかった」


「はい」


「一望できる位置にぼくは移動するよ」


「見つかるなよ」


「そんなヘマはしないさ」


 K.A.I.先輩は戦いに備え、狙撃ポイントに移動し、僕達はすぐに駆け付けられる位置にこっそりと移動する。


「MoMoちゃん。顔を出すなよ。バレたくないから」


「はい。状況はK.A.I.先輩からの報告頼みってことですね?」


「その通り。どうだ、K.A.I.?」


「まだ中距離での撃ち合い中。ファイトが終わるまでの時間は未定だ。展開次第ってところかな。どうする?撃っちゃう?今なら2人は持って行けると思うけど」


「いや、2パ相手にするには位置が悪い。大人しく片方が壊滅するのを待とうぜ」


「了解」


「さて、ゆっくり待ちましょうか」


 呑気(のんき)な口調でyou先輩はそう言った。


 (しばら)く銃声を聞くだけの時間が流れた。


 銃声の種類はアサルトライフル、時々、スナイパーライフル。


 これだけでも膠着(こうちゃく)状態が見て取れる。


 この音だけで戦況を判断できる能力、僕も成長してるってことかな。


 銃声の質が変わる。それ即ち、戦況の変化を意味する。


「奥側のパーティが手前側に詰めてってる。まもなく終わるよ」


「K.A.I.、やり合ってる地点にピンを刺してくれ。それと終わったら、合図を頼む」


「了解」


「MoMoちゃん、部長、準備はいいか?K.A.I.のゴーサインで一気に詰めるぞ」


「ああ」


「はい」


 ゴクリ。僕は固唾(かたず)を呑む。


「今」


 それがK.A.I.先輩からの合図だった。


 その合図と共に、K.A.I.先輩は1人をダウンさせ、you先輩とTomo先輩はピンの方向へと走り出した。


 一方で、僕は。僕は、走り出さなかった。


 それは感覚的なものだった。


 ()ぎる直感は、駆け寄るよりも最善の一手を指し示していた。


 直感に従い、身体は動き出す。


 グレネードを構え、頭上へと投げた。


 僕達の奇襲に気付いた敵の2人が、欠けた体力の回復のために、1つの遮蔽の裏へと隠れたのだった。


 流石はプロ上位帯と言うべき判断能力か。


 奇襲の事実、奇襲の方向、自分達の状況、これらを一瞬で把握し、適切な判断を下したのだった。


 何よりも素晴らしいのは、錯乱してすぐに退避しなかったことだ。


 K.A.I.先輩の射線を考えずに退避すれば、頭を見せた者から順にダウンしていたことだろう。


 けれども、彼らのその反射的に下された判断は、やはり咄嗟(とっさ)の判断と言うしかない。


 考慮不足。この一言に尽きる。


 しかし、それも仕方がない。それほどまでに事態は切迫していたのだ。


 だから、僕が投げたグレネードが遮蔽裏の2人にクリーンヒットした。


「2ダウン!」


 僕はその事実を高らかに宣言した。


 この時点で勝敗は決していた。


 残った1人に与えられた選択肢は2つ。


 無様な逃走か、無茶な闘争か。


 敵が選んだ選択肢は、逃走。


 けれども、K.A.I.先輩のスナイパーライフルはそれを許さなかった。


 これにて幕引き。

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