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日々原高校ゲーム部  作者: 名波 和輝
001 始まり
6/77

001-005 …えっ?


 ゲームは終わった。


 僕は失意を味わいながら、ヘッドセットを外す。


「さて、総評を始めようか。敵としては、どうだったかな?」


 Tomo先輩はそう言う。


「どうもこうもないね。こいつ、ザコ過ぎ。動きは凡庸(ぼんよう)で読みやすいし、逆にオレの策には1mmも気付いてないんじゃないか?」


 you先輩が酷評(こくひょう)する。


「なるほど。モモイ君は、どうだろう?振り返って、何か思うことはあるかな?」


「シンプルに僕の力が及ばずと言った感じですかね。you先輩の言う通り、僕は何もできずにキルされてしまいましたから」


「なるほど。では、モモイ君の合否を決めようか」


 聞くまでもない。撃ち合いにすら持ち込めず、一方的に敗北した僕が合格するなんてことがあろうか。


「モモイ君は合格。youもK.A.I.も良いね?」


「ああ」


「うん」


 …えっ?


「な、なんで合格なんですか?その、自分で言うのもあれですけど、僕全然でしたよね!?」


「別に今回の試験は実力を見ていたわけじゃないんだ」


「じゃあ、何を見てたんですか?」


「人間性かな?」


「人間性…」


「急に呼び出したり、試験のゲームにも選択肢がなかったり、それに今回のゲーム展開は事故みたいなものさ。もし、実力を見るなら、こんな理不尽な試験にはしないよ。だから、今回見ていたのは人間性の方。理不尽な試験を突き付けられたり、それで結果が良くなかったりした時に、どんな対応をするのかを見ていたんだ。どんなに実力があっても、人間性が良くない人は入れたくないからね。では、そろそろ本来の私達を知ってもらおうかな」


 Tomo先輩の声が「では」と言ったタイミングで変わる。


 その声は、女性のものだった。


 僕がそのことに違和感を感じたのと同じタイミングで、外からの光を遮断していたカーテンが開けられる。


「…えっ?」


 意味のわからない光景に、僕の口からポロリと言葉が(こぼ)れる。


 Tomo先輩も、you先輩も、K.A.I.先輩も、全員女性だった。


「ようこそ、日々原高校ゲーム部へ」

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