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日々原高校ゲーム部  作者: 名波 和輝
007 日常(2041/05)
56/83

007-005 希望の光が見えた!


 目標をレティクルに合わせて撃つ。


 目標をレティクルに合わせて撃つ。


 意識が変われば、動き方が変わる。


 動き方が変われば、成長の壁も突破できた。


 僕の弾はダミーの頭を粉砕し続けた。


 とりあえず、スランプは脱出。


 しかし、1つの問題の解決は、別の問題を呼び起こした。


「あの、K.A.I.先輩。まだ目標には到達してないんですけど…」


「何か問題でも?」


「はい、そうなんです。弾は当たるようになったんですけど、射撃スピードが落ちてしまって…」


「努力するしかない、と言いたいところだけど、シンプルな長距離のピンポイント狙撃なんかに比べて、相手の動きと言う複雑な要因が絡む近距離スナイプには少しのコツが存在する」


「そうなんですか?」


 希望の光が見えた!


「相手の動きを読むと言うことだよ。尤も、これは人の心を読むyouの得意分野ではあるが」


「じゃあ、you先輩にアドバイスを貰ってきます」


「まあ、待て。相手はランダムに動く機械だ。youから人の心を読むアドバイスを貰っても、この練習には役に立たないだろ?」


「はっ!確かにそうですね。じゃあ、you先輩にアドバイスを貰っても仕方がないってことですかね?」


「実戦では役に立つから、アドバイスを貰っておくに越したことはないだろうさ。相手の動きを読むってのは、結構大事な技術の1つでね。MoMoは遠距離スナイプも相手が警戒する2発目以降の命中率ががくっと下がっていただろう?」


「そうですね。改善点です」


「相手の動きが読めるようになれば、きっと命中率もぐーんと上がることだろう」


「なるほど。じゃあ、you先輩には後で話を聞いておきます。それで、結局、この練習の場合は、ランダムに動く機械の心なんて読めないから、只管(ひたすら)努力するしかないんですかね?」


「いいや。相手の心が読めなくても、相手の動きを読むことはできる。あくまで部分的なものに過ぎないが」


「どう言うことですか?」


「例えば、右から左に移動している相手が、移動の最中にジャンプを挟んだとする。最高点に到達した相手はどの方向に移動する?」


「あっ。左下、ですかね?」


「その通り。ジャンプしたら着地する。ジャンプしても慣性は残る。ジャンプ中は移動方向を変えられない。これらはゲームの仕様だ。この仕様はチーターでもなければ(くつがえ)せない」


「なるほど。確かに、ランダムに動いているダミーも、完全なランダムではなく、仕様と言う制約の中でのランダムに過ぎないですからね。勉強になります」


「仕様を意識すれば少しは上達するだろうね」


「はい。アドバイスを参考にさせてもらって、練習に戻ります」

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